1.《ネタバレ》 久しぶりに『心にくる』映画でしたね。
事故ですべてを失った人の悲しみと再生を、共感、応援、後押し、愛情といった感情表現でストレートに表現した感動作。
こういったプロットってバランスが難しくって、場合によっては現在の彼女が可哀想に見えることもあるでしょうし、その逆に亡くなった奥さんと子供が可哀想だと映ることもあるかもしれません。
ところがこの作品にはそのどちらもない。
なぜならキャッチ(=スティーブ)が、奥さんと息子をいかに愛していたか、ということが痛いほどに伝わってくるからです。そして事故を起こしてしまったことを、いかに悔いて、嘆き悲しんでいるかということが、これでもかっていうくらいに伝わってくるからでしょうね。だからシャロンとキャッチの二人の再生を素直な気持ちで応援することができます。
これはもうドラマ好きにはたまらない作品でしょう。
希望と人間愛に満ちた類まれなる傑作。
そして、ジェニファー・ロペス、ジム・カヴィーゼルをはじめとて、出演者のみなさんが素晴らしい。特にキャッチの義母とシャロンの相棒が、それぞれキャッチとシャロンの精神的な支えとして大変重要な役割を果たしています。
客観的な眼差しで、それでいて暖かくシャロンとキャッチを見守る『二人の目』がなければ、この作品の評価はまた全然違ったものになったかもしれません。
今作で唯一難癖をつけるとしたら、やはりシャロン側の家族でしょうか。特に父親の器の小ささもそうだが、呼ぶだけ呼んどいて、勇気を出してやってきたシャロンをだれも気遣ってあげない態度は許せん。