3.《ネタバレ》 作品名は聞いた事ありエヴァ・ガードナー目当てでの初見。無情観漂う音楽でのオープニングクレジットに期待が高まり、冒頭からテロリストが列車に乗り込むまでの一気呵成の展開に、世界中の歳時記・日常を滅茶苦茶にしたコロナ禍にある現在にあって恐ろしさに息を呑みました。自国の細菌兵器戦略の過ちを列車もろとも葬り去ろうとする米国の姿並びに酷く無情な結末はカルロ・ポンティ率いる欧州作品ならではでしょう。エヴァ・ガードナー54歳のお姿は「顔パンパン、ケバッ、怖っ」(ごめんなさい)なド迫力にドン引き。彼女の若いツバメ役マーティン・シーンは坂上忍を思わせる姿。リチャード・ハリス&ソフィア・ローレンはステレオタイプなカップル役。車掌役が観たことあると思ったら5日前に観たライオネル・スタンダー。再見でやっと見つけたけれど彼女とは分からなかったアリダ・ヴァリ。刑事役が意味深なO・J・シンプソン。そして演技上、脚本上で特筆もののMIPと言える御大リー・ストラスバーグ。彼等をまとめて相手するバート・ランカスター。手に汗握る対決でした。鉄道・医化学・政治上でのツッコミどころは数限りなく。どれだけ指摘出来るか数えるのも、そこに目をつぶるのも、人それぞれの価値観考え方でしょう。私は後者で且つ大いに楽しめた傑作です。