145.《ネタバレ》 おそらく、この映画のラストほど虚無感に襲われるエンディングはなかった。おそらく観た人の多くが、「ありえない」「酷い」と感じるはず。ぼくもなんとも言えない衝撃と後味の悪さを感じた。 でも、しばらく経つと、そういうわかりやすいエンディングは、逆に確信犯的なのではと思えて来た。だとしたら、ストレートに事象だけを受け止めるのではなく、先の見えない霧に包まれた状況(それは人生も同じようなもの)の中で、決して失ってはいけないものは「希望」なのだ、という逆説的なメッセージなのだと思う。“人間の愚かさ”などという言い表されたものではないのではないだろうか。それをB級然としたホラーでやってしまうのがダラボン監督のすごいところ。 見終わった後に映画に心が支配される。そういう意味では、本当に本当にすごい映画。 【月ひつじ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-06 16:16:42) (良:1票) |
144.《ネタバレ》 霧の中には人を襲う何か。身の危険を感じた住民たちはスーパーマーケットに立て篭もる。巨大生物系のパニック映画や名作ホラー『ゾンビ』を彷彿とさせる展開です。子を守る父親が主人公という設定は、『宇宙戦争』(2005)と同じ。自分も人の親。恐怖で身を硬くして画面に見入りました。外の化け物は確かに恐ろしい。けれど内の人間も同じくらい怖かった。たった一人の女に扇動されたヒステリー集団。彼らに恐怖を感じるのは現実味があるからです。学校や職場を思い出してみると分かる。集団には派閥があり、リーダーが存在した。目的は一緒のはずなのに手法で対立する。群れに身を置くことはストレスを伴う事。疎外されやしないか、虐められないかと神経を使う。その緊張感を知っているから、宗教女の暴走を絵空事とは思えなかった。主人公には強く共感できました。極限下においても、自分と息子と仲間の事をバランスよく考え行動できた。なかなか出来る事ではありません。彼の選択は間違っていなかった。ただ1点の最悪のミスを除いては。銃を手にした事。太刀打ち出来ない怪物を目にしたタイミング。そして息子との約束「僕を怪物に殺させないで」。全ての状況が、彼に最後の決断を迫っているように思えます。死ぬしかないから死ぬ。自殺する人間の心境が分かりました。せめてもの慰めのため。でも霧は晴れました。決して晴れることはないと信じて疑わなかった霧が。霧がかかっていたのは自身の心であった事に気付かされます。今まで観た映画の中で一番恐ろしかった。もう観たいとは思いません。心が痛すぎる。辛過ぎる。でも絶望した時には、この映画のことを思い出そうと思います。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-03 17:59:14) (良:4票) |
143.キング作品の映画化といえばダラボン。映画のみに付け加えられている衝撃のエンディングは、原作者キングの了承を得て制作されたという。救いようのない辛口の結末は「後味が悪い」などと軽くいなすことができない重みを持ち、宗教観の薄い私にも人が生きる意味を問いかけてくる。未知のモンスターよりも恐ろしいのは既知の隣人であり、それ以上に恐ろしいものは自分自身の心の中にある。単なるモンスターパニックホラーだと思ってみると作り物感が目に付くが、注目すべきはそこではなく、あくまでも人間達である。 【lady wolf】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-04-30 14:06:19) |
142.《ネタバレ》 ハラハラ・ドキドキして、おもしろかった。 スーパーのおじさんが大活躍し、軍人が役立たず、主人公も超人ではない等と、意外性も楽しめました。 只、ラストはどうも・・・。ありゃ無いよね。 【juju】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-04-27 21:59:33) (良:1票) |
141.《ネタバレ》 昔の恐怖映画の「フォッグ」という映画がリメイクされたんですけど 実はそれと勘違いして借りちゃいました。 最初の触手が出てきた時点で「あっ」って思いました。 これは視点を二段も三段も低くして見なきゃいかんと。 その後の展開には耐えられましたけど、あそこまで決死の思いで脱出したんだから ガソリンスタンドぐらい見つけて給油するだろうし自殺なんて安直なことはしないでしょ。 薬局行くことも無駄に犠牲出しただけだし、主人公のやること全て裏目に出てますね。 ちょっと長かったけど楽しめましたよ。 【ume0214】さん [DVD(吹替)] 6点(2009-04-23 18:43:34) (良:1票) |
140.《ネタバレ》 何の予備知識もなく、なんか人気があるみたいっていうことで借りましたが大失敗。こういう映画は観たくなかったなーという気持ちです・・ 【SAS30】さん [DVD(吹替)] 6点(2009-04-16 18:01:00) |
