46.《ネタバレ》 原作とは一味も二味も違うけど同じような余韻が残る。冒頭から違和感だらけだけど告白が進めば進むほど引き込まれていく。最後まで退屈させない緻密なシナリオが絶妙で、ラストの「なんてね」が何ともいえない。リアリティには欠けるけど本能を揺さぶるような心理サスペンスを演じた松たか子を見直した。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2017-03-17 23:18:48) |
《改行表示》45.《ネタバレ》 映像・音響が刺激的で中身も痛快な高級エンターテインメントである。 何より主人公の元教員が一貫した姿勢を堅持していて安定感がある。心の葛藤が外に見える場面もあったが、これは主人公の行動が間違っていることを示唆していたわけではなく、本来この主人公がどこにでもいる普通の人間であって、決して特殊な性向の持ち主ではないことを示しただけと思われる。 またラストの一言には安堵した。直前の台詞がご立派すぎたのでそういう幕引きなのかと落胆しかけたが、ここまで来ておいて正しい教育映画のように終わるのでは到底納得できるものではない。これはいわば刑吏の温情のような形で一応まともな説明をしてみせてから、ただし自分は復讐者の立場であるから実はそのような観点はなく、あくまで非情なだけである、と突き放したと解される。 ところで、いわゆる綺麗事というのはそれ自体が間違いともいえないが現実妥当性の面で難があり、また一方では耳触りがよく反論されにくい、あるいは自己陶酔しやすいといった発言者に都合のよい性質を含むのが厄介である。劇中で最強の綺麗事は主人公の夫の教育論だろうが、そのほか“他人を疑うのはよくない”だとか、また劇中の少女が信じたがっていた“誰の命も重い”も含めて、この映画では綺麗事全般があっさり否定されて終わったようである。 しかし現実には綺麗事に含まれるもの全てを叩き潰していいわけでもなく、例えば少女の“私の命も重いと言ってほしい”という心情まで踏みつけにすることはできない。綺麗事を粉砕してしまった後に、改めて従うべき行動規範が残されるかどうかは別の問題であり、その点主人公は思慮深い人物なので自制していたと思われるが、それでも最後の爆発が事実であれば適正な復讐の範囲を逸脱していた恐れがある。 別に主人公が個人でここまでしなくとも、公権力が適切な刑罰とともに遺族感情の慰撫(公権力が復讐を代行したと感じさせる)をまともに行えればいいはずだが、綺麗事にまみれた社会では今さら何を期待しても仕方ないという諦めもある。まあ世の中などその程度のものであって、何かを期待することの方が間違っているのだろうが。 なお余談として、生徒役のうち別映画で見たことのある近藤真彩と三吉彩花と山谷花純は発見できたが、能年玲奈は最後までわからなかった(探す気がないわけだが)。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 9点(2015-06-30 23:49:01) |
44.《ネタバレ》 全編月灯りで撮られたような青白く冷たい、それでいてシャープな映像と主役の抑えた演技が、異世界を演出しているようだ。ファミレスから出て、子供にもらったアメをじっと見て号泣、その直後のセリフ・・・捨てたハズの人間らしさが一瞬戻ったのだが、あえて再びなぐり捨てた・・・鳥肌が立った。 【la_spagna】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-09-21 00:03:32) (良:2票) |
43.《ネタバレ》 松たか子ってこんなにいい役者だったっけ?というくらいぐいぐいと引き込まれる映画。おもしろい。 |
《改行表示》42.非常に面白いと思います。 グロテスクなシーンもありますが、 分かり易く、それでいて起承転結もしっかりしているし、 登場人物が事件を通し見せる表情や感情表現全てが素晴らしいと思います。 2010年代の邦画の中でも傑作の一つです。 【功聖良】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-04-05 20:28:50) |
41.《ネタバレ》 かなりキツイ内容なのは知っていたので 体調を整え 満を持して(おおげさやw)鑑賞 スゴイ… 映画としてのインパクトは相当デカイ 松たか子はお見事 終始徹底した絵を造った監督さんもお見事 観ててイライラするガキ共を演じた若き俳優さん達もお見事 まー確かに考えさせられる内容だけど、映画なんですから… 集中して最後まで一気に観れたということは …面白かったですよコレは まぁ賛否両論あるでしょうけど、たまにはそういう論議もいいんじゃないのですか お堅い人たち辺りは特に、なーんてね☆ 【Kaname】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2012-07-11 17:54:10) |
