15.《ネタバレ》 この物語は、家を守るために鬼になって泥棒たちを殺す勢いでトラップ責めにした一人の少年と、
命がいくつあっても足りないトラップ地獄に挑み続けた二人のタフでクレイジーな男たちの物語である。
正直「ダイ・ハード」よりもハードです。マクレーンが1ダースくらいいないと攻略とか無理です。
大家族の末っ子のケビン。
兄弟からも「足を引っ張る」と邪険にされ、ある日の大喧嘩が元で一人家に閉じ込められる。密室の恐怖、「家族なんて無くなってしまえ」と世の中を恨む。
そしたら本当に家族が消えてしまった。前日から旅行を計画していたマカリスター家。
我が子と近所の子を間違えてしまったのだ。こんな酷い家族恨みたくもなるわ。自分の間違いによって息子一人を残してしまった事を悔いる母親。
ケビンも最初こそ殿様気分で自由を謳歌していたが、次第に寂しさで泣きたくなってくる。
そこに現れた愉快な強盗コンビハリーとマーブ。
ケビンは家を守るため、たった一人の孤独(ハリーとマーブとの愉快)な戦いに身を投じる。
「ダイ・ハード」は迎え撃つスリルと虎の穴に飛び込む緊張が同時進行するような映画だったが、この映画は砦に篭って迎え打って打って打ちのめしまくる。
ケビンと仲良くなるマーリーじいさんの協力を得て泥棒コンビをフルボッコ。
本編の遠因ともなったピザを運んできた配達員の悲惨さも、この映画から溢れ出るユーモラスな雰囲気に飲み込まれていく。
こんなにも痛そうだなと背筋が凍り、爆笑し、不覚にも泣いてしまった映画を俺は子供の頃から見させてもらっていたのか。ありがたい限りだ。