24.《ネタバレ》 良かったです。少なくとも鑑賞前の期待値が少なかった事を差し引いても悪くはなかった。 宮崎駿の「戦争嫌い」と「戦闘機オタク」の相反する矛盾への回答は、既に「紅の豚」で明らかになってると思いますが、本作ではより明確に描かれています。その意味では全く分かりにくさはないです。即ち彼は「飛行機」「飛翔」が好きなのだと。サバの骨を引き合いに出しての流線型の美しさ、機体を少しでも軽く、しなやかに、美しくすることへのこだわり、全部明確に描かれています。更にエンジニアたちと議論中に「機関銃がなければもっと軽くなるのに」と言ってみんなで大笑いするのだから、あまりにも純粋すぎる。戦闘機の設計者がみんな同じ想いで設計してたとは思わないが、少なくとも本作の中ではイタリアやドイツの師と仰ぐ仲間も含めて皆体制に流されつつも、自分の美学を貫こうとしたように描かれています。これは究極のファンタジーかもしれない。宮崎駿の中では全てこれで決着したのでしょう。本作は彼の遺作になると思います。 恋愛はいらないんじゃなかろうか。飛行機設計へのこだわりのみで良かったと思います。結婚式の件はそれなりに感動はしますが。 庵野秀明の声はやはり違和感があります。時折見せる素人丸出しの棒読みだけは気分が壊れた。監督は気に入ったらしいが、私は物語にもっと集中させて欲しいと思う。それだけは本当に残念です。 【ぴのづか】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-08-15 13:49:25) |
23.なにかに懸ける人生っていうのはすばらしいなぁ、と思いながら見た。けどそれを見せられたところで、自分のようにふらふら生きる凡庸な人間が本当に堀越二郎の思いを理解できたかというとそうではないし、ましてやまだ働いていない若者ならもっとそうだろう。そういう意味では、見る人を選ぶ映画だと思う。映画館の出口で、「全く理解できなかったー」と口々に話していたお姉さんたちの会話が、この映画の間口の狭さを端的に表していた。 【ぽん太】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-08-13 13:30:02) |
22.今回は残念ながらわたしはダメだったなあ。最後まで、感情移入できず、なかば飽きてしまった。 特に今回、夢のシーンが多かったが、そのような、各セクションの、きれいな映像に、編集に、音楽に、シンプルに共感できた、感動した、興奮できたということが、皆無であった。一方、ただ別に、何か、映像にも、ストーリー展開にも、なんだかおかしな、浮遊感というか、不思議な気持ちというか、上手く言えない”変な”、予定調和でないなにか。(何かわからない?)を気持を感じたが、あまり気分のいいものではなかった。これは、まあ当然、アニメという映像作品ということもあり(実写映画でないという意)、また別の機会、別のタイミングで観賞することがあれば、また、別の印象を持つことになる、作品かもしれない。以外に、幼稚園児とか、小学校低学年のこどもの意見がおもしろいかもしれない。(まったく、こども向けでなないですが) 追加!あと、これは日本でも有数の”アニメ作家の作品”だから、あえて、言いたいのだが、むかしから感じていたが、この作品のすべての”画,絵”自体はわたしは”芸術作品”というものから、最も、離れているものであると私は判断している。これは単なる”塗り絵”の一種なんだよな。(これのストーリーや構成は知らない)まあ、もっとも、カリオストロもトトロもナウシカも一連の作品すべてそうだが。逆にわたしが優れた芸術作品だと思える”絵、画”は昔テレビでやってた”アパッチ野球団や妖怪人間や巨人の星や、初代ルパンやカムイ外伝や、その他優れた”絵画”はたくさんある。この作品の絵はきれいで、上手で、見やすくても、わたしにとっての芸術的価値はまったくない。と判断している。そのあたりが、わたしの”アニメ嫌い”というか、評価を低くしている理由のひとつ。立派に”芸術”の分野であるはずなのに、理想で”個性的に!”をさけびつつも、思いっきり、”没個性”になってしまっている。(逆にストーリーの方はスゴイと思う) 【男ザンパノ】さん [映画館(邦画)] 4点(2013-08-09 23:27:53) |
