1.雨滴の一粒一粒、枝葉の一枚一枚まで疎かにしない、
眼を奪う細密の画面は大スクリーンにこそふさわしい。
鮮烈なグリーンのグラデーション、潤いを湛えた水面の光の揺れと滲みは、
リアルを超える。
そしてキーライトの当たる逆側に薄緑の淡い影を配したキャラクター像の斬新さ。
トレスラインを含め、約4色を使った立体的な色使いが独特の味わいであり、画期的だ。
その自然光への意欲的なこだわりは天晴れの一語。
朝陽が差し込むベッド上に漂う羽毛の粒子の表現など、そこまで拘るかと恐れ入る。
時に静かに、時に激しく、男女の感情の揺れを様々な雨の情景が代弁する。
雷光の一閃から激しい夕立へ。そして晴れやかな夕陽へ。
その時間の推移描写とエモーションの昂ぶりが素晴らしい。