19.《ネタバレ》 鑑賞年齢によって印象が変わる作品。初見時10代後半~20代だった自分は幸せだった。おっさんになった今再見してみて感じたのはヒロインが海中に埋葬されたシーン(映画史に残る名シーン!)より後半、残された男2人が自分達の青春に折り合いをつけて生きてゆく情景・シーンの方がはるかにインパクトが有ったという点。特にリノ・ヴァンチュラが要塞島の近くに住居を構え、地元の子供に彼の趣味であった自動車エンジンの話をしているシーンは演技を越えた何かを感じる。マイナス点は唐突に表れる強盗団の存在だが、今ではそれすら「人生に起こりうる突然の不幸や暗い影」を表すメタファーだったのではないかと勝手に解釈している。そして最後に強調したいのだが、ヒロインがアラン・ドロンではなくリノ・ヴァンチュラを選んだ点で、この作品は観客に甘い想い出を残している事。そりゃぁ胴長短足禿げ一歩手前、20歳の私は大喜びでしたよ、「リノ・ヴァンチュラを目指せば良いのか!」って。全てが無理と悟るのにそう時間はかかりませんでした...。 【Nbu2】さん [映画館(字幕)] 9点(2017-09-29 09:55:14) |
《改行表示》18.《ネタバレ》 ジョアンナ・シムカスの無邪気さは罪。たまに見せる寂しげな表情とのコントラストには、アラン・ドロンならずともやられてしまう。それを見守るリノ・ヴァンチュラ親父の方に彼女が惹かれていたという設定も、世の男性にはたまらない。 ストーリーはあくまで妄想的。死ぬのだったらこんな逝き方がいいとか、看取るのならばこういう粋な台詞言って送ってやりたいとか、三角関係はあくまでプラトニックが基本とか、格好良すぎて有り得ない。そもそも要塞島での銃撃戦など、ガキの思い描く戦争ごっこレベル。妄想大爆走映画! でも、海と空の深い青色と、口笛と、囁くような歌声、そして彼女の「レティシア」という名前の響きが全てを包み込んで、忘れ得ぬ名画に昇華させてしまった。そもそも妄想って大好きだったんだ、自分。 この映画の良さを人に語るとき、つい熱くなりすぎて引かれてしまう。言葉で伝えるのは無理。自分の心に大事にしまい込むべき愛しい映画。 【こた】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-02-19 07:58:00) |
17.《ネタバレ》 甘い。確かに甘いが、だからってこの映画に対してケチを付けるということは出来ない魅力がこの映画にはある。オープニングからして惹き付けられるあの美しく切なく、甘い何か人生とはほろ苦くて哀しいものである。だからこそ夢に向って突き進むということは素晴らしいとでもあの音楽自身が語っているようなほど一度、見ただけで、聞いただけでいつまでも耳に残る。離れない音楽、二人の男に一人の女というのはよくある典型的なパターンであるが、この映画の最大の功績はやはりヒロインであるレティシアを演じているジョアンナ・シムカスの存在があればこそで、彼女の存在なくしてこの映画が大勢の方に愛され続けているということは絶対にないと断言して良いぐらいジョアンナ・シムカスが良い。海を愛し、「海が私の初恋の相手」だなんてかっこ良すぎるし、素敵じゃないか!周りから見れば何言ってんだ?と思われるかもしれないが、何かに対し素直な気持ちで自分の好きなことを告げる。なかなか出来やしないことだと思います。そんな彼女にもただ一つ思ってても言えなかったこと、自分の事を愛してくれているマヌー(アラン・ドロン)よりローラン(リノ・ヴェンチュラ)の事が好きでいた気持ち、それをローランに伝えることなくギャング達に襲われて死んで行った彼女とラスト、同じくギャングの銃弾によって殺されたマヌーに対してレティシアはお前の事を愛していたぞと言うローランと嘘を言えとだけ残して死んで行ったマヌーの事を抱きしめるローラン、この映画は青春のほろ苦さ、破れし夢を追い求める男と女の青春映画であると共に恋愛映画なのである。あのラストシーン、ここでは音楽も一切無しというのが良い。余韻を残したまま終わる。ここらがフランス映画の上手さであり、今時の映画とは大きな違いである。美しい音楽と美しい海、空、切なくてほろ苦くてそれでいて、甘さも残しつつ青春の儚さをストーレートに表した正に青春と呼ぶなに相応しい映画である。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2009-08-02 11:51:12) |
