1.《ネタバレ》 ああ、嫌いだ。本当に、全くもって、嫌な作品だった。心の底から、この映画は嫌いだ。しかしそれも仕方の無いことだと思います。AKBに、正しく言うとアイドルに特に思い入れも無い私が興味本位に手に取ったことが間違いだったのでしょう。
私はスタジオジブリのドキュメンタリー作品『もののけ姫はこうして生まれた』が大好きなのですが、無茶苦茶な作画枚数に忙殺され私生活を犠牲にしてもアニメの完成に命をかけるアニメーターの姿は非常に格好いいものです。本作でも少女たちが過密なライブスケジュールに翻弄され過呼吸を起こしながらも舞台に立つ姿が魅力的であるのは分かります。しかし「フライングゲット」なる曲の曲調やダンスに一切の魅力を感じなかった私には何の感動もありませんでした。大変なんだろうけどその結果生まれる曲がこれなのねっていう。別にアイドルソングをどーだこーだいう気はないですが。それよりも「良くこんな劣悪な状況で頑張れるなあ。反抗したりしないんだろうか」という疑問を強く感じました。まあ反抗なんかしたら辞めさせられるんですかね?
もっと意地を悪く言うと、プロはどんな状況でも完璧であるものです。それがプロです。パフォーマンスが下手なら解雇されるし、失敗は基本的に許されないもの。過呼吸でバタバタ倒れていきそれでも立ち上がる彼女たちを感動的に撮っていますが、個人的には只のNG集&少女虐待のような気がします。まだプロになるには精神的にも肉体的にも未熟であるからだと思うんですが。但し彼女たちはそれでも満足なんでしょう。傷つきながら夢をみるのですから。
この言葉は映画自体を全否定しているようで絶対に使いたく無かったのですが、この映画にだけは言わせてもらいます。”私が見るべき作品では無かった。”