1.《ネタバレ》 アーシア・アルジェント、監督・脚本・主演というだけ、予備知識もなく借りた。いやぁ、初っ端は息子のジェレマイアが可哀想で仕方なかった。アーシアの演技も上手だけど、ジェレマイア役の子も演技上手いんだ。マジ泣きしてるみたいだった。愛にも色んな形があるとは思うけど、こういう愛の形は間違ってるんじゃないかな。サラは精神的にはまだまだ子供。“母親である事”がどんなものかを知らないサラはドロップアウトした社会にジェレマイアをさらし、時には深く傷つける事も。男はとっかえひっかえ、体を売ってお金を稼ぐ姿を見せる、子供一人を残し駆け落ち、そして仕舞いにはドラッグまでも与える。でも、そんな母親をジェレマイアは理解し、受け止めてしまう。大きくなったジェレマイアを演じた子役は双子で、アーシアがシーンに分けて2人を撮影したよう。この双子の子達もいい味出してて、イカれちゃってるアーシアに負けないくらいの存在感が出てて良かった。脇役もなかなか豪華なもので、マンソンのノーメイクなんかも見れますぞ。ウィノナはこの作品が復帰1作目となっている。個人的に気に入ったのが「エレファント」主演のジョン・ロビンソン君。出演シーンは少ないが、パパ役のピーター・フォンダに“お仕置き”されるシーンでの表情が絶妙。サラがあのように育ってしまったのも、家庭環境が多いに関係してると思う。あの父親じゃあ、グレるのもムリない。この作品は原作者のJ・T・リロイという自伝的小説を映画化。リロイさんは、日本での知名度は全然高くないけど、あちらではかなり有名な人らしい。セレブにもファンが多いとか。アーシアはもちろんの事、脇役で出演してるマンソンやマドンナ、そしてコートニー・ラブからも絶賛されてるそう。役作りのために金髪に染めたアーシアはどとこなくコートニーに似ていると思う。しかし、実際は自伝的小説なんてウソ!ぜーんぶフィクションなんだそうざます。J・T・リロイという人物も実在しないらしい。なんだかガッカリよ。まぁ、実物しない人物であっても、このような衝撃的な原作を忠実に再現したアーシアはスゴイ。アーシアの演技はもちろんのこと、子役、脇役たちの演技にも注目して観てほしいです。「今までにない映画を作りたい」と言ってるアーシア。その通りでしたわね。