《改行表示》48.いやあ素敵です。面白いし、もう。キャラ造形の深いこと、巧みなこと。主人公三船の存在の圧巻なことはもとより、世話焼き(+説教)役の東郷のじいちゃんは安定の脇支えだし、悪役の面々も惚れ惚れするほどの面構えだ。そう、間抜けな役どころ(あの眉毛!反則だ)を一人置いて肩の力を抜かしてくれるのも良い。 宿場町のあっちとこっちでいがみ合う二件の賭場を、余裕と風格で行ったり来たりの三船は大きい鯨のよう。三船によってくるくる展開する運びは程よくビビるし、仲代の登場のタイミングも絶妙。 流れるようなカメラワーク、じいさんの飯屋の中から外をうかがういくつもの場面や、殺陣での継ぎ目の無いなめらかさは観てて心地よい。 なんといっても鳥肌もののクライマックス。強すぎるほどのつむじ風を背負って登場の三船侍、なんというかっちょ良さでありましょうか。外国人がお侍に憧れるがごとく、ワタシの頬は紅潮し心臓は高鳴り、三船にもこの映画にも恋したものでありました。 【tottoko】さん [DVD(邦画)] 9点(2017-06-04 23:59:20) (良:1票) |
《改行表示》47.《ネタバレ》 二大ヤクザを引っ掻き回す三十郎のキャラクター、一瞬の抜刀劇が面白い。 冒頭の「水の恩」をさらりと返す三十郎は本当カッコイイ。 殺伐とした世界をコミカルに闊歩するキャラが良いんだよなあ・・・。 終盤の一瞬で決着する破壊力。三船敏郎の太刀は早すぎて最初良くわからない。二回目見るとそのべらぼうな速さに度肝を抜かれてしまうワケです。 レオーネの「荒野の用心棒」も好きだ。 でも一瞬の破壊力はやっぱり「用心棒」が上だぜ。 見た目は冷徹な殺し屋、本当は飯を美味そうに食ったり捕まったりと人間臭い三船敏郎、ニヒルな悪党仲代達矢(後3回三船さんに斬られます)。 特に戦前から山中貞雄を始めとする時代劇で活躍していた加藤大介! 「市川莚司」時代劇から活躍し続けた時代劇には欠かせない名優。「人情紙芝居」「西鶴一代女」「元禄忠臣蔵」「血槍富士」などシリアスな役柄が多かったですが、今回は本間先生に匹敵する憎めないキャラクターに(笑)。黄門様とのやり取りも楽しくてしょうがない。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-12-17 11:49:51) |
46.世界を自戒に陥れた観念的傑作羅生門、ヒューマニズムの最高峰といわれる生きるから七人の侍、日本刑事サスペンスの金字塔天国と地獄までオールジャンルに傑作を世に出した黒澤明。対してこの作品は決して名作とか呼ばれる部類ではないただの娯楽時代活劇だが、斬新な視点とスリルのがある中にもコメディタッチでユーモアを交えて描かれたエンターテイメント作品。ハリウッドのオールジャンルのヒットメイカービリー・ワイルダーしかり、名監督にして名脚本家はこのようなセンスが問われる作品でこそ真価を発揮する。その視点で言うと黒澤の真骨頂はこの作品とも言えるだろう。 【Arufu】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-04-17 17:15:32) |
45.《ネタバレ》 最後の仲代達矢との決闘シーン、一瞬だけど、これがまたとんでもなくカッコいい。音楽もカッコいい。 【ashigara】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-07-06 23:22:31) |
44.《ネタバレ》 脚本の練り方、脇も含めた登場人物のキャラの立ち方、カメラワーク。どれを取っても一級の娯楽作品です。続編となる「椿」との比較という意味では、同じ人助けでも最初からやくざ者の根絶やしを目的とした本作に殺伐とした空気を感じ、あそこまで宿場の人口が減るとめし屋の親父も困るだろうとの同情もあって「椿」の方が好きです。撮影の宮川一夫と黒澤明は「羅生門」以来のコンビですが、どのカットも隙が無く極まっている。望遠映像を多用しながらも、被写体と背景の納まりが芸術的で、これは相当に役者の立ち位置とカメラ位置を調整しないと出来ないはず。職人技の粋を見る思いでした。とはいえ、やはり何といっても三船敏郎ですね。強さ・図太さ・不敵・奸計・愛嬌・正義感、云々。後の浪人時代劇の主人公の方向性に決定的な影響を与えたであろう完成型がここにあります。その全てを演じきる三船の凄みは、本作から半世紀が経過しても伍する役者が現れないことで雄弁される。その雄姿を拝むということでも意味のある作品だと思います。 【アンドレ・タカシ】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2011-02-25 13:03:33) (良:1票) |
43.黒澤明監督の作品の中の古典中の古典。昔、途中まで観たのを今回最後まで観た。やっぱ面白いわぁ。黒澤さんの作品は面白いのだけれど、言葉がうまく聞き取れなかった。それがDVDで日本語字幕をつけて観ると、もっと内容が分かって面白い。好きなセリフがこの映画でも多いが、一番はボロボロの体で敵地へのり込んでいく時のセリフ「刺身にしてやる」。良いよねぇ。 【トント】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-10-26 15:08:23) |
