16.《ネタバレ》 死体を陽気に解体するでんでんと黒沢、その様子をみてゲラゲラ笑う我々観客。こんなに気を違えた映画館体験に居合わせることができたのがうれしい。 【no_the_war】さん [映画館(邦画)] 9点(2011-02-21 22:07:02) (良:2票)(笑:1票) |
15.人間の可能性は、果てしなく無限。それは、まさに宇宙の如く。大変残念なことに、基本的に人間は綺麗好きだから人間とその人間の住む世界を美化し過ぎてしまう。 人間とは優しく、愛に満ちていて、信じ合うことができる。そう、きっとそう。でもそれだけじゃない。人間にとってそれらは陽のほんの一部に過ぎず、それと同じくらい人間は憎しみ合い、殺意と隣り合わせにあり、そして簡単に殺し合う。人間のこれまで生きてきた短い短い歴史がそれを明確に物語っている。人間、生きていれば幸せだと感じれる瞬間もあるが、それと同じくらい、苦しみ、己を不幸だと、つまらない人生だと嘆いている瞬間もある。ただ、そっちがわに目を向けてしまうと気持ちが沈んでしまうから目を向けないだけであって、生きているというのはその両方があって、その両方をちゃんと受け入れなきゃいけない。陽が当たる場所には必ず影があるものだから。 そして、人間なんて簡単に死ぬ。人格や性格なんてもっと簡単に姿を変わる。理性なんて、たかが知れてる。本能には逆らえない。深い深い欲望の下にいる、生きようとする本能。 ぼくには十分伝わった。不器用で引っ込み思案、そして人見知りの激しい監督が、子供みたいに捻くれた思想を眠れない夜に酒に頼って死に物狂いで作ったこの作品の想いが。 泣きながら人の命がどうとか映画で描くのも良し、殺人者をただただ狂った人間だと描いたり語るのも良し、なんでもあり。 だけどぼくはやっぱり、これだけ遠周りなやり方でしか人間を描くことができない監督が、ぼくは本当に好きだ。 人間の残忍で冷酷な面を見せつけられ、ただただ幸せになりたいと願っていただけの男が、人殺しになる。誰もが、その可能性を秘めている。 【ボビー】さん [映画館(邦画)] 9点(2011-02-04 10:11:40) (良:2票) |
14.《ネタバレ》 物語冒頭のスーパーでの買い物場面から始まる違和感と収まりどころのない気持ち悪さの連続。 進むにつれて傍観者である社本に、画面越しの傍観者である自分の感情が近づき、社本と同じようにフラストレーションを感じていることに気が付いた。 そして妻を犯したという村田の打ち明けで、一気に開放されるカタルシスにも似た感情。社本を応援している自分がいることに気付いたとき、自分も決して傍観者で居続けられる存在なのではないのだという事を知った。 【ちゃじじ】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-10-29 19:03:52) (良:1票) |
13.《ネタバレ》 危険。危険ですよね これ。 例えば、題名からして一目でキチガイ映画だと分かるような鬼畜大宴会とかだったなら きっとその筋の人しか見ないだろうから ヨシなんでしょうが (問題ナイ。) ところがですね これ、 冷たい熱帯魚ですよね ‥ 題名、めちゃめちゃ普通ですよね なーーんも違和感ないですよね ‥ アハ そこが問題なんですよね なんてタチが悪いんでしょうか この題名。 一般ピーポーの方で グロへの耐久性ゼロの方 なんていらっしゃいましたなら ご注意を。 今後、某ツタヤさんなんかをはじめ、ごく普通に新作コーナーにずらずらっと並んでしまってたりするかもしれませんですが、 実はこれってかなり濃ゆいんですよね そこんところは、ご注意を。 でも、そこで思うに、例えばこれって、題名が、冷たい鬼畜熱帯魚 だったとしたならあなたどうですか? 八仙飯店之冷たい人肉饅頭熱帯魚とかだったとしたならあなたどうしますか? 言いたかったのはそこなんですよね あなたはそれを借りて観ますか? 真面目な彼氏彼女の間柄で、ご夫婦で。お歳をめした爺さん婆さんの間柄で、仲良しこよしの兄弟で。 たぶん、ご遠慮するでしょ? お気をつけあそばせ まとも趣向な方へ向けてどうしてもそれだけは言っておいてあげたかったんですよね 冷たい熱帯魚、すなわち、=鬼畜大宴会 =八仙飯店之人肉饅頭ってな感じなわけだから。余計なお世話ってやつですさ。 【3737】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-08-26 23:13:57) (良:1票) |
