《改行表示》16.《ネタバレ》 正直、ハタチ過ぎに一生の仕事を選ぶとなったとして、私の場合にタクシー運転手とゆーのはまず選択肢には入ってこなかっただろうなぁ…と思うのですね。見ず知らずの人間と密室に押し込まれて、で間を持たせる為には気まずくも喋るか、でなければ更に気まずい沈黙を耐え忍ぶか…ソコは(今でも)耐えられなくはないまでもシンプルに気乗りはしないだろうなぁ…とは思うのです。でも、昔の私よりも多少人生経験を積んだ今になって思うのは、仕事だろうが余暇だろうがとにかくやはり「人と繋がれる」とゆーのは実に非常に魅力的なコトであって、その意味では特に大都会のタクシー運転手なんて、ソレこそあらゆる分野・人種のあらゆる人々と毎日一期一会の出会いを重ねてゆける(+でその気になれば彼らと話すコトも出来るかも知れない)て、考えてみればスゴい仕事だと思うのですよ。私も実はもしかしたら、今の職種で通用しなくなったら20年後とかにはやってるかも知れない…と思います(でも私、殆ど運転経験ないので二種免許って取れるのかな?てな気もしてますケド)。 非常に純粋な会話劇の部類だと思いますが、また深夜のタクシー内てのも会話劇のシチュエーションとしてはこれまた非常に面白いとゆーか、何とゆーかこのジャンルにおける何かエッセンシャルなモノも感じられるなぁ…とゆーか。多くの場合で1対1、密室で動きもなし、かつ互いに面識が有るワケでもなし、そしてそもそも会話に乗るかどーかも完全に気分次第……なので結局、そーいう目的も必要性も本来は存在しないハズの会話を映画として面白いモノにする為には、本当に純粋な「会話としての面白さ」とゆーのが求められるのかなぁ…とでも言いますでしょーか(→端的に、それが最も際立っていたのがラスト、ヘルシンキのエピソードだったかなぁ…とも思いますかね)。 重ねて今作、会話劇でかつ全体としてはコメディタッチ、というジャンル分けになる作品だと思いますが、個々の状況設定・登場人物のキャラ自体は比較的シンプルで、少なくとも奇を衒ったというレベルでもないオーソドックスなモノだったと思います。が、だからこそ前述どおりの「会話としての(普遍的とも言える)面白さ」は逆に際立っていたかなぁ…と。そしてそれは取りも直さず、五つの話にそれぞれ出て来る役者さん達の仕事が総じて実に行き届いて素晴らしかった…というコトだ、とも。率直に、ウィノナ・ライダーって、ベアトリス・ダルって、ロベルト・ベニーニって(否、ベニーニはちょっと完全に超・ワールドクラスかも知れない)そしてマッティ・ペロンパーってこんなにまで凄い役者だったんだ!とつい感動してしまいましたね(これも否、ソレらを引き出した監督ジャームッシュをこそ、まずはとにかく褒めない訳にはいかないか…とも)。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(字幕)] 9点(2022-04-16 22:45:01) |
15.地球を巡りながら夜明けを迎えるとは、なんて気の利いた構成だろう。何気ない日常を切り取っているようにみえて、ジム・ジャームッシュの構図は実に技巧的である。LA編でのウィノナが颯爽と車を飛ばす後ろで旅客機が轟然と横切る。そして空港のシーンへ移る素晴らしい演出。ニューヨーク編ほどユーモアに満ち溢れた空間はないし、パリ編は人種的な問題がちらりと覗きながらもあくまで人間を描いている。ローマ編はベニーニの一人芝居に近い、圧倒的な芸(といって良いと思う)を見せつけられる。ロータリーをいったりきたりしてなかなか客を乗せなかったり、「一方通行は最高♪」とか言いつつ逆走するシーンは大のお気に入りである。一転してヘルシンキ編では底なしの悲しみが場を覆う。ミカとアキというネーミングはくすっとするが、ラストのアキの表情は笑えないほど絶望的である。しかしそれでも地球には朝がくる。タクシーの車内という偶然に満ちた空間を通じて、人々の機微を鮮やかに映し、夜は明けていく。ラストシーンの「おはよう」は全ての人に向けられた挨拶である。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-09-08 00:47:41) |
14.オムニバス好きな自分ですが、この作品が今まで観たなかでのベスト・オムニバスです。冒頭L.Aで夜が始まり、最後のヘルシンキで朝が来るという一夜の出来事なのですが、地球上ではこれだけのドラマが生まれたのですね。私には何も起こらなかったヘルシンキの話が意外と琴線に触れました。そしてジーナ・ローランズ、さすがいい味です。 【S&S】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-09-03 21:43:03) |
13.かなり好きです。最初は小さな発想からだっただろうに、ここまで広がるものなのですね。 【色鉛筆】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-02-03 07:46:23) |
