10.すれっからしのクセに弟思いで妙に純情なところもある、ギャング達の中で全然たじろがないヴァーナの腹の据わった強い女性像が印象的。ジョンタトゥーロの相変わらず強烈に異質なチンピラ像、叩き上げで強欲なイタリアマフィアのボスも本当に実在しそうなド迫力。他のギャングの手下達もいかにも渋いそれらしさ。とにかく主人公であるはずのトムの印象が薄くなるほど、回りに登場する人物像がどれも個性的で濃く多彩。ギャングの世界を描きながら美しく、本当にクールな映画。 【マンフロント】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-08-24 20:47:32) |
《改行表示》9.《ネタバレ》 昔、ながら観していたせいで筋を把握できないままに終わらせてしまっていた。 改めて観てみたのですが、えらく込み入った内容ですね。 でも、素晴らしい。 唯一、不可解なのが、やはりあの時バーニーの死を確認しなかったことぐらい。 主人公の真意が明かされないことが多いので、解釈の仕方は多様になってしまう作品。 個人的には、主人公・トムはその都度、都合よく立ち回っていただけだと思う。ラスト、レオの去っていく姿を見つめる彼は、いい加減に行動したために失ったあれこれのことを省みているのでしょう。 私生活はふしだらだけど、ヤクザやらすと一級品ってキャラ設定なのかしら。 【カラバ侯爵】さん [DVD(吹替)] 9点(2007-07-16 20:39:43) |
8.コーエン兄弟の作品が好きになったきっかけの作品です。オープニングの森の中、帽子が飛ぶシーンからしてこれは何か良いかもしれない。映画的な見せ方の上手さがこの監督にはあると思える。そんな感じでスタートし、観る者を引きつける。個人的にコーエン兄弟の最高傑作であって「ゴッドファーザー」「グッドフェローズ」とはまた一味も二味も違ったマフィア映画の傑作として評価したいそんな作品です。 【青観】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-06-05 18:10:33) |
7.「ビッグ・リボウスキ」の方が好きですが、こちらも素晴らしい作品だと思います。自分の借金は自分で返す、と言うように何を頼りに生きているのかわからないトムですが(トム・レーガンというのは間違いなく「ゴッド・ファーザー」のパクリでしょう)、彼は帽子にだけ執着しています。そんな彼が唯一感情的になったのはミラーズ・クロッシングでのシーンでしょう。ミラーズ・クロッシングというのは友情と決別の分かれ道だったのではないでしょうか。しかし、それさえにも裏切られ彼は友情を捨て目深に帽子を被るという風に捉えました。はた目から見れば実に哀しい人生ですが、それでも周りの人を守ろうとする姿は本当にハードボイルドと言う言葉の似合う生き様でしょう。随所に見受けられるユーモアと美しい画面がコーエンならではです。 【マイカルシネマ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2004-12-17 16:19:33) |
6.《ネタバレ》 僕は、これがコーエン兄弟の今のところの最高傑作だと思います。(ビックリボウスキも捨てがたいけどね)ほぼ完璧。ともすればスタイルの美しさと語り(騙り?)のうまさだけに偏ってしまいがちな彼らですが、そのスタイルと語りが、こいつでは一人の男の生き方にぴたりとシンクロして、見事なハードボイルド(死語なのかな?もう)になってます。そよ風にさえ軽々と吹き飛ばされて美しい秋の森の奥深くに消えてゆく帽子のようにちっぽけなものに、生きること総てを賭けている男の物語。それは、譲れない矜持か、交わした約束か、つちかった友情か、いや、抑えられない愛情か。何度となく殴られて膝を屈しても、銃口を突きつけられても、恐怖のあまり反吐を吐いても、薄汚い裏切りに遇っても、捨てずにいた何か。ハートを捨ててまで選びとって引き金を引いて守り抜いたと思ったものを最後の最後で、やっぱり捨ててしまう。ハートなんて捨てられてなかった。束の間通り過ぎた小さな温もりの記憶に結局は全てを賭けていた。なんだ!ラブストーリーなんだ、この映画。何となく、黒澤映画を思い起こします、構成(用心棒!)や、音楽が特に。弱いんです、こういうのに。それでも、もう一度、帽子をかぶりなおす、生き残った男達。うつむいて、けれど背筋を伸ばして。 【am】さん 9点(2004-05-30 03:57:59) (良:1票) |
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《改行表示》5.本作のオープニングあたりを観て、どこにでもいるような自己中心的で、長いものには巻かれ、自分の身が危うくなると平気で他人を売るような、頭が良くてどことなく弱々しく陰のある寂しげな裏切り者の主人公トムは、最後にミラーズクロッシングで撃たれて、仰向けになり森の景色が流れ帽子が飛んでいく・・・。というようなラストシーンを個人的には想像したのだが、実際にはトムの見た夢の中のワンシーンであり、彼は例え危機的状況に追い込まれたとしても、自分のことよりもヴァーナや他の人のことを考え最良の選択をしているような男臭くて、もっと奥深く苦悩する人物のようであった。何が正しいか正しくないかの判断は非常に難しいが、脚本がしっかりしているので、主人公に「共感できるか?」と尋ねられると「ウン」と答えられるかは疑問だが、最後に自分で選択し独りになっていく主人公に思いっきり感情移入しながら鑑賞できた。そのため、デイン達とバーニーの死体の確認に行くシーンはナマツバもので、‘ヤバイ’と思ったのは僕だけじゃないでしょう。また、脇を固める出演者のキャラクターも秀逸で、ボスのターミネーターばりの強さ、ヴァーナの男勝りの強さはややもするとトムよりも上のように感じる。個人的には「シャレた服着やがって」や「シャレた口ききやがって」みたいな捨てゼリフがコメディぽくて好きだし、度々ある玄関ドアでのトムと相手とのやりとり、銃撃シーンで流れる「♪ダニー・ボーイ」のメロディが印象深く、間違いなくギャング映画の傑作だと思う。 【Fatman】さん 9点(2004-03-01 12:29:44) |
4.森の中を下から写し、風に飛ばされる帽子、レオが殺し屋から逃れるシーン、ラストにトムがアパートに入るシーン等など好きなシーン満載。先が読めないスリリングな展開に思わず引き込まれてしまう。 【亜流派 十五郎】さん 9点(2004-01-04 19:48:07) |
3.かっこいいとはこのことか。アルバート・フィニーの親父さん。マシンガンぶっぱなす姿も最高だが、最後の方の怖~いくらいの迫力には、観ているこっちもビクビクしちゃいます。 |
2.とにかく緊張でピリピリくる。マシンガンの撃ちあいはインパクトあり 【じっぽ】さん 9点(2003-08-08 00:25:26) |
1.私の中ではかなりの最高傑作です。昔学生時代に友人の男性から薦められ、彼が「これが男のダンディズム」だと言われて当時は「これが?」と疑問符でしたが、何度も観ているうちにガブリエル・バーンが渋くて素敵と思えるようになりました。とにかく彼は最初から最後まで殴られっぱなしでやりかえさないんだけど、それでもかっこいいんです。セリフもおもしろいし、みじめなジョン・タトゥーロもいい。笑えるような悲しいような悲哀があってコーエン兄弟の真骨頂作品だと思います。 【たーふじ】さん 9点(2002-11-08 16:50:41) |