《改行表示》40.《ネタバレ》 「すげえ原作」を「すげえ映画」にするのって難しいコトなワケですが(日本映画じゃなおさら)これは見事な「ものすげえ映画」でした。まるでモノクロ映画のような陰鬱な画面も、神経を逆なでするような音楽も(ちょっと『自殺サークル』を思い出しました)、役者陣の(主に静かなる)狂気も良かったのですが、やはり、スローモーションと逆回しを使いまくりの爆破シーンが、鳥肌&脱帽モノでした。(原作を読んだ時には、あの場面ではあくまでも部屋が爆発するビジョンしかイメージしてなかったので、あの“泣きながら砕け散る○○”には完全にヤラレました…) …なーんてね♪ 【幻覚@蛇プニョ】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-06-25 20:16:24) (良:1票) |
39.《ネタバレ》 いやーラストのオチにもうびっくり。こーいううまいの大好きです。非現実さはあるけどなんか意図的ぽいしこの監督の作風だと思うしかなりよいです。最初の30分で解決?とか思ったらこーいうオチもってくるか。 【とま】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2012-06-24 16:38:43) |
《改行表示》38.倫理観やトレンド的なものに対して一切の配慮もなく、氏の構想するエンタメに対して真っ直ぐに撮りきった監督の心意気が清々しい。映像と脚本の破綻しない寄り添い方も、見事としか言いようがない。 松たか子、木村佳乃という「別に何の期待もしていない」役者陣でしたが、個々の実力以上としか思えない演技にも、驚かされました。 初見ですが、中島哲也。恐るべし。 【aksweet】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-06-04 23:14:36) (良:1票) |
37.《ネタバレ》 昨今の邦画業界の商業主義に走るあまり、観客に迎合したような、昔のアニメとかドラマとかをCG満載にリメイクしてお父さんもお母さんも子供たちも楽しめて、そしてそれでは飽き足らずジャニーズのアイドルを多用したので若い女の子たちも楽しんでくださいね的な、観客に媚びまくったような軟弱な体たらくぶりに正面から挑戦するような、中島哲也監督の猛毒エンターテイメント。もう、その一本、筋が通ったような彼の信念は大好きです。人間の悪意や偽善、そして集団心理のとてつもない残虐性といった、深くて重たいテーマを扱いながら、ちゃんとエンタメ映画として一級品の作品に仕上がっているところは、本当に素晴らしい。思春期の少年少女たちの誰もが孕む、少しでも触れたら壊れてしまいそうな狂気の世界を陰鬱に、そして美しく描きながら、最後はそんな身勝手な子供たちに、松たか子演じる教師が全ての大人の代表として鉄槌を下す。「なーんてね」なんていう中2病的な逃げが、どれだけ卑怯かを分からせるために……。冒頭の、牛乳パックが転がって中身が零れるシーンから、そんな素晴らしいラストまでぞくぞくするような緊張感が一切途切れない、中島哲也監督の傑作。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-05-17 01:50:30) |
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《改行表示》36.《ネタバレ》 いじめが原因で復讐する話だと思ったがすこし違った。「いじめ」とはなにか?それは憎しみで相手をいじめるのではなく、面白くて楽しいからそれを実行する。怒りながらいじめる子供などいない。笑いながらいじめるのだ。それがいじめの本質である。まだ生まれて10年足らずの子供には心に傷が少ない。だから相手の痛みなどわからない。ただひたすら「笑い」と「楽しみ」だけがすべてに優先される。その先にいじめがある。子供の持つ明るさは残酷さと表裏一体である。それに対して娘殺しの犯人は、心に傷を負った少年であり、トラウマが原因の殺人だった。「告白」で何が一番嫌悪感を感じるか?それを自覚している人はいるでしょうか?もちろん犯人の2人ではない。それはボロボロに傷ついた犯人2人と、もっと深い傷を負った女教師をとりまくまわりの生徒たちの「明るさ」なのです。中島監督の演出は抜群だった。ダンスなど子供の天真爛漫な「明るさ」を全面に打ち出すことにより、いっそう子供の残酷さを印象づけ、観客の嫌悪感を募らせていく。社会では「子供の明るさ」を無邪気だと捉える。しかし中島監督は子供の明るさを、他人の痛みに鈍感な残酷さと捉えている。それはあの熱血教師にも当てはまる。あの脳なしのクソやろう!と誰もが思ったはずだ。人間が一番嫌いな人間は、凶悪犯罪者やヤクザではない。それは偽善者だ。かりに復讐を行なう女教師の描写として、娘を見殺しにした自責の念が描かれていたらどうなる?観客はこの女教師を偽善者だと憎むでしょう。しかし女は復讐を行なう自分をまぎれもなく「悪」だと自覚していた。反対に少年犯人を「悪者」として、制裁を加える生徒たちの醜さは、罪の自覚のない偽善者としての醜さだ。彼らをみていると、「ドッグヴィル」を思い出す。中島監督とラースフォントリアー監督が重なってくる。いわゆる性悪説バンザイ映画だ。なんという醜悪な映画だろうか。じゃあ私もこのさい「告白」しておこう。こういう映画はたまらなく好きだ。松たか子も好きだ。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-08-16 20:30:02) (良:4票) |
