87.《ネタバレ》 前半、痴漢冤罪で人生を台無しにしない方法が示唆されている。それはやったと認め、罰金と示談金を支払ってその場で解決すること。現に取り調べをする警察官や接見弁護士はそれをオススメしている。みんな分かってるんだなこの理不尽さを。高圧的な取り調べに見えるが、蜘蛛の糸は垂れている。 |
【マー君】さん [DVD(邦画)] 6点(2007-11-24 15:26:00) (笑:2票) |
85.《ネタバレ》 現行の司法体制に対する問題提起。警察・検察の捜査姿勢や、裁判所の在り方に対して批判を込めた内容です。でも一方的に体制を糾弾している印象はありません。出来るだけフラットに、システムの不具合のみを指摘しようとする意図が感じられます。この姿勢は支持します。バランス感覚も素晴らしい。冤罪被害者を主人公に据えつつも、客観的な視点を忘れていません。ただ、そうであるが故にパンチ力を欠くとも思う。本作では主人公のパーソナリティに踏み込んでいません。彼が口にするのは、一般的な冤罪被害者が口にするそれ。その言葉は、検察や弁護人、裁判官が感じ取るレベルと同程度にしか観客に伝わってきません。観客は公判の傍聴人と同じ。主人公には同情します。憤りもある。でも柵の外。火の粉は我が身に届きません。それではやはり物足りないと思う。本作の立ち位置は、報道特番に近い。でもその土俵で勝負するなら、実例をダイレクトに扱っているドキュメンタリーには適わない。運転免許更新の講習で見る再現ビデオのほうが、よほど胸に迫ってきます。本作はドラマ。ドラマの武器を使わないのはもったいないです。“主人公は何故頑なに妥協を拒んだのか?”“裁判を通じて彼は何を感じたのか?”“結局彼は裁判したことを後悔していないのか?”主人公の心の内面を描くことで、観客を物語に引きずり込んで欲しいと思いました。丁寧なつくり。いい映画だと思います。社会的な価値もある。でも映画で何より大切なことは、”面白いこと”だと思います。 【目隠シスト】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-11-14 18:21:05) |
84.《ネタバレ》 題名からしてこれは有罪になるんだろうな~とおもっていたが、最後の砦、目撃者の女性が現れた時はもしや、形成逆転か!とも思ったが、結局最初から、有罪が確定していたがごとく主文を読み上げる裁判官がなぜか滑稽に思えた。「あなたは間違いを犯した。」そう裁判官は主人公の人生を目茶苦茶にするような判決を言い渡しているにも関わらず彼は罰せられない。『疑わしきは罰してはならない』などとうい言葉など無に等しく、『無罪を主張するには確定的な証拠が無ければならない』のである。いくら証人がいても人の記憶など当てにならないのだ!それなら、証拠など先ず出てくる訳がない痴漢など女性はいくらでも男性をはめる事が出来るではないか! ん?待てよ、男性が女性の手を掴んで、「この人僕のお尻触りました。」と訴えたらどうなるんだろ?女性が痴漢をしないという証拠も無い訳だし。う~んいろいろ考えさせられた映画だった。←考えがズレとる。 【みんてん】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-11-13 15:51:38) (笑:1票) |
83.《ネタバレ》 社会派を気取った娯楽映画。小ネタの連続が楽しく、143分は短く感じられる。 でもなあ、もう一度見たいとは思わない。 なんつーか、頭も運も悪い奴が、冤罪っていう天災に当たってしまった話にしか見えなかったから。 だって就職試験に行くのに履歴書忘れるって何よ。履歴書を確認するために電車降りて、履歴書ないのにまた同じ方面の電車乗るって何?意味無いじゃん。そりゃ怪しいわ。それにドアの目の前に乗ったんでしょ。ポールポジションだ。ドア空いたら走れよ。ものすごく急いでるんだし。女子高生に捕まることはなかったはず。 おそらく監督や脚本家は、満員電車に乗ったことがないんだろう。 この辺の設定の甘さが主人公に同情しきれない。 その割りには、捕まったあとはよく頑張るね。でも、遅いよ。 だから、最後の判決文聞いて、なるほどこれなら有罪だわと納得した。たぶん、どこの国でも有罪になってしまうだろう。 【まかだ】さん [DVD(邦画)] 6点(2007-11-12 23:16:14) (良:2票) |
