16.今までこんな映画があったんだ、というぐらいマジで衝撃を受けた。オープニングショットなんてのはあまりの綺麗さに見とれてしまい、風船をもちながら少年パスカルが颯爽と街の中を走る1ショット1ショットが映画を超えて芸術の粋に達したか、と思わせてくれました。どーやって撮影してん!!と言ってしまう意思を持った風船の動きや無邪気すぎる少年の笑顔がたまらなく心に響く。故・水野晴朗さんの「いやー、映画ってほんとに素晴らしいものですね」という言葉はこの映画の為にある、と思います。オスカー脚本賞受賞、納得。 【M・R・サイケデリコン】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-08-11 23:50:18) (良:3票) |
15.まずは何と言ってもフランスの美しい街並み、そんな美しい風景をより美しく描いたこの映画、私は大好きです。少年と風船、この描き方が何とも微笑ましくて観ていて本当に癒されます。作品全体を包み込むこの温かさ、それは正しくフランス映画ならではの良きファンタジーと言っても良いそんな素晴らしい映画です。近頃のやたらドンパチ、CGだらけによる映像ばかりのアメリカ映画きり観ている方に特に観て欲しいそんな映画です。こういう映画は心の優しい人間にしか撮ることの出来ない映画だと思います。わずか36分という短い間に色んな意味で素晴らしい体験を出来る貴重な作品! 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-19 21:25:07) (良:3票) |
14.《ネタバレ》 アルベール・ラモリスによる最高に可愛らしいファンタジー映画。 セリフがほとんどないのにこんなに面白い映画を撮れる。無粋なセリフはいらないのだ。冒頭に出て来た犬のように、少年の目の前に現れる風船はペットのように、人間のように感情豊かな姿を見せる。 ガス灯から風船を“救い出す”シークエンスから始まり、風船は意思があるように自ら浮いたり降りたりする。 乗船拒否されれば、勝手に少年を追うだけだ。 濡れたレンガの路地の上を飛んでいく風船、 尻尾のようになびく紐、 白と赤のコントラスト、 傘から傘へ移って行く少年。 赤い風船は青い風船に惚れ、青い風船も赤い風船に反応する。これが伏線になろうとは・・・。 他の子供達は、赤い風船と少年に“嫉妬”して彼らを追い回す。 階段や路地における追走劇のスリル! 通りすがりの婆さんのオフェンス。 ちょっとしたファンタジーとか短編とか子供向けの映画とナメてかかっていたらコレだ! まさかここまで面白いとは思わなんだ。 子供達は赤い風船を“さらう”。男の子たちに混じって女の子がいない事も不思議だった。まるで一人の女を取り合うように。 綱引きや柵のやり取り、訪れる“死”。 少年の悲しみが起こす風船、風船、風船の奇跡。 空の向こうに消えていく美しいシーンだが、本当に死んだのは果たして・・・。 この映画の後に「白い馬」を見るのが最高なんです。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-11-01 01:08:50) (良:1票) |
13.魂を抜かれるくらいびっくりしました。鮮烈の出逢いです。鮮紅!なカラーを目にした瞬間もう目が釘付けです。素晴らしかったです。赤い風船は自分の大切な何か、守りたい大事なもの、いろいろありますね、誰もが思い当たるもの、あると思いますがいかがでしょうか。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-05-19 00:07:21) (良:1票) |
12.《ネタバレ》 ものすごく良い映画だと思う。 手を離すと飛んでいってしまう風船が、自分から離れずにいつも一緒にいてくれる。それだけでも胸がいっぱいになる。意地悪だったり優しかったりする赤い風船は、友達だったり彼女未満の大事なガールフレンドみたいな存在になってずっと心に残るかもしれない。 映像のきれいさとか、風景のきれいさはもちろん、生活が垣間見られるたくさん出てくる子供のかわいらしさ小憎らしさとかには、特に隠された意味って無いように感じる。そこを排除して純粋に少年に感情移入することができるからこの映画の良さって引き立つのではないかと思う。 こういう純粋な短編に、簡単に比喩や寓意を乗せてしまうのはあまり上手ではないと思う。だから作り手がくれた世界に素直に甘えて、描写から方々に意味や結論を引き出すよりは風船に乗ってパリの上を飛んでいくという幻想を純粋に楽しむのも大いにありだと思う。 【黒猫クック】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-12-20 23:38:50) (良:1票) |
11.ちょっと昔のパリの空撮、風船の色が映えて とっても素敵です。 こんな映画を観ながらうとうとするのも良いもの こんなに叙情溢れる映画って他にあったかなぁという 位自分は好きです。 【leo】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-07-20 11:39:14) (良:1票) |
10.セリフがほとんど無いのですが、例えば雨の中、風船が濡れないように通りを行き交う人達の傘に入れてもらいながら歩を進める少年と傘に入れてあげるおじさんおばさんたちの会話なんてのは、はっきりと聞こえたような気になります。路面電車で乗車拒否をされたり教室まで追い出されたりといったシーンも然り。何も考えずにぼーっと見ていても様々な声が頭の中で響きます。かわいらしい赤い風船の動きも素晴らしく、またラストのたくさんの風船たちにも感動した。幸せな気分に浸りたい方、おすすめです。 <追記(2008.8.28)> 近所のレンタル屋に置いていたこの作品(ビデオ)がいつのまにか無くなってしまい、今度はいつ観る機会に恵まれることやらと諦め半分に思っていたところに本年デジタルリマスターで蘇った本作が劇場公開された(『白い馬』と共に)。セリフも無く、字幕も無く、映像だけで感動する。この感動こそが「映画」。「映画」だけにしか出来ない感動がここにある。