21.《ネタバレ》 宮崎監督の「飛ぶことへの愛」が惜しみなく発揮されている。もともとラピュタが飛び、ナウシカではメーヴェに乗り、トトロも飛び、カリオストロでさえルパンは飛行機で侵入し、豚さえも飛び、千と千尋もメインはハクが飛ぶところ。それだけ飛ぶのが大好きな監督が徹底して「夢」を追いかけて飛ぶシーンを作り上げた作品、といっていいだろう。 ■冒頭からエンディングまで繰り返し描かれる「夢」のシーン。そしてロマンスも、菜穂子は自らの命を削ってサナトリウムから降りてきて、二郎は結局日中のほとんどを飛行機に費やし夜のわずかの時間しか会えず、それでも最期の美しくない姿は見せまいと再びサナトリウムに戻る、通常ではありえないまでの献身性。出会いから死別まで、まさに「夢」のパッチワーク。展開がトトロ的で山場がないのも、全編のそうした雰囲気を楽しむタイプの作品なのだろう。 ■裏テーマは「生きねばならない」「悲惨の運命を受け入れること」等であろう。カストルプも登場し、トーマス・マンの『魔の山』の設定はいろいろとバックにある。しかしこの作品中では葛藤(飛行機への愛と戦争利用の間の葛藤、妻と飛行機の間の葛藤など)はほとんど描かれず、主人公は飄々としている。こうした難問に対して「純朴さでもって超越せよ」ということであろうか。 ■二郎に感情移入するか、菜穂子に感情移入するかで、見え方もだいぶ変わるように思う。二郎は飛行機への愛(オタクともいえよう)は素晴らしいが、全体にピュアというか単純な描かれ方であり、対する菜穂子は自己犠牲と献身性、死に向かう姿勢を提示している。映画館で女性客の一定数がラストで泣いていたのはどこに感情移入したかもあるだろう。 【θ】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-08-09 01:42:35) |
20.《ネタバレ》 愛だね。震災時のジェントルマンさに惚れ惚れ。草をパクつくドイツ人のあたりで眠気が。結婚式で泣けました。ポニョよりは良かったです。 【すたーちゃいるど】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-08-05 23:28:03) |
19.主役の演技が擁護しようもないほど下手で、どのシーンもギャグに見える。 ただ、じゃあダメなのかと言われればそうでもなく、理由はどうあれ笑えることは良いことなので、素直に笑って楽しめれば、これはこれで長所とも言える。結果論もいいところだけど。 さて、もしマトモな声優やナレーター上がりの役者が主演をしていたらと考えると、やや全体の纏まりが悪く、趣味に偏りすぎた場面(特にドイツの小型機をナメるカット等はいちいち退屈だった)も目に付くものの、総じて言えば普通のアニメ映画といえるだろう。さして良くもなく、けなすほど悪くもなくといった感じだ。 敢えて際立った長所を挙げるとすれば、モブシーンか。前半での列車の俯瞰、避難する人の群れなどは素晴らしい。 それから、ちょっとしたことだが風呂敷越しの灯りの表現も良かった。 あとは……いや、まあ、そんなところ。 【肛門亭そよ風】さん [映画館(邦画)] 5点(2013-08-03 22:18:25) |
18.大好きなユーミンの名曲「ひこうき雲」の長ぁいPVだと思えば良い作品に思えますが。 【tonao】さん [映画館(邦画)] 4点(2013-08-03 22:04:26) |
17.◇風、空、飛行機。愛するものを詰め込みました!という潔さ。◇説明的な描写が少なく、時代背景がわからないところがあったり、明らかな口述効果音に違和感があったりで、思ったより感情移入できなかった。◇でも、映像の美しさは存分に楽しめました。◇震災・戦争の時代背景や「生きねば」というコピーとは裏腹に、主人公はそれらをたんたんと受け入れているように見えます。が、「生きる」ということは、まさに生活であり、日常の連続なのだ、というメッセージのようにも感じました。 【ハクリキコ】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-08-03 11:53:12) |