《改行表示》16.《ネタバレ》 久々に心に響く映画を見ました。マヌーとローランの全く揺るがない友情がすばらしい。レティシアは最高に美しい。過去にどんな背景があって結ばれているのかなど説明はなく、映像で淡々とストーリーが運ばれてゆく。車と飛行機がじゃれあうシーン、海に出た3人がじゃれあうシーン、宝を見つけるシーン、あっけなく死んでしまったレティシアを葬るシーン、要塞のシーン。繰り返し思い出します。 マイナス1点は、敵グループの登場場面のわざとらしさかな。 劇場で見たかった。 【のまっと】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-11-27 22:40:01) |
15.《ネタバレ》 甘美な香りが漂い近づくと棘が刺さるような夢物語であり、私にとっては失われてしまった甘酸っぱい青春を再び体験できるような珠玉の作品で、時々ふっと観返したくなってしまいます。とにかく何もかもが美しく、海ではしゃぐ三人の姿、海に沈むレティシア、海上の要塞、アラン・ドロンの撃たれた時の動き、一人残されたリノ・ヴァンチュラ…などなど記憶に残る良いシーンが目白押しであり、涙腺が詰まってなければきっと観る度に泣いています。 【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2007-10-05 18:26:14) |
《改行表示》14.夢破れた者たちのめげない姿がうれしい。リノ・バンチュラの知性と優しさがどのシーンでも最高。ジョアンナ・シムカスでなくても惚れる。後半の軍艦島のような所での活劇は不要。9点。(親父の評価) 【板橋島野&綿貫】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-08-14 23:58:34) |
13.素晴らしい。どっか場末の名画座で観れたら最高だっただろうなー。 【すんくじら】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2007-07-11 03:34:56) |
《改行表示》12.《ネタバレ》 わたしのせつない、たいせつな映画のひとつです。 高校生のころ、東京12チャンの2時のロードショウ。浅草チドリ屋、れいはのひかり等、地方CM入りまくりの、けだるい地方、”東京”の午後のテレビ映画で、いきなり、あのピアノと口笛のメインテーマからはじまり、僕は完全ノックアウト。 レティシアの水葬シーンで流れるルーヴェの奇跡的な音楽。 3人の男女のうらやましい楽しい生活。そして、ラストの強烈なさびしさと、当時、まだなにものでもない、ぽーっとした高校生の僕からは、はるかかなた遠い地の果て、フランスの海上に浮かぶ石の要塞。当時、片思いの彼女とあの要塞でいっしょにくらしたいなああー、とどんなに切望したことか。 そして、40歳独身男の現在。やはり、けだるい、とてもしずかな春の平日の昼過ぎ、こんどはDVDにてひとり観て、強烈なもっとむなしい、さびしい涙にひとり立ち尽くすのでした。 そんな映画です。浅草紳士婦人大判洋品チドリ屋CMとフランソワドゥルーヴェーェェエああああ。。。 【男ザンパノ】さん [地上波(吹替)] 9点(2006-04-16 01:02:09) (良:4票) |
11.見終わった後もあの口笛の主旋律が心の底で静かに鳴り響くようなフランソワ・ド・ルーベの音楽・・・よかったな~。海を見ると今でもあのメロディを口笛吹いてる私は、冒険者からはほど遠いちっちゃな人間です。 【彦馬】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-05-17 23:46:13) |
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10.とても好きです、登場人物も風景もストーリーも。 【しまうまん】さん 9点(2004-06-12 12:58:05) |