82.「裁判所ってのはこんなものなのか!」と憤りを感じさせつつも、主人公側としの主張だけでなく、「本当にやってないのか?」と考えさせられる、いい映画でした。 【きままな狐】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-11-12 19:34:44) |
81.実話としては出来は良いとは思いますが、映画に娯楽性を求める私には辛い時間でした。上映時間も長くて辛かった。内容も救いようがなくて辛かった。裁判シーンも、現実の裁判はこんな感じなんだろうなぁとは思いつつも、淡々としすぎて面白くなかった。もっと映画として゛魅れる゛映像を撮って欲しかった。 【はりねずみ】さん [DVD(邦画)] 4点(2007-11-11 12:57:56) |
80.《ネタバレ》 ひとたびベルトコンベヤーに乗せられると、もう執行猶予付きの有罪へ向けて一直線に進む安定したシステムが出来あがっているのが怖い。みんながよってたかってそのシステムに奉仕していて、それにちょっとでも抵抗すると、ほら反省してない、という証明になってしまう。この映画が現実をリアルに反映しているのなら、日本の裁判は証拠主義とは言いながら、かなり心証の勝負で決まっているようだ。より雰囲気づくりに成功したほうの勝ち。ならば、最初は乗り気でなかった女性弁護士瀬戸朝香の心証が変化していくあたりを、もっとくっきり描いてほしかった。具体的な証拠が彼女の心証の変化を導くさまを、一つ一つ対照できるように描くことで、裁判それ自体を実証的に裁いてほしかった。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 6点(2007-11-09 12:13:44) |
79.丁寧に作られた啓蒙作品というかんじ。勉強になります。裁判員制度も始まることだしタイムリーなテーマでもありますね。 でも映画の出来としてはどうなんでしょう?確かに加瀬くんの抑えた演技はいいし予想の付かない展開も興味深くはある。けど面白みに欠けてませんか。何もゲラゲラ笑うような面白みではありません。私が言いたいのは「筋を知っていながらも何回でも観たくなるような面白み」がこの映画にはあるか?ということです。残念ながら私にはその辺を見つけることができませんでした。つまり私にとってこの映画は、「最初の目の付け所とその後の丁寧な調査」といった周防監督の「才気と努力の発表会」に留まっているのです(セルDVDの特典映像にはその辺が更に詳しく物語られているようですが・・・)。残念ながら私は天邪鬼なもので「そうか頑張ったんだー、さすが周防さん!」っていうほどの思い入れはなかなか出来ないんですよね。やっぱりこの作品自体よりは、監督のネームバリューのほうが世間的にはまだまだ勝っちゃっているな、と思えてなりませんでした。その手の名監督ってもの自体が私には鼻につかえる存在なので、点はやや辛めです。ファンの人、ごめんなさいね。 【ぞふぃ】さん [DVD(邦画)] 6点(2007-11-07 16:51:43) |
78.約143分と長めの映画だけれど、つまらない場面は一つもなかった。 日本の痴漢裁判に対する問題点が凝縮されていて目が離せない。 役者の演技も良く、特に主人公はノンフィクションを見ているようなリアリティがあった。 ただ、「タメになる」タイプの面白さなので何度も繰り返し楽しめないようにも思った。 【邦画好き】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-10-17 18:50:45) |
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77.《ネタバレ》 実話に基づいているので少なからず内容はわかっていましたが、現状に打ちのめされた感じでした。誰が悪いとか、良いとか言えないジレンマがあるのに、淡々と進んでしまう裁判・・・。痴漢は犯罪、しかし冤罪はあってはならない。でも見極めるのは非常に難しい(-_-;)それでも泣き寝入りは嫌だ。観ていて色んな考えが交差しました。俳優陣も好演で見応えのある作品になっていたと思います。多いに考えさせられる1本です。 【うさぎ大福】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-10-16 12:41:53) |
