2.《ネタバレ》 まず、この手の「エロ」を売りにする志の低い作品にありがちだが、ストーリーとエロがまるで無関係。単に男客に対する集客効果と時間稼ぎが目的のオカズにもならないショボいベッドシーンがダラダラと続くのはウザ過ぎる。こういう無駄なエロシーンこそCutしてもらいたい。
各登場人物の人間描写もいい加減で、それぞれの人間性や事件の背景がさっぱり掴めない。それゆえ主人公の女が、あんな怪しげでホモくさい刑事を好きになる理由が分からないし、ストーカーみたいな元彼や腹違いの妹、生徒の黒人なども、まるっきり存在理由が分からない。単なる「観客に対しての犯人候補」という程度の存在に過ぎない。
「婚約者を裏切った」という父親の過去のエピソードもストーリーの根幹に何も関わっていないようだし、大事な伏線のように演出されたやたら意味ありげなオープニングもまったく無関係。
そして何より、まったく必然性も意外性も無い真犯人。何であの刑事の相方が犯人である必要があるのか?殺人鬼としての動機もポリシーも不明だし、それまでのストーリーにすらほとんど絡んでいない。そもそも犯人と疑う根拠が「手首のタトゥー」だけというのもお粗末な限り。なんで刑事が二人揃って同じタトゥー彫ってるのかも不明のまま。あげくあっさり素人に射殺されてりゃ世話無い。
地下鉄の広告に書いてある、いちいち意味ありげな文句も意味不明。それっぽい雰囲気を出そうとしているだけの薄っぺらい演出。
「サスペンスやミステリーなんて、ちょっとオチで予想を外せばいいんだろ」とでも思い込んでいる、監督や脚本家の安易な製作姿勢に苛立ちを覚える。
2003年にもなって、こんな完成度の低い作品を平然と作っている監督の志の低さに呆れる。こんな作品には容赦なく最低点を付けさせて頂く。