16.《ネタバレ》 一般ウケはしないと思う。 ただ個人的には大好きです。 色々な見方ができる映画です。 そのひとつが「夢や愛、生きることが持つ業」やと思います。 飛行機を作ることも、結核の妻を愛するのもすべて業。 ただ純粋に美しく飛ぶ飛行機を作ろうとしても、莫大な金と労力がかかり軍用機として多くの生命を奪う(国防とかは置いといて・・・)。 結核の妻を愛することも上司の言うようにエゴ。 でもそんな夢や愛を綺麗に描いて肯定してるんですよ。 ラストの焦土と化した国土と飛行機の残骸の上に、美しい緑の丘があって美しいゼロ戦が飛んで、愛する妻がいて・・・。 ジブリシリーズの中でじゃりン子チエの次か同じくらい好きな映画ができました。 いや~よかった。 【CBパークビュー】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-08-02 17:08:15) |
15.《ネタバレ》 想像していたより良い映画だった。主人公の飛行機にかける熱意、妻への愛情、共に未来と現在からくる懸命さが、切なさと、そして空しさを強く表現している。未来:二郎は過去と現在を繋いで未来を創るでなく、ファンタジスタのように未来だけを見つめ、たぐり寄せる。現在:二郎と菜穂子は危惧される未来よりも、今の愛情を毎日確かめ合う。映像美も相まって、死のシーンさえもファンタジーのように、夢見る世界に昇華させているのはアニメ、宮崎駿ならではではないか。「創造に費やせるのは10年の期間だけだ。君の10年を...」とあったが、10年どころか、刹那を未来のために生きる様。だからこそ、結婚のシーンでは泣けた。いつだって未来は今この瞬間から始まるのだ。夢を見ている時間さえ、夢見る世界の1ピースになる。 駿自身も、このようなファンタジーをつくってきた時、同じことをおもい、同じことを感じ、空しさの中に夢を見てきたのではないだろうかと、自己投影も強く感じた作品。 【元祖】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-08-02 01:53:20) |
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14.《ネタバレ》 原作は未読で鑑賞。ある意味非常に評価が難しい作品と感じた。単純に面白いわけでもなく、主人公達に感情移入しやすく作っているわけでもなく(二郎と菜穂子の出会いの場面で、あの時代に外国語を交わし合うといった情景は私達の住む世界と最初から違うと感じたし、感情の起伏に乏しい庵野の声も観客に「慣れ」を要求している)、学ぶべきメッセージもよく見えない(あったとしても既に既視感があり陳腐化している)。だが、大正から昭和という日本に暗雲が立ち込めつつある時代はアニメ作品の舞台としては特異であるものの、しっかりと描写されているし、最愛の人と切ない想いを慈しみあった経験がある人は、二郎と菜穂子のなにげないやりとりに心の琴線を揺り動かされるだろう。劇中、二郎の夢の場面がポイントとして幾度も挿入されるが、もしかしたら全編がこれ宮崎監督の夢なのではないかとも思えてくる。だからこそ物語は美しい飛行機と美しい菜穂子にフォーカスされ、他のディティールは省略されているのかもしれない。 そして主題歌の「ひこうき雲」はエンドタイトルとして珠玉の光彩を放っており、深い余韻を残すことに成功している。 【田吾作】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-08-01 13:52:52) |
13.宮崎監督はファンタジーを作るのに長けている監督なのでノンフィクションを描くのは向かない監督だと思っていたが、この人物に関して言えば宮崎監督で良かったと思う。他の監督が描いていたら零戦をメインに、それができるまでの話になってたと思う(そうするとまたかの国がクレームをつけて来るかもしれない…)。しかしこの作品では零戦はほとんど出てこない。二郎そのものを描いている。かなりフィクションも入っていると思うが、飛行機設計に情熱をかけた人物という点はよく表現できていたと思う。残念だったのは夢の部分。これは二郎を表現する為に監督が創作したものだが、これは二郎が現実逃避しているようにしか感じず、正直いらなかったのではないかと思う(ただそこがなくなってしまうと監督らしさがなくなってしまうが…)それでもこの作品に感動してしまうのは菜穂子さんの存在が大きい。今まで数多のヒロインを描いてきた監督の本領発揮という感じだ。歴史好きとしては物足りなさを感じる作品だが堀越二郎にそこまで注目した事がなかったので観れて良かった。堀越二郎にスポットライトを当てたという意味ではこの作品は成功している。 【Yoshi】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-07-26 21:33:31) |
