4.《ネタバレ》 浅野忠信出演作の中でも、観たかった映画ベスト5に入る作品だった。
ようやく今回、観る機会を持てた。
かなりマニアックな映画で、好みは間違いなく分かれるであろう作品。
ただ、73分という短めな上映時間の中で、無駄なシーンがほとんどなく、息つく間もなく、次々にシーンが進んでいく様は、観ている者を釘付けにすること間違いなしだ。
浅野忠信がオタクに扮し、切れているところはスゴイの一言であるが、一部、
「それは、ちょっとオタクのしゃべりじゃないだろ?」
と、個人的にはツッコミたい部分もあった。
ただ、それはほんの一部分でしかないし、後半、物静かなオタクから豹変し、全くキャラが変わってしまう辺りの演技は、「さすが浅野忠信」って感じだった。
あと、ディレクターの様な人から、しつこく質問を受けて、狼狽したり、困惑したり、怒ってみたり・・・と、この辺りの一見すると見過ごしてしまう様な、「絶妙かつ細かい演技」は、浅野忠信にしか出来ない、計算し尽されたレベルの高さを感じた。
しかし、「主人公の死で決着をつける典型的な映画」であるので、そういった映画が大嫌いな私にとっては、不向きな映画でもあった。
決して、他人に自信を持って推薦できる類いの映画ではないが、それとは逆に、「一度は観て欲しい邦画の異色作。」としてオススメしたい。
何より、浅野忠信の凄さが凝縮されている日本映画である。