139.《ネタバレ》 よくあるパニック映画の範疇を出ない、というかそれを更に冗長にした映画だ。スーパーに立てこもるまでは分かるのだが、その後の展開から監督が観客に何を伝えたかったのかが判然としない。原理主義者と懐疑的なインテリと頭の単純な田舎者を槍玉に挙げるのは分かったが、「で?」という感じだ。彼らは間違っているから死にました。めでたしめでたしなのか?それなら最後の展開は更に理解不能だ。 そもそも「霧の中の何か」が出てくるのが早すぎる。恐怖映画を撮りたいのか密室劇を撮りたいのかをはっきり決めなかった(あるいは虻蜂取らずになったのか)のが最大の失策だろう。伝えたい内容の割りに映画の尺が長すぎる。ラスト付近の巨大の化け物にはちょっと圧倒されたから4点だが、その価値はないかもしれない。 序盤に「遊星からの物体X」のポスターが出てくるが、それよりは格段に落ちる作品だ。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 4点(2009-04-15 21:08:40) |
138.ほぼスーパーマーケットの中だけで話しが進むが、モンスターやサスペンスを織り込んで飽きさせないよう作っていて、あまり時間を意識せずに観られた。登場人物も好き嫌いはあるものの、個性的だったと思う。しかしラストが酷いので、すっきりしたい人は観ない方が良い。 【Ad】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-04-12 22:58:47) |
137.《ネタバレ》 最後10分がなければよかったのに。皆さん書いてるとおり街中を通っておいてガス欠とかあり得ません。夢オチと自殺オチはやっぱり使っちゃだめでしょ。どんな状況でも自分の息子を殺す親はいません。最後のオチがなければ自分的には8点くらい上げたかったのに。 【木村一号】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-04-12 22:26:20) (良:1票) |
136.《ネタバレ》 パッケージでも子供を抱えてるシーンが使われてましたが、そばにいる時は常に子供を気遣っていた主人公。その主人公が子供を殺すのは信じられなかったし少し唐突な印象を受けました。しかしそれ以外は迫力もあり久しぶりに本物の緊張感を味わった気がします。 【spputn】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-04-10 20:58:48) |
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135.《ネタバレ》 クリーチャーの陳腐さが気になるので、やはり白黒にするべきでしたね。と言えども、個人的に好きなストーリー。ラストの衝撃の結末&巨大なクリーチャーには圧巻!!主人公演じるトーマス・ジェーンよりもマーシャ・ゲイ・ハーデンの印象の方が遥かに強いです(焦)ただ、クリーチャーに構い過ぎる点やガソリンを補給しない点等、突っ込みどころは多いが全体的に評価して高めの点数を献上します。それにしても始めに脱出した人が子供と共にいる姿絶望中の主人公にを見せ付けるシーンは悪趣味。 【マーク・ハント】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-03-24 11:14:52) |
134.《ネタバレ》 倫理的な問題がある。子供を殺しちゃだめです。とくに親が愛する自分の子供を殺すのは論外。ラストを衝撃的にしたかったための後付に過ぎません。原作にはないことで、騙されてはいけません。ほかに気になった部分を書けば。1.ケータイのない時代の設定だが、ラジオやテレビはあるはず。霧の影響で電波不良と紹介すべき。2.あのカルト女のいいなりになるほど人間は馬鹿ではない。怪物の姿が見えているのだから、「キリスト教の終末」とは違うとすぐわかる。霧の原因が軍の実験だともわかるし。彼らの行動にリアリティがありません。子供や女をいけにえにせよ、なんて笑っちゃう。その女も結局暴力で殺された。3.勇気の有る若者がいない。軍人が役立たず。自殺したり、生け贄にされたり。だから闘いの場面がつまらない。ミスをしてやられっぱなしの展開にうんざり。蜘蛛を火炎噴射でやっつけた老女だけよかった。4.怖いのは怪物ではなくパニックに陥った人間心理、などというチープなことがいいたいのだろうか。それより、その前提となる怪物の怖さをしっかり描きましょうよ。CGがしょぼいのと、怪物の造形がぜんぜん怖くなかったです。最後のゴジラ並みの大きさのある巨大生物のみよかったです。5.最初に出て行った女性が生還するシーンがありますが、意地が悪いですね。6.ガソリンは途中の車からいくらでも抜けるはずですが。GSもあるでしょうし。7.最後の最後まで闘ってこそ作品に値打ちがあるのです。闘わずして無理(合意)心中する展開に無理がありません。それまでの主人公の勇気ある行動を考えると違和感が大です。怪物と闘って、追い詰められた状況での行動なら合理性がありました。8.あの子供いつもめそめそ泣いてばかりで、どうなってるんでしょうか?バッドエンドのために用意されたようなキャラですね。あざとく感じました。 尚原作では、デビットとアマンダは初日の夜に肉体関係を持ちます。(これはカットして正解)軍人は自殺する二人だけで会話はなし。したがって異次元の実験うんぬんの話はなし。ビリーは「僕を怪物に殺させないで」などとは言いません。 最初に出て行った女は再登場しません。ラストはガス欠になりません。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-03-24 06:23:12) |