42.《ネタバレ》 「これもアンタが考えた筋書きか?」「半分はな。もう半分はあの野郎が書き換えやがった」めしやの親父と三十郎の会話。本作の面白さはまさしくコレ。次々と書き換えられていく筋書きに、次はどうなるのかと興味津々。主人公の三十郎ではなく、善良なる一般人の象徴、めしやの親父(東野英治郎が上手い)に視点を重ねて物語の成り行きを見守りました。雨戸の隙間からこっそりと。もっとも、物語の終着点は最初から見えている。主人公が当初に描いた絵のとおり、2つのヤクザが食い合って共倒れになれば終わり。この結末は動かない。其処に至る過程がお楽しみです。如何に三十郎が二人の親分の間を立ち回って、二虎競食の計を完成させるか。三十郎が投げ込んだ火種がどんな形で大火事になるのか。彼は策士ではありません。裏の裏まで読んだり、二の手、三の手まで用意したりしていない。仕掛けは単純。後は流れにおまかせです。どう転ぶか三十郎本人にも分からない。だから物見気分。そのいい加減さが大物の証です。それに主人公は剣の達人。確かに頭は切れるが、刀のほうはもっと切れる。三十郎VS卯之助の一戦には唸りました。卯之助にすれば、セーフティな距離を確保しつつギリギリまで近づきたいところ。三十郎の秘策を知っている観客も、間合いの勝負と考えている。ところがその予想を三十郎は軽やかに裏切ります。あんなに“不用意に”詰めてくるとは。それにあの笑顔!機先を制する者が勝負を制する。お見事です。場馴れしている三十郎の完勝でした。本作ではチャンチャンバラバラの斬り合いは一切ありません。三十郎が一息で、しかも一方的に相手を始末するパターンが都合3回のみ。だのにこの迫力と充実感は何なのでしょう。「凄い」とか「面白い」という言葉しか出てこない自分がもどかしい。 【目隠シスト】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-08-12 19:06:53) (良:1票) |
41.《ネタバレ》 力強いシネマスコープの構図が芸術的で、しかも面白いというお得な映画です。とりわけ、絶妙なのが舞台設定。広い宿場通りの両端に、跡目争いで対立する新旧ヤクザが陣取り、真ん中には、腰ぎんちゃくの十手持ち半吉が「九つでござあーい」と時報係をやっている番所と、見物台の火の見櫓。そして、舞台のへそである権爺の居酒屋、上下に開閉する窓がいいインテリアです。隣には最近棺桶が売れまくって、笑いが止まらない桶屋。斜向かい同士にはヤクザの跡目争いにかこつけて、名主争いをしている造り酒屋と絹問屋。まるで監督の手の平に、馬目の宿があるように上手く出来ています。そこへ宿場町の騒乱を収める(いや、掻き回す?)役目の桑畑三十郎。抜け目なく悪知恵を働かし、泥臭く、それでいてお茶目でユーモアがあるところが最高に魅力的です。もちろん強いし。女性が少ないのに、それを補って余りある独特の色気。目つきも肩をすくめるポーズも完璧、セリフも決まっていて、もう終始、彼のオーラに当てられっぱなしでした。他にも、鬼婆みたいな山田五十鈴、つながった眉毛がいいツボの加東大介、なかなか死なない仲代達矢、あ、ジャイアント馬場だ。と誰もが思ったであろう羅生門綱五郎、ただの頑固親父なのに、なぜか格好良い東野英治郎。あの志村喬にチョイ役に近いヒヒ親父をやらせたり、黄門様が2人も出てきたり(チンピラだけど)、すごいキャスティングです。これだけお得な映画だと、四の五の言わずに、三十郎の格好良さに酔った方がお得です。それにしても、三船と組んでいた時代の黒澤映画は本当、油がのってて(いや、贅肉がなくてかな?)、力強いです。全く引き延ばさずにスパッと「あばよ。」ああ、面白かった。 【くなくな】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-06-10 01:21:54) (良:1票) |
40.オープニングの音楽から引き込まれてしまいました。三船敏郎もすごく格好良いですね。お勧めの一本です。 【doctor T】さん [ブルーレイ(邦画)] 9点(2009-04-22 00:08:37) |
39.細かい事をグジグジ書くような作品じゃないでしょ、娯楽として楽しむために作られたんだから。何度見ても楽しめます、時代を超えて残していかなきゃいけないものっていうのはこういうものなんだなって言うことが何となく分かるってのは老いなのか・・・w 「サシミにしてやるっ!」 【HLB傭兵】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-11-24 08:40:50) |
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38.この作品で黒澤明監督の映画が好きになりました。とにかく三船敏郎がかっこいい!彼以外にこの映画の主役は考えられません。時代を感じさせないカメラワークや殺陣も見所。"名作"と言える作品だと思います。 【たけたん】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-03-05 07:38:41) |
37.展開が面白い。腕はもちろん、戦わずして、相手を翻弄する話術が抜群。 【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-01-26 12:55:25) |