12.《ネタバレ》 「でんでん」の映画です。それだけに彼が去った後、若干のパワーダウンは否めないが、それを差し引いても十二分に楽しめる怪作。 【Junker】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-06-25 17:04:35) |
11.埼玉県警で桶川ストーカー事件の次に有名な当時事件だった本件を映画を製作していただき素直に鑑賞しました、映像・脚本日本映画に無かった演出を出し切った映画だったと思います。あの夫婦は本当に、バラバラにするとき鼻歌で解体していた見たいです、二人とも死刑ですが。 【SAT】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-05-22 22:28:31) |
10.《ネタバレ》 ストーリーの元になった愛犬家殺人事件の書籍を読了。エログロが溢れかえっています。悲惨な内容ですが、途中で見るのを止められませんでした。近頃の日本映画にはない毒が魅力的だったのでしょう。特に村田。のべつまくなしに喋りまくり相手を取り込むパワーに圧倒されます。私も多分逆らえないでしょう。終盤、社本が村田を殺し物語は意外な方向へ向かいます。ラストを見て、これは父親が権威を取り戻すことを描く作品だったのかと思いました。ただし、社本は一時的な興奮状態で突っ走っているにすぎず、到底村田のように慣れることは不可能、早晩破綻していたことでしょう。 【次郎丸三郎】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-10-21 16:09:30) |
9.《ネタバレ》 人間の幸せや平穏というのはある種の暴力を前にすると木端のように砕け散ってしまい、人間の存在そのものも何も高尚なものではなく所詮はただの肉片でしかないという、普段は意識しない(忘れようとしている)ことを改めて見せつけられるような、強烈な映画でした。 人が辿る人生と言うのは決してお花畑ではありえず、それも一皮むけば(半歩でも間違えようものなら)こういう暴力や悲惨が蠢いている(あるいはこういうものに自分も足を突っ込んでしまう)という事を改めて思い知らされたような気がします。そんな暴力や悲惨に妙なカタルシスを感じてしまうのがまた始末が悪いのですが・・・。やってることの良し悪しはともかく、本能のままに行動する村田達や(後半の)社本のその様子が、とことん突き抜けまくった解放感を見る者に与えるからでしょうか。 「人生ってのは痛いもんなんだよ」と社本は命を懸けて娘に言葉を絞り出しますが、それを向けられた娘は「やっと死にやがったかクソジジイ!」と彼を足蹴にし嘲笑します。あの救いようもないラストによって、この映画は観客の心にその「人生の痛み」を具現化してザックリと刻み付けたのだろうと思います。 そこに「人生と言うのはとことん冷たく、人間は脆いものなんだよ、仕方がないもんだね」とそっと教えてくれているような「制作側の愛情」を見る思いがするのは、僕自身の弱い心がそこにあるはずのない希望を見ようとしているせいなのか、それはわかりません。しかし僕自身はこの映画の中に、「人間という脆く弱い存在への愛」を確かに感じました。 【マーチェンカ】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-03-11 00:12:43) |
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8.《ネタバレ》 冒頭のスーパーでの奥さんの買い物シーンの画と音にズンズン引き込まれる。いきなり不穏なエネルギーを感じさせるから。でんでんは昔から好きだったが、圧倒的に凄い。歴代最高の狂ったおやじだ。そして黒沢あすかと神楽坂恵のエロさは天性のもの?これを引き出した監督のセンスは抜群。とくに黒沢は『愛のむきだし』の安藤さくらに匹敵する狂気を感じさせる。園子温監督作品の中でも一番怖い作品。でもきっとまた観てしまう。もちろん一人で。 【ブタノケ2】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-10-07 01:46:25) |
7.凄く怖いし、不快なシーンの連続なのにどんどん引き込まれて見てしまった。 とにかく強烈な作品。 見ている間中アドレナリンが出っぱなしでした。 【ヴレア】さん [映画館(邦画)] 9点(2012-06-30 20:28:11) |