76.主人公に感情移入すればかなりのめりこめる映画やと思う。娯楽性はあんまりなんいやけど、変にリアルやからか固唾を呑んで最後まで観てしまいました。痴漢でつかまると、どんな風になってゆくのか、とゆうのを細かく見せてくれます。つかまるのが、普通にどこにでもいる20代の男性なんで、男性の方には感情移入度がかなり高いし。裁判員制度がもーすぐ始まるので、裁判はこーなってるってゆう一応の予備知識にもなるかも。しかし143分もあったんや、この映画。正直1時間くらいにしか感じなかった。それくらいのめりこんでもーたんやな~。 【なにわ君】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-10-09 01:03:19) |
75.怖いですね。私も、誤解されないように気をつけます... 【よしふみ】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-10-07 11:16:50) |
74.まず電車に乗る可能性のあるすべての男性はこの作品を見ておくべきだろう。 もしかしたら、女性も被害者側の立場から見ておくべきかも知れない。 あと、自分自身は電車に乗らないとしても、親類や知人に乗る可能性のある人が居る場合も見ておいた方がいい。 面白いといった作品ではないけど、痴漢という犯罪について色々と考えさせられる作品だと思う。 たぶんこの作品が世間に広まったとしても、日本の司法制度やそれに携わる人々の意識が大きく変わることはないだろう。 でも、この作品を見た人なら電車の乗り方に注意するようになるだろうとは思う。 それにしても、この作品はよく出来ていて、僕が逮捕されたわけでもないのに物凄くドキドキさせられた。 有罪になったらどうしようとか、いっそのこと認めちゃった方がいいかなとか、エッチなビデオや雑誌は早めに処分しておくべきかなとか、その日が来ても慌てないように色々と心構えしておかないといけないようです。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-10-03 05:10:35) |
73.怖い世の中です。実際はこんなものじゃなく、もっと恐ろしいんだろうなぁ・・・ 警察って怖いなぁ。 この映画を見て思いました。もし痴漢に間違わられたら、すぐ認めよう!って。 【AKi】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-10-01 23:59:48) |
72.《ネタバレ》 これは、誰にでも起こりうることだけに、主人公と一体になって、最後まで見ることができました。比較的冷静だった主人公が、だんだん苛立ちを隠そうとしなくなる様子や判決が出た後でのモノローグが印象的です。結末は、このレビューでわかっていたのですが、無罪になるのではと思わせておいて、最後に落とすところはあざといです。裁判官や検事が組織の人間であり、やはりそこには先入観や自己防衛が働くなどということが、この作品を見てわかりました。裁判での有罪率が99.9%というのもショックです。裁判官や検事役の俳優の憎たらしいこと。普段、いい人キャラを演じているだけに少し怖いです。周防監督の作品は、今までなんだか浮世離れしていて、そこが好きだったのですが、この作品で見方を変えました。蛇足ですが、弁護士役の瀬戸朝香さん。私はこの人が出ると、彼女の左利きが気になってしようがありません。最近、採点が辛いので10点をつけました。 【ジブラルタの星】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-09-26 11:46:31) (良:1票) |
