2.《ネタバレ》 ここまで褒めるところのない映画も珍しい。上下巻に分かれる長編を2時間強にまとめても、さらに薄っぺらいという。感情移入する暇もないままシーンが矢継ぎ早に飛び、かと思えば様々なエピソードもどうしようもないくらい空虚。「俺の愛の力だ」とか笑わせる場面なんですか、これ。経験したこともないレイプ、流産、恋人の病死等をダシにして、不幸のヒロインとして周囲から崇められたい作者(=主人公)の過剰な自己顕示欲が見えて怒りを通り越して呆れ果てた。せめてそのストーリーで通すなら、新垣結衣がオールヌードで濡れ場を演じたり、三浦春馬も10kg減量して頭髪抜くくらいの役作りでもしてくれたら3点ほど加点しても良い。もっとも事務所がそれを許さないし、脳内お花畑な女子中高生をカモに突貫工事で映画作っても儲かることをある意味証明したようなものだ。あの『ダークナイト』の2倍の興行成績というあたり、粗製乱造でも大ヒットしてしまう邦画界の未来は暗い。エンドロールに流れるミスチルのスコアが虚しく響き渡る。