6.《ネタバレ》 胸糞悪い映画。であると同時に心に響くものがあった。 この映画の登場人物達は皆、其々に設定されたキャラクターの演者である。僕は劇中でんでん演じる村田の姿を観て、昔のお笑いスター誕生当時の彼のひとり芝居を思い出した。彼は村田という登場人物が「村田」というキャラクターを演じるように芝居をしてみせる。だから彼の演技は不自然な程に芝居がかっている。それは、前作『愛のむきだし』の安藤サクラに匹敵する怪演、黒沢あすか演じる愛子も同じである。そして主人公も。まるで自己暗示のように誰もが自らをキャラクターで縛り、演じてみせる。そして、彼らは死ぬ間際になってようやく本当の自分を晒そうとするのだが、そこで今度は、「内面の自分」というキャラクターを、弱さ<強さ>として自ら認識した「自分」というキャラクターをまたしても否応なく演じてしまう。いろんな意味でエグい映像であったが、本当にグロテスクだったのは、そういった人間の本質であり、村田が「内面のないやつはダメなんだ」と言って強がる、その自分の内面がマトリョーシカのようにどこまで行ってもキャラクターでしかない地獄のような空っぽさを曝け出したことであった。 そういう意味で胸糞悪く、心に残る映画であった。 【onomichi】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-01-18 01:16:29) |
5.《ネタバレ》 子供の頃、宇宙や時間や死のことを考えると不安で不安で怖くなった。大人になれば少しは怖くなくなると思ったがその気持ちはますます高まった。それは地球が不条理で狂気の世界に満ちているからと、この映画を観て思った。 久しぶりに凄い映画を観てしまった。 最後主人公が逆切れして急に男前になるが、よくいじめられっこが切れると怖いと言うが本当は怖くならない。学生のときいじめられっ子が切れ、真っ赤な顔をして机を頭の上まで持ち上げ投げようとしたが、全く怖くなくやっぱり滑稽で笑いものにされた。だからもう少し笑を加えた方がリアルだ。 【こねこねこ】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-01-01 10:15:20) |
【紫電】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-12-26 21:01:59) |
3.《ネタバレ》 凄惨なストーリーにもかかわらず、笑いどころが多いのは園監督らしい。「愛のむきだし」レベルで全編がパワフルな作風で圧倒され、後半の社本爆発以降はニヤニヤが止まらなかった。 そしてなんといってもでんでん演じる村田の強烈かつコミカルなキャラクターがたまらない。彼の話術による心理操作が見事で、ヘタレ社本に投げかける言葉は自分に言っているようでグサグサ来た。 吹越満、でんでん、梶原ひかりはこの作品以降出演オファーが増えるだろうなぁ…。 【eureka】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-12-11 15:18:36) |
2.《ネタバレ》 園子温さんの作品を観るのは、これが初めて。 やたらグロ描写ばかりが上げられている作品ですが、スプラッタ好きな私には全くもって物足りない! だけど、最後までその世界観にどっぷり浸かって楽しむことが出来たのは、グロ描写だけの作品では無いからだと思う。 村田の善人面と悪人面のギャップもさることながら、脇を固める女性陣の生々しいエロさ具合。 万人受けする作品では無いと思うけど、ハマってしまうと中毒にも似た心地良さを感じてしまう。 ラストシーン、社本の娘は村田の闇に蝕まれていたのでは・・・と解釈しました。 全てを終わらせる、と言った社本だったけど、最後の最後で、村田の闇に喰われた・・・と思うのは、私も村田の闇に染まってしまったからなのかな。 【ななのじ】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2011-11-30 22:44:42) |
1.(倫理的には)最低だけど、(心を揺さぶるエンタメとしては)最高な映画でした。 R18+でも足りないと思います。しばらくユッケは食べれそうにありません。冷凍食品も。 【ヒナタカ】さん [映画館(邦画)] 9点(2011-02-12 20:38:18) |