3.《ネタバレ》 最強の軍隊は「アメリカの将軍、ドイツの参謀、日本の下士官・兵」だそうだ。ちなみに最弱の軍隊は「中国の将軍、日本の参謀、イタリアの下士官・兵」とのこと。日本の兵隊さんは本当にご苦労されたのだろうと思う。本作ではアメリカ兵の皆さんが大変なご苦労をされておられる。甘い状況判断の結果、次々将校が戦死して伍長があれよあれよと野戦昇進をして部隊の指揮を任される。押し付けられる責任。前線から逃亡をはかるアメリカ兵に銃を向けて引き鉄をひく。戦場の混沌と混乱が、あらゆるものをミキサーのように飲み込んでひき潰してしまう。泥の中を這い回り、ただ生き残るために戦う。死なないために銃を撃つ。逃げ場所はどこにもない。善悪などでは割り切れない戦場の真実があるのだと思う。ただいい加減な邦題はやめてほしい。原題「トランペットの音の消えるとき」という叙情の欠片もない安直なネーミングが残念でならない。「プライベート・ライアン」にちなんだものだと思われるが、プライベートとは「二等兵」という意味だということを知らないのだろうか。G・ホーン主演の「プライベート・ベンジャミン」は「ベンジャミン二等兵」ということだ。