9.中坊のときテレビで観て涙が出た。なんてったって音楽が最高だよね。一年後の再放送の時にスピーカー・トゥ・マイクで全編録音し、受験勉強しながら幾度となく聴いた。・・・時は流れ・・・22才の時初めて劇場で観た。現実の恋愛のきびしさにボロボロになっていたオレに中坊の頃の感動はもう戻ってこなかった。その後、崇拝していたジャーナリストの『コンゴ動乱を扱っていながら、被抑圧者の視点がゼロのダメ映画である。それを指摘しない‘さよならおじさん’も駄目な人である!』という評論を読んで心底驚いた。アキャ~!このメロウな作品をそないな政治的視点で語るとは!いやはや勉強になりました。さすがです。そうだよ今この瞬間にも為政者はみんなの権利を侵害し続けているんだ!甘っちょろい感傷に浸っている場合じゃなぁい!もうこの作品の甘美さには浸れない・・・20年経過・・・最近見返してみるとかつてのさまざまな思いとともに、マタ~リ味わうことが出来てしまった。借り物の怒りは続かないね。それともくたばりぞこないの諦めの境地というやつでしょうか。やっぱりいい映画じゃないの~ぉ↑(シリ上がり)・・・エンディングでかかる“レティシアのテーマ”はアラン・ドロンのヴォーカルバージョンより受験勉強中に愛聴したピアノ・ソロバージョンの方が良いなぁと思った・・・ 【皮マン】さん [映画館(字幕)] 9点(2004-04-16 03:19:15) |
8.よい映画を見ると登場人物を本当に好きになってしまうが、この映画はオープニング数シーンで彼らのとりこになってしまった。なぜなんだ?自然でさりげないようでなぜかとても力のある映像、引き込まれずに入られない数々のシークエンス、彼らの自由奔放な生き方を食い入るように見入ってしまった。上品でいてこんなにパワフルな映画は、はじめてみたかもしれない。スバラシイ! 【神谷玄次郎】さん 9点(2004-02-27 01:50:10) |
7.この映画の事を考える時、オレ、一体この映画の何に惹かれてるんだろうって想う事があります。でも理屈じゃないんですよ、タイトルが好き、ストーリーが好き、ふわりと三人を包みこんでる得がたい空気感が好き、クライマックスの要塞島のシーンが好き、レティシアっていうヒロインの名前も好き、コンゴ沖の紺碧の海の色が好き、ふと気が付けば口笛を吹いてるド・ルーべの「レティシアのテーマ」が特に好き、三人並んで微笑みながら歩いているポスターの図柄まで好き、とにかく全部好き。この映画を高く評価されているレビューワーさんたちのコメントも大好きです! 【放浪紳士チャーリー】さん [地上波(字幕)] 9点(2004-01-25 11:10:19) (良:1票) |
6.飛行機、宝石、潜水服、島、三人の顔が口笛とともにひとつになって心に残ってます。バンチュラの言葉にしびれました。 【A_sui】さん 9点(2003-07-28 04:11:59) |
5.ほんと、これはいい。この時代のフランス映画はよいですねぇ。ドロンとシムカス、そこへ渋おやじバンチュラが絡むから気持ちのよいバランスになったのかな。期待して見て期待以上だった素晴らしい作品。見るといつも、高校の頃の空気感を思い出してしまう。 【モートルの玉】さん 9点(2003-07-03 02:14:06) |
4.色々な事を考えてしまえる映画…。最近の映画のようなテンポも無く、アクションシーンも今のレベルから見ると幼稚としか言い様がないのに…。見終わった後の”この充実感。”観客個々に色々な事を考えさせてくれる映画ですね。最近の映画は、映像や設定のリアルさを追及するあまり、この映画が持っているような魅力をなくしてしまっている気がします。…年寄の独り言でしょうか?…。 【ても】さん 9点(2003-06-02 01:38:55) |
3.単純で、甘っちょろくて、雰囲気だけ? イヤイヤ、これこそいつまでもサビない、カビない瑞々しさいっぱいの傑作。 【るーす】さん 9点(2003-05-19 17:09:49) |
2.10歳で初めて観た時も40歳になった今観返してみても、感じることは同じ。恋する女と無二の親友を失い、ただひとり残されるリノ・ヴァンチュラの「淋しさ」になぜだかとても共感してしまうのだ。 【なるせたろう】さん 9点(2003-05-13 18:05:43) |
1.ネタバレ注意です。その完成度の高さと、私自身10年振り2度目の鑑賞だったのですが、アラン・ドロンが飛行機に乗って登場することと最後の銃撃戦しか憶えてなかった自分の記憶力に愕然。ラスト、ゆっくりと上昇し旋回しながらの空撮に映る真上から見た要塞島の形「0(ゼロ)」は、莫大な財産と引き換えにかけがえのない友人ふたりを失ったリノ・バンチュラの運命、「人生、プラマイゼロ」を暗示しているのだ!と勝手に解釈。 【茶蟻】さん 9点(2003-01-06 16:47:26) |