12.何もないまま2時間経ってしまった.「死の翼アルバトロス」の方が30分で数倍楽しめる.「才能の寿命は10年」という言葉は,監督本人の実感なのだと思う.コナン~ラピュタで枯れてしまったのでしょう. 【マー君】さん [映画館(邦画)] 4点(2013-07-25 23:52:59) |
11.《ネタバレ》 本作は、飛行機設計に邁進する堀越二郎と堀辰雄の「風たちぬ」を融合させたものとのことでしたが、単に2つの話を合わせたものという印象が残りました。 菜穂子が結核であると分かっても、主人公は生活の軸足を飛行機設計から菜穂子へと移すか移すまいかと葛藤するようなことは全然なく、それぞれ独立したストーリのようでした。いくら昔のこととはいえ、やはり、結核患者のすぐ脇で煙草は吸わないでしょう。ここの違和感は強く残りました。 そんな主人公よりも、高原のサナトリウムで大人しく我慢して一寸長く生きるよりも、多少命は短くなるけれども一番居たい所にいる決意をする菜穂子とそれを理解して応援する周りの人々に共感しました。 この菜穂子は、意志の強さから、同じ堀辰雄の作品でも「風たちぬ」の節子でなく「菜穂子」の菜穂子でしょう。 エンドロールで流れる荒井由美の「ひこうき雲」は秀逸。この映画にベストマッチですね。まるで、タイアップ曲のようです。 【ぶん☆】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-07-25 22:17:00) |
10.《ネタバレ》 いろいろな意味で新鮮な驚きを感じる映画だった。 まず、完全に大人向けの映画であること。自分のジブリ一押しの「豚」でもかなりそういう傾向はあったが、それでも多少はお子様向け要素を残していた。 だけども、これは大人、しかも大正から昭和の歴史がある程度入っている大人向けで、 さらに「会議は踊る」がすぐわかったり、九六式艦戦から零式観戦への流れを知ってる人間にだけは、一層楽しめるという「わがるやつだけわがればいい」という映画。 子供がどうしても見たいというならともかく、楽しませようとして連れて行くのは、お勧めできない。 あと、扱った時代が大正時代から昭和への戦争の時代、しかも主人公が軍事兵器の著名な設計者、にも拘わらずあくまで主人公の目は高みに向けられているだけ、「自分の作った飛行機は人殺しの道具」なんていう中途半端なイデオロギー色が一切感じられないのも実に快適だった。 ただ、自分的には良い映画だけど、一般向けにはどうかな。上映30分前に行って上の方に座れて、なおかつ最前列2列が空いていたのにはびっくり 【rhforever】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-07-25 15:40:09) |
9.《ネタバレ》 ようやく自分の作りたい作品を作ったのかな、と思いました。史実と虚構を上手く組み合わせ、1920年代という暗い時代背景や強く生きる人々も作画の凄さもあり見応えがあった。ただ、近代史を知らない小さな子には難しいかもしれないですね。 声は大抜擢の庵野に関しては違和感がありましたが中盤辺りからは気にならなくなったのでスルーして、ヒロイン役の瀧本美織が抜群に素晴らしく主人公の二郎と菜穂子の物語はかなりグッときました。最後のシーンは庵野が宮崎駿に助言して台詞を変えたそうですが、アレが最良の選択だったと思います。強く気高くお互いを支えあった二人は美しかった。荒井由実(松任谷由実)の『ひこうき雲』、実は発表当時のある事件のコトなどがモチーフになっているそうですが、切なくなる歌声と歌詞でこの作品にピッタリですね。 【ロカホリ】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-07-24 23:40:07) |