いわさきちひろさんのこの作品を元にした絵本も素敵だが、全然違うんだ。感動が。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-06-16 14:05:56) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 もう50年も前だけれど、この映画を観てカラー映画の奇麗さを再認識させられました。それまでの映画のいかにも着色されたような色でなく街裏のどこでも見かける風景の色を表現して、その中で目立たないけれど赤色の風船が黙って見つけられるまで待っている。それが壊れるときが別れと判っていても最後まで挽き付けられる映画でした。「黒い牡牛」の映画と一緒に観た記憶があります。 【たいほう】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-05-14 00:08:44) (良:1票) |
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8.《ネタバレ》 素晴らしい映画に巡り会えたもんだ。あの風船は、もう生きているとしか思えない。やんちゃで主人公の子供のことが大好きな風船君。青い風船ちゃんがいるとすぐについて行ってしまう陽気な風船君。僕はたった数十分の間に、この風船君のことが大好きになってしまった。しかし、子供たちの投げた石が彼の頭に直撃する。この石ころがあたってから風船が地におちるまでのシーンは最高の出来栄えだ。あまりに素晴らしい映像と皮肉にも好きになった赤風船の死が完璧に描かれていることで、僕は涙がでそうになった。 もう風船割れません。 【マイアミバイス】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-05-13 22:23:17) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 真剣にマジメな話、小さかった頃私にも赤い風船の友達がいたんです。親戚の家で拾ったんですが、帰りの電車に乗っけられないと母親に言い聞かされ・・・叔母さんは今度来るまでとっといてくれると・・・。風船はさよならの代わりに男の子へ最高のプレゼントを用意してくれたんですね、私にも・・・ボロボロ泣いてしまいました(><)。 【ジマイマ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2004-05-13 15:37:32) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 映像の美しさも、脚本の純粋さも、撮影技術もこんなに素晴らしい力を持った映画はそうないですよね。霧掛かった様な淡い色合いで統一された綺麗なパリの町並みに映えるあの赤色の美しさには、何度見ても本当に息を飲みます。紐の先まで行き届いた風船のあの演技も、本当に生きているとしか思えません。本当どーやってるのかしら。最後の果てるまでのシーンはあまりに素晴らしすぎてグーの音もでないです。何というかこれは見る以前に感じる映画の様にも思っています。 とても大切にしたい映画です。 【イチェルコ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2003-08-21 01:03:19) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 遠い昔に視聴。 短編ながら長編映画クラスの濃度。 赤い風船の色鮮やかさと生きているような動きが昔の映画とは思えない新鮮さを放っている。 少年と人ならざる者の純粋なラブストーリーでもあり、同時に世界は優しくないという残酷さも提示している。 同じ歳の男児たちが嫉妬から赤い風船を"殺してしまう"衝撃。 そしてたくさんの色の風船が少年を空へ連れ出す。 素敵なエンディングだと当初思ったものの、監督は本当は現世が嫌だったのではないかという純粋さも感じられるのである。 (後年、監督は撮影中に墜落死しており暗喩的)。 |
4.《ネタバレ》 あれだけ短い時間と少ないセリフだけで、こんなにも素晴らしい映画が作れるのかと、ただただ脱帽です。 風船の鮮やかな差し色、美しい街並みに、シンプルなストーリー。作り手が意識したであろうポイントが見事にハマり、後世に残る名作が誕生しました。映画も見た目は大事ですね。 家の陰に隠れてみたり、青い風船に恋してみたり、時々寂しそうにしてみたりする赤い風船にすっかり感情移入してしまいました。それだけに、徐々に萎んでいき最後に潰れてしまうシーンは衝撃的で、ラスト男の子が風船たちと共に飛んでいくシーンは「それでいいのかい、君は?」って思っちゃいました。赤い風船が後から追いかけて飛んできてくれたら自分の中では10点満点だったのですが。 【きーやん】さん [DVD(字幕)] 9点(2019-01-06 04:59:52) |
3.《ネタバレ》 パスカル少年と赤い風船の友情を描いたファンタジー映画。劇中、会話はほとんどありません。赤い風船を生き物に見立ててしまうフランス感覚が素晴らしい!「風船が重力に逆らって飛んでいく訳ないだろう」などという野暮なみかたをしてはもったいない。クライマックスのパスカル少年とたくさんの風船(ともだち)が空高く飛んでいくシーンには、ほろりとしてしまいました。映画は本来、絵で語るものだということを再認識させてくれた名作です。この作品に短編パルム・ドールを与えたカンヌにも拍手! 【スノーモンキー】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-12-02 19:57:07) |
2.《ネタバレ》 とにかく、いたいけでたまらない。我が子の小さい頃を思い重ねて、心かきむしられるよう。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-11-02 14:36:04) |
【akila】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-01-15 23:52:28) |