12.これは間違いなく良い映画だ。この映画を言葉で表すとしたら「全人類が同じ時を過ごせる映画」正に奇跡の空間!住んでいる場所、人種こそ違っても、全ての人間が同じ地球上で生きている。人間の持っているものを全て温かく包んで見せてくれるこの映画、誰が何と言おうと、私は大好きだ!人間が好きになれるし、心優しい気持ちにもなれる。そして、この映画は特に夜遅くに見るのが最高です。観終わって部屋の窓を開け、星空を見上げるとそこには地球上の全ての人の微笑んでいる表情が眼に浮かぶ。素晴らしい。 【青観】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-01-09 19:05:19) (良:3票) |
11.どのエピソードも好きで、映画館→再上映→ビデオ→DVDと何度観ても飽きない。ウィノナはこの映画が一番キュートで、ベアトリスも魅力的。ベニーニのマシンガンエロトークも何度観ても可笑しいし。ラストエピソードとトム・ウェイツの歌声はたまらなく寂しく切ない・・・。 |
10.実にお洒落でクスッと笑ってしまうよくできた各4話です。名作だと思います。 【FHARCYDE】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-05-13 15:04:43) |
9.オープニングの地球へのズーム、地球はよどみなく自転していますが、昼と夜は等分に変わらず、影=夜の部分に時折、差し込む光のようなものが、何気ない日常のドラマを感じさせてくれますねー。地球の各地で同時間に繰り広げられるタクシーの物語。人と人とが袖振り合うことで、少しだけ心が変わったりする日常の人間模様が、夜のタクシーを縮図として届けられます。それぞれのエピソードの冒頭、都市の画1コマ1コマがその街の息遣いを、ひたすら走り続けるタクシーが街の息吹を感じさせてくれます。長回しの多い会話の合間にタクシーからの主観ショット、街を滑るタクシーのロングショットを挿し込み、見ている者も心地いいドライブを楽しんでいるような気分にさせてくれます。「おはよう、アキ」、命ある者にはどんな者にも平等に朝はやって来るのですねー。今日とは少しだけ違った朝をむかえたい人におすすめの作品。 【彦馬】さん 9点(2004-05-22 21:18:27) (良:2票) |
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8.普段あまりタクシーには乗らないのでわからないけど、客と運転手ってあんなに話すものなのだろうか。それはともかく、ニューヨーク、パリ、ヘルシンキのエピソードがとても良い。ウィノナ・ライダーだけが何か無理してるように見えたのと、地球儀がショボいのが残念。 【ラーション】さん 9点(2004-04-07 16:55:20) |
《改行表示》7.淡々と進んでいくストーリー、その一つ一つのストーリーが深い。 見終わったあと余韻に浸れる数少ない映画ですね。 【Floyd】さん 9点(2003-11-29 05:43:47) |
6.《ネタバレ》 こういうの大好きです!ウィノナライダーはX-gunですね。YouKnowの連発具合が◎。2話目のも微笑ましくて、すきです。イタリアのヤツのトンチキ具合もカナリいけてる。つーか全部最高。 【ブチャラティ】さん 9点(2003-11-24 20:26:47) |
5.ヘルシンキがいい。私もタクシーに乗ってる気分で話を聞いてました。欲を言えば、アジア辺りにもう1箇所入ってたらよかったのにな。谷川俊太郎の『朝のリレー』大人バージョン。 【Bridget】さん 9点(2003-08-12 02:23:06) |
4.NYが一番好きです。ヘルムート&ヨーヨーのやり取りがほほえましいし、ヨーヨーたちの使ってる汚い言葉をどんどん吸収してってるのも笑えました。他のはちょっと重かった。パリの盲目の女とコートディボワール人の話は、差別についてちょっと考えさせてくれました。 【mju】さん 9点(2003-07-28 16:20:46) |
3.登場人物がみんなひとりひとりすごく個性的です。十人十色で型にはまらない、そんな人間の生き方が描かれているところに、作り手のリベラル精神が垣間見れます。ワイルドなウィノナ・ライダー、あばずれなベアトリス・ダル他、俳優さんたちがみんないい感じ。ライブ感ある映像や音楽の使い方が斬新。ラストのヘルシンキのエピソードが意外に普通だったのが、残念・・・。 【なんじょ】さん 9点(2003-03-28 11:05:47) |
2.ジム・ジャームッシュの映画はほんと大好きです。殆どタクシーの中だけのシーンだけど・・とてもいい映画!大好き!ジーナローランズ!パリ編でのあの黒人ドライバーと盲目の女性!難点をいえばローマ編でロベルトベニーニが過剰すぎるところかな・・ラストシーン!リストラされ酒に酔って雪の中に寝そべる男のバックにトムウェイツのしわがれた歌声!アイワズボーン♪!映画で泣くことなんてないけどこのラストはほんと泣けてきた・・こんな映画を観ると映画はいいよなあって 【カナシミ】さん 9点(2003-02-10 21:46:41) |
1.オムニバス形式のため、それぞれで評価が分かれるが、ロサンゼルス編はウィノナ・ライダー のませたところに惹かれ、ニューヨーク編はタクシードライバーと客の絶妙なコンビネーションで笑え、パリ編は盲人が一泡吹かせてスッとする。ローマのロベルト・ベニーニ のワンマンショウ以外は素晴らしい出来、ジム・ジャームッシュの代表作でしょう。 【ゆたKING】さん 9点(2003-01-02 10:29:33) |