133.《ネタバレ》 これはいかん……! 後味が悪すぎる。息子まで殺した後に助けがくるとは。 しかしおかしいだろ。外には化け物がいるのに危険をおかして薬を取りに行き、車に乗ろうとした人々が、ガソリンが切れたからといって絶望するかあー? スーパー内では、「教祖」の煽る絶望論に抵抗してた人々だし。なんでラストだけ急にあきらめが早くなるんだ。 それとこれ、携帯電話のない時代という設定だったか? 誰一人携帯を使ってない。 ラストまでは、けっこう楽しんでた。「MIST」という題名と、なんか格調高そうなジャケット。ところが始まって見りゃ、昔なつかしいB級スリラー。こういう映画は傑作にはなりえないけども、気楽に楽しむにはいい。バケモノどももほどほどに気持ち悪くて、よい。「教祖」がパニック状態を利用してだんだんと人々を悪い方向に導くさまも、なかなか迫力があって良い。 ラスト直前に現れる虫の親玉らしき巨大生物を見た時は、ジュラシック・パークのブラキオサウルスと同じような驚きと感動さえあった。 人間ドラマの描き方は、全体的に不自然。前半、巨大触手に若者が食われた直後に作業員が「俺が悪いんじゃない」と弁解を始める。そんな責任問題より、生まれて初めて見る謎の巨大生物への驚きと恐怖が頭を支配してるはずだろ。食品フロアでもそう。まず最初にやることは、窓をふさいで虫が入れないようにすることのはず。命の危険がある時に、他人との人間関係なんぞどうでもいい。 そういう風にアラばっかり目立つ映画だったけども、B級スリラーだからイイヨと思って見てました。ラストまでは。 言っちゃなんだが、観客に「人間とはなにか」といった哲学的なことを考えさせる高尚な映画じゃないんだから。あんな展開はまったく不要だった。 【佐吉】さん [DVD(字幕)] 4点(2009-03-15 19:49:51) |
132.《ネタバレ》 原作と違うラストが見所の一つだったそうですが、原作を未読の為、どう違うのか分かりませんでした。 ・・・が、とにかく後味が悪い作品です。 狂信的な宗教家女性を中心に集団で暴走していく人々の狂気は、未知のモンスターよりも恐ろしく、そしてムカムカと吐き気がする程ストレスを感じさせられました。 モンスターはCGが良く出来ているんですがCGの欠点でもある『重さを感じさせない』ところが致命的で、生身の人間の狂気に完全に負けてしまってます。 これだったらモンスター出なくても良かったんじゃない? そこまで印象付けさせた女性宗教家の演技力がスゴイんでしょうか。 もう1度見たいかと聞かれたら答えは『NO』です。 【ななのじ】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-03-08 16:23:34) |
131.《ネタバレ》 ラストは悲しいね。宗教家を撃った時はスカッとしました。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-02-23 22:16:59) |
130.《ネタバレ》 中盤であっさりと台詞で言ってしまう「追いつめられた人間の狂気・弱さ・愚かさ」を描きたいからといって、人間を襲う謎の生物は謎のまま、原因は軍の秘密実験で片付けてしまっていいのかと不快に感じました。ラストに関しても、救いのないシチュエーションを描きたいために主人公の行動が不自然に感じます。登場人物たちは与えられた役割を果たすだけの駒にしか映らず、誰一人として感情移入できる人物がいませんでした。 【ホースケ2号】さん [DVD(字幕)] 2点(2009-02-23 04:00:56) (良:1票) |
【辛口ジャワカレー】さん [DVD(吹替)] 4点(2009-02-22 21:31:12) |
128.《ネタバレ》 モンスターを出す事によって見るスタンスが揺れたと言いますか、人間ドラマとしては面白かったのでその点は残念でした。必死に前向いて頑張っているのに実は空回りしていた、なんて事は人生でよくある事(例:合コンの盛り上げ役)なのでこのラストは許せます。が、イギリスが作ればもっと絶望感を出せたかなと思います。先行きが不透明だからこそ堅実に行くべきなのか、これをチャンスと捉え勇敢に打って出るべきなのか。どちらを選ぶかはあなた次第ですって事でしょうね。未曾有の大不況下に見るのはなかなか乙なものです。 【オニール大佐】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-02-21 12:17:22) |
127.《ネタバレ》 「カレー味のウ○コか? ウ○コ味のカレーか?」っていうのは究極の2択だけど、要はそういうことがやりたかったんだろうな~、という作品。そもそもありえないシチュエーションだし、主人公の最後の行動などはオバカまるだしだけど、そういうことは置いておいて、素直に後味の悪さを楽しむ(?)べし。それにしても、登場するクリーチャーのデザインが安っぽいなぁ…と思っていたら、監督はモノクロでの公開を念頭においていたらしい。なるほど、それならこのデザインも悪くない。皆の目の前でドロッと溶けちゃう触手なども、カラーで見ると何だかなぁ…だけど、モノクロだったら昔のホラー映画の雰囲気がありそうだ。できればそっちが見たかった。 【タバスコ】さん [DVD(吹替)] 8点(2009-02-19 18:54:00) |
126.《ネタバレ》 これほど救いようのない映画は珍しい。あの閉塞状況から、どういう解決策があるんだろう、助かる道なんかないんじゃないか、と思い始めたら、そのまま、あの結末へ。昨今の映画は、どんな危機的な状況に陥っても、最後には奇跡的に解決がやってくる。それらを見なれたせいで、新鮮だった。霧の中に入るとどこから何がやってくるかわからない。恐怖映画としてはかなりの出来だ。 【エンボ】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-02-15 19:55:37) |