1.《ネタバレ》 原作は全くもって知りません。予告編の印象では、不良学生達のケンカの日常を描くバイオレンス映画かいな、ぐらいのものしかなかったのですが。鑑賞した友人が絶対見とけと、猛烈に薦めるので劇場に足を運びました。ロードショーから日数もかなり経っているにも関わらず客席は一杯。それも、リピーターの数が多く、人気あるんだ、とビックリ。さて、上映がはじまると、うん、これは、もしかして、何なんだ、と自分の心がざわざわと蠢きはじめるのです。高校でてっぺん取るって、そんな昭和の匂いのある設定が、平成の今時の若手役者達によって、見事に新しい空気の映画になっています。小栗くん、山田くんの二人はもちろん、他の役者のワルメンぶりが、ワクワクするほど美しく楽しく、そしてカッコ良く描かれています。あえて、鈴蘭高校の外の世界を描かずに、学校での抗争に焦点を絞った事、一般人達とのからみを一切断ち切った演出は気持ちいいくらいに、この映画にひたらしてくれます。ただし、黒木メイサは必要ないかな。男達のまっすぐで、とてつもなく単純でまっすぐな生き方、暴れ方が画面からほとばしる2時間。贅沢な時間です。実際なら死んじゃうでしょ、の喧嘩場面のリアルじゃない映画的な見せ方も、うまいですし。漫画が原作だからでしょうが、最後の対決シーンなんかは鳥肌がたつほど。男ばっかりが画面に出ても、ちっとも汗くさくないなんて、それだけでも奇跡です。