1. ドラキュラに不死の悲哀だとかセクシーさなんぞを求める人って、その元にあるのはベラ・ルゴシやクリストファー・リーが作り上げたドラキュラ像なんだろうな。でも、原作ファンから言わせてもらうと、アレは全くの亜流。原作のドラキュラは醜く矮小な小男。つまり忌むべきモンスターなんだよ。過去の映画化作品なら『ノスフェラトゥ』が一番近いだろう。
はっきり言う。コッポラ、アンタ、ホラーの才能無いよ。コレと言い、フランケンシュタインと言い、モンスターの何たるかが分かって無い。味噌汁で顔洗って出直しやがれ! モンスターは恐れられ、忌み嫌われてなんぼだろ。
この映画は原作に忠実に作った、との触れ込み……。おいおい、なぁにが原作に忠実なもんか。ラストでミナがドラキュラの元に駆け戻るなんて、改悪もいい所。男達は何の為に遠路遥々トランシルヴァニアまで化け物退治に出かけたんだ? それを「ドラキュラ様ぁ~」みたいに駆け戻られちゃ立場無ぇだろが。原作ファンとしては断じて許し難い。『ドラキュラ』というと、みんなドラキュラを主人公にしたがるんだな。でも、原作では本当の主人公は、ヴァン・ヘルシンクであり、ミナを救出に向かった男達なんだよ。原作の『ドラキュラ』は、ミナ・ハーカー奪還&モンスター退治の物語なのだから。
モンスターってのは、恐怖の象徴。恐れられ、忌み嫌われるから魅力的なのだよ。攫ってきた女に同情されて腕の中で死んでいくドラキュラなど魅力の欠片も無い。ハマー映画見て勉強し直せよ、コッポラ。