《改行表示》35.黒板に書かれる「命」の文字が発する「キーーーッ」という不快な音。 「これまでの『下妻』『松子』『パコ』とは違うから心して観るように」という警告のように感じました。 衝撃的過ぎてもう一度観ようと思えないすごい作品であります。 【まきげん】さん [映画館(邦画)] 9点(2011-08-04 15:02:55) |
《改行表示》34.■思い出せないいぐらい久しぶりに感銘を受けた日本映画。原作を読んで感動したが大概原作がよいと映画版にがっかりする。この映画は違う。原作より悪い、原作を超えた、とは異なる。同じストーリー、プロットで異なる作品を作ったと思える内容だった。 ■それは原作が1章毎に語り部が変わる一人称形式で非常に文学的なアプローチをしたのに対し、映画化するにあたって原作をなぞるのではなく正に原作を映像化したところがすばらしい。 ■これなら映画を見た後にもう一度原作を読める。どちらにも優劣がなく共に優れた異なる作品である。 ■TV局と広告代理店主導の映画にうんざりしている人。邦画は韓国映画に永遠に追いつけないぐらい差をつけられたと思っている人に見て欲しい。 ■この映画(原作)の欠点とすれば10代の若者の描き方が、あまりに類型的か? サイコで自分のコンプレックスを犯罪で埋めて優越感に浸るというのは、 あまりに単純かと思う。 ■私はこの映画を見て大変反省しました。 邦画=見る価値のない映画。 中島哲也監督=俳優にやたらと厳しい勘違い監督。 松たか子、岡田将生、木村佳乃=TVで見てるだけで判断してすみません。あなた達も優れた作品を求めてたんですね。 ■この映画はホラー映画ではありません。少年犯罪映画でもありません。邦画です。 ■松たか子が号泣するシーンは不要と思いました。押し殺した演出の方がよいとおもいました。TVの影響かあまりにも類型的なシーンは拒否反応してしまいます。 ■過激なシーンも多いですがぜひ多くの人に見て欲しい映画です。邦画に対して前向きになりました。 【仏向】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-07-23 01:07:38) |
33.私は、復讐や敵討ちを是としてしまう考え方なので、鮮やかな主人公の復讐劇にはある種のカタルシスを感じた。映像もストーリーテリングも印象的で、最後まで映画に引き付ける力は抜群。しかし。テーマはすこし少年法を批判しているようにも受け取れるが、人物に説得力がないのか、希薄に感じた。純粋なエンターテイメントとして楽しめた。 【エスカルゴ】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-06-19 10:22:40) |
《改行表示》32.予告を観て決して私好みの作品ではないと思いましたが、 監督の大ファンなので、DVDにてしちょうしました。 淡々と進む映画なのに、食い入るように最後まで見入って しまいました。 今までの作品とかなり色も作りも違う作品ですが 人を引き込む巧さは相変わらずでした。 【インクライン】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-05-20 16:44:12) |
31.見事な復讐劇。溜飲が下がるような代物ではないけど、あくまで復讐に徹した主人公の姿勢を最後まで描ききったのは凄い。 【TAKI】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-05-08 15:35:10) |
30.う~ん、なかなか良く出来ています..脚本がイイですね~ 映画としては、かなり変化球でした..(このくらい捻らないと、面白いものが出来ないのかな..最近の映画界はネタ切れ状態だからね、邦画もハリウッドも..) 後半、ツッコミどころが2、3有ったので、-1点..黒い主人公 と 黒い子供達..後味の悪さと、インパクトは、ハイレベルです... 【コナンが一番】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-04-01 17:25:39) |
《改行表示》29.中島哲也監督らしい映像に仕上がっている。 あの小説がこういう風に映像化されるのか!と感動。 通常小説を映像化すると、がっかりなことが多いが本作品は全くそれがない。 素晴らしいです。 【MS】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-03-26 18:47:04) |
28.素晴らしい・・・。原作をほぼ忠実に再現している。松さん、木村さんを筆頭にキャストも好演。特に子役達の演技が光る。原作を壊さなかった最大の要因は子役達による「リアル」な日常だろう。 【あるまーぬ】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-02-27 02:10:00) |
【*まみこ*】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-02-13 23:29:41) |