8.《ネタバレ》 飛行機を素材にしたファンタジーとして考えればまあまあの佳作として評価できますが、時代背景とのバランスにはちょっと納得できないところがあり過ぎです。登場する人間は皆善人ばかり。配属された職場での複雑な表情の人物などがいても何も問題は発生しない。主人公は田舎の旧家出身の秀才で帝大工学部で航空工学を学び第一次大戦後の大震災による不況の中ですが航空機産業に嘱望されて入社し、ドイツ留学と全く恵まれた環境で休暇は軽井沢のホテルとの境遇。またヒロインは実業家の娘ですが母を結核で失いまた自身も当時不治の病と言われたこの病で恐れおののきながら生きていたのだけれど、それでも看護人付きのサナトリウムでの療養と言う当時の庶民とはかけ離れた境遇です。先の短い娘に短い期間でも幸福をと願う父親としては徴兵など関係ない近眼で航空機技術者の主人公は願ったりの相手として娘の無理を聞いてやって都会での結婚生活を認めたのもうなづけます。丁寧に描かれた当時の庶民生活との間にある大きな格差は下界と無関係な神々の演じるラブストーリとの趣があります。しかし、背景の小道具である乗り物・景色などは解説抜きで判らせるのは子供相手でなくても難しそうです。戦争のシーンは主人公のライバルの設計した中攻が防弾能力の欠如で炎上墜落のシーンとB29の爆撃による炎上する都市だけ。 【たいほう】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-07-23 13:36:42) |
7.素晴らしく映像がキレイです。 やっぱり、主人公の声には違和感が残ります。 最初から最後までモノローグなら問題ないでしょうが、会話になると相手役との差がありすぎて、興醒めです。 正直なところ、宮崎監督よりもユーミンの方が偉大だと感じました。 だって、「ひこうき雲」って30年くらい前の作品ですよ。 この映画のための楽曲と言っても違和感がありません。 映画の余韻よりもユーミンの歌声のほうが頭の中でリフレインしています。 【ミスプロ】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-07-22 18:37:28) |
6.《ネタバレ》 このところ、仕事中にぼーっと考えていた(仕事自体はルーチンワークなもので)事を幾つかの作品に分けて文章化しようかと。なのでこの作品については全面改稿します。 『風立ちぬ』にはジブリ作品としては初?、暗喩でなく明確にセックスを描いた初夜のシーンがありますが、思わず苦笑してしまったアレは絵として『風の谷のナウシカ』でテトを守るためにナウシカが胸を開いて中に導くシーンと全く同じなわけで。 つまりあそこはエロティシズムとは無縁の子を守る母の視点、「ここに来てお母ちゃんのおっぱいを吸いなさい」って事で。 宮崎アニメの女性像は明確に2つに分類されます。少女と母。男が守るのは常に少女の方で、その男を内包するのが母の役割。 そして、母ポジションのキャラはいつもおっぱいが大きく描かれてます(モンスリーとかクラリスとかナウシカとかドーラとかオソノさんとかエボシ御前とか。ちなみに悠子とかリサとかの母親失格な母親キャラのおっぱいは小さく描かれてるんです)。もちろん、少女から母へと役割を転じてゆく『ハウルの動く城』のソフィーのように両者の間に存在するキャラもおりますが。 毎度ロリコンとマザコンを明確に打ち出す宮崎アニメの潔さ(笑) 男は外では常に夢を追い、だけど家に帰ったらママの大きな胸に抱かれて眠りたい、今回の映画はそういう願望の集大成ってところでしょうかねぇ。なので、ゼロ戦がどうの、戦争がどうのではなくて、もっとそれ以前の話。普遍的なようでミニマムかな。 それが宮崎アニメの魅力なのかもしれないですし、そしてそれを頂点とする今の日本のアニメの限界。 よくアニメファンは海外アニメを見て「外国人は萌えが判ってない」とか言いますけど、盲目的にソコに停滞しちゃってる童貞臭漂わせた状態が正しいとでもいうのでしょうかねぇ? 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-07-22 15:00:31) |
5.「あー、あの天才・宮崎駿も、トシ食って芸術に逃げちゃったか~」ってのが率直な感想。 物語の終わり方は、なかなか清々しくて悪くない。 でも、そこまでのお話、特に中盤までは退屈で死にそうだった。 【まかだ】さん [映画館(邦画)] 4点(2013-07-21 19:54:28) |