36.三船敏郎かっこいい~!『椿三十郎』よりもハードボイルドしていて好き。 【フライボーイ】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-12-13 10:01:44) |
35.《ネタバレ》 これを観た後我輩の辞書から「銃は剣よりも強し」という言葉が書き換えられました。「剣は銃よりも強し」です。 出来としては椿三十郎の方が良いように思う。 アクションシーンが若干少なめなので少し前半は飽きてしまう。 ちょっとした頭脳戦というのもこの用心棒(と椿三十郎)のちょっとした面白味である事も確かだがいささかそういったシーンが多すぎたか・・話はどうしても都合よく進んでしまうのだから椿のようにもっとアクションシーンを多くした方が良かったかな。 盛り上がりもラストの決闘も椿を先に観てしまうとどうしても劣るなぁと感じてしまうところ。 それでも「椿三十郎」より「用心棒」の方が好きという人は少なくないんですよ。三十郎がただの無敵のヒーローではない、という所に何となく親近感が湧いたのが良かったのかも。1回敵を騙していたのがばれて捕まってボコボコにされちまうんですね。そして椿でもそうであったようにやはり人柄。 何といっても魅力的なキャラなんですね。あの酒屋のおっちゃんも最初は出てけだ何だ言っていたがいつの間にか愛想良く三十郎に接している。おっちゃんと一緒に自分もどんどん三十郎に惹かれてしまう。 そして渋い。ラストの「あばよ!」も椿に劣らないぐらいかっこよく、それが非常に清清しい後味を残す。このラストシーンがかっこ良い映画。 アクションが少ない分だけ、話としては椿よりこっちの方が面白いかも。 【ケ66軍曹】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-01-04 22:00:08) |
34.《ネタバレ》 1. 黒澤プロ軌道に乗る。2.「世界の」ミフネの誕生。3.「リアリズム時代劇」の先駆け。4.漫画における「劇画」文化に大きな影響をもたらす(さいとう・たかをがこの映画を観て「無用ノ助」を生み出したのは有名)5.イタリアの無名監督セルジオ・レオーネに光が当たる。=「(スパゲッティ)マカロニ・ウェスタン」ジャンルの誕生。(荒野の用心棒) 6. 「ローハイド」くらいしか名が知れなかった俳優クリント・イーストウッドがこのリメイク作品で注目される。(と同時に監督イーストウッドの撮影スタイルにも影響を与える) 7.オマージュを捧げられた作品、数しれず。(ウォルター・ヒル「ウォリアーズ」「ラストマン・スタンディング」とかミック・ジャクソン「ボディガード」とか。あとサタデーナイト・ライブでのジョン・ベルーシ!) 作品としては続編「椿三十郎」の方が優れていると思うけど、佐藤勝の音楽と主人公桑畑三十郎をとりまく脇役のいかれっぷり(特に沢村いき雄とか山茶花究、加藤大介!)からこちらの方が好み。日本映画が世界に誇るスーパー時代劇! 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 9点(2006-09-04 22:13:32) |
【ご自由さん】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-07-13 19:40:27) |
《改行表示》32.脚本素晴らしい。音楽最高。カメラ・照明絶品。 でも何より三船敏郎カッコイイ!!!「オヤジ、飯だ。」 【CPA】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-07-03 04:16:03) |
31.《ネタバレ》 黒澤さん追悼企画で初見。黒澤さんの偉業や三船さんの名前もろくに知らない状態だった。見始めるなり引き込まれ、見終わったら、「面白かった~」と素直に感じていた。三十郎が腕(殺陣速い!)だけでなく、頭を使って悪党退治する過程が面白い。メインテーマ音楽がかなりインパクト大! 【ちゃりお】さん [地上波(邦画)] 9点(2006-04-17 15:26:06) |
30.流石に黒澤に三船、少しも飽きることなく面白いです。音楽がコミカルで楽しい、三船の強さ、テンポ、映画的なつくりといい流石としかいうことないです。 【バカ王子】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-09-24 01:01:34) |
29.ゴォ~~ッという風の音とともに姿を現したミフネが宿場に着くと、その町にもゴォ~ッという風が不穏な空気と戯れています。望遠レンズで圧縮された空間が暑苦しく人や物や背景の距離を埋め、緊迫した濃密なフィルムを造形しておりますが、このゴォ~ッという風が、暑苦しさを静めながら緊迫感を増幅させております。そしてラストの対決シーンで舞い上がる砂煙、何度も何度も舞い上がる砂煙に、苦労して撮影したであろう作り手の楽しさが伺えました。棺桶作りに精を出す桶屋がコンコンと釘を打ちながらも、血生臭さを感じさせない作品となっているのは、ミフネの脇を固める役者のキャラクターの豊かさでしょうね~。前歯が一本欠けている加東大介のその通りの抜け具合に前金で三十両差し上げたいと思います。 【彦馬】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-05-01 23:50:39) (良:1票) |