71.《ネタバレ》 これは、凄い映画ですね。勉強になり、それでいて面白い。でも、これはフィクションでは無く現実の話であり、決して他人事ではないという衝撃も与えてくれるんですよね・・・・・。 まあ、人間が人間を完璧に裁くことは出来ないということなんでしょうね。当然、裁判官、検察、警察、弁護人等それぞれがそれぞれの思惑がある中で結論を導き出していく訳ですから、極論すれば証拠の伴わない真実なんて真実でなくなってしまうんでしょうね。 しかし、このようなテーマの作品を周防監督のようなメジャーな方が撮ってくれたというのは、本当に素晴らしいことだと思います。そうでなければ、痴漢冤罪の刑事裁判の映画なんてここまで関心を持たれることは無かったでしょうからね。 【TM】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-09-19 19:19:08) (良:1票) |
70.《ネタバレ》 冤罪をテーマに扱っていて、ラストに有罪となるところで、下手なエンターテインメントにはすまいという監督の意気込みを感じました。マジメに真っ向から冤罪に取り組んでいる印象を受けました。加瀬亮演じる主人公が、少しずつ狂気していく様はなかなか見応えがありました。そしてなんと言っても、役所広司が全体をキュッと引き締めていて、妙に説得力があるというか、それだけでもこの映画を観る価値はあると思います。 【kaneko】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-09-12 21:36:25) |
69.ひと言で言って非常に恐ろしい、下手なサスペンス、ホラー映画も消し飛ぶほどの恐怖を感じる映画でした。 本作の恐ろしさの理由は、これが荒唐無稽なフィクションではなく、実際に日本で起きている現実であること。さらに痴漢というだけでなく、広く冤罪と言うことで言えば、全ての人にとって無縁ではないという現実感があるからだと思います。 本来悪が裁かれるべき場所、正義の砦とも言うべき司法や警察が不条理にも地獄の一丁目になってしまうというのですから。 皮肉にも、この映画における本当の「悪人」は痴漢の真犯人だけです。その他の人物は皆自分の職務を忠実に、かといってそれ程情熱を持つわけでもなく実行しているだけであり、だれもことさら悪意をもって加瀬亮演じる青年を貶めようなどと画策しているわけではないのです。ただ巨大なシステムのなかでそれぞれの役割を果たしているだけ・・・。 平和な生活を送る善良な市民が、神のいたずらか、全くの偶然から悪夢のような修羅場に巻き込まれていくというサスペンス映画は沢山ありますが、本作は「痴漢の濡れ衣を着せられる」という一見地味な(?)設定でありながら、凡百のサスペンス映画を遙かにしのぐ恐怖、不条理感の中に観るものを叩き込みます。 これみよがしで過剰な音楽も演出もなく、ただただ淡々とした日常がそのトーンを保ったままある時点を境に舞台が「どんでん」するようにがらっと様相を一変させます。 それは現実に起こりえない荒唐無稽な設定や陰謀に巻き込まれる等と言うことではなく、日々日本で行われている普段通りの法の執行であり、我々善良な市民には見ることができなかっただけのもう一つの日常です。 裁判のシーンは(自分は裁判を傍聴したことはありませんが)、よくあるサスペンス劇場の裁判シーンが明らかに嘘であったと感じさせるだけのリアリティを持っています。 それは裁判官の口ぶりから、細かい手続き、ちょっとした仕草まで丁寧に拾って表現し、その積み重ねから生み出されるものだと思います。 その結果、これは現実との比較でそう思うのではなく「現実はおそらくこうなのであろう」と思わせるほどのリアリティ(現実感)を持つに至るということです。 11年ものブランクから起死回生の特大ホームランを放った周防監督。本作に傾けた情熱とたぐいまれな才能に感服いたしました。 【ロイ・ニアリー】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-09-09 18:58:32) (良:2票) |
68.自分だったらどうするかということを考えながら見ていたら終わりまであっという間だった。とりあえず、なるべく満員電車には乗らないようにしよう、乗らないですむような職場を選ぼうと思った。実際のところ、裁判官が法廷で出会う人たちは、本当に罪を犯した人たちが多いのだろうが、その中に少数いるやってない人たちを公正な目で見抜く力を持ち続けることはきっと難しいのだろうと感じた。 【HK】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-09-08 15:25:22) |