3.《ネタバレ》 これまでも映画の中で様々な人間の人生を描き続けてきたイーストウッド。
本作でイーストウッドが取り上げたのが、60年代に一世を風靡したフォー・シーズンズ。
とりあえずその名は聞いたことがある程度の知識しかなかったですが、
曲が始まると、「これも彼らの曲だったんだ!」と聴いたことがあるある曲が幾つもありました。
盗みを働き、仲間が塀の中に出たり入ったりを繰り返しながらも音楽的に実力を付けていく、仲間と苦楽を共にした青春時代。
少しずつ演奏するステージが大きくなっていく。自分たちの曲が次々ヒットする。
やがてグループは人気の絶頂を極めますが、その後は大きな成功を収めたグループの光と影を描き出す。
友情、成功ゆえの苦悩、挫折、グループの分裂、大切な家族の死。それらを力強く乗り越えての復活。
60年代というビートルズをはじめ、魅力的なグループ、ロックスターが数え切れないほど存在した時代。
そんな彼らの人生のドラマを見ていると、イーストウッドが彼らを取り上げた理由が分かるような気がしました。
勿論音楽の使い方も素晴らしく、エンドクレジットでのミュージカルシーンも楽しかった。
(ぎこちなく手拍子を打ちながらリズムをとるウォーケンがなんか良かったな…)
鑑賞後に重く考えさせられることも多いイーストウッドの映画ですが、
素晴らしい音楽にのせて軽快に魅せる本作はとても楽しく鑑賞させてもらいました。
もうとっくに80歳を過ぎたイーストウッドですが、まだまだ元気で映画を撮り続けてほしいと心から思います。
そしてまたいつか自身の映画の主要キャストに俳優イーストウッドを起用してくれると嬉しいのだけど・・・。