4.とてもクダラなくってとても面白い映画だった、という記憶はあったものの、久しぶりに観て、いくら何でもここまでクダラなくってここまで面白かったか、と。
西部劇の世界にハチャメチャなマシンが登場し、まさに荒唐無稽の極み。それらのマシンがもっともらしく蒸気機関仕立てなのがこれまたアホらしい(戦車も登場するけど、それを「Tank」などと、当時あり得たはずのない呼び方で呼んでたり。まさにオーパーツ中のオーパーツと言えましょう)。
けれど設定ばかりがアホらしいのではなく、ストーリーもデタラメで、ウィル・スミスとケヴィン・クライン、どんな高い崖から転落しても平気だし、砂漠の中に取り残されようと気が付いたらアッと言うまに敵に追いついている。二人の脱力するような会話さえあれば、どんな危機も乗り越えてしまう(=無かったことにしてしまう)、この実に堂々たる、厚かましさ。
ウィル・スミスはこのバカバカしい役をコミカルに演じようとするけれどどこかギコチなくって、そのギコチなさが妙に可笑しく、一方のケヴィン・クラインは「こういうバカバカしい役はオレに任せろ」とばかりに器用なところを見せて、その器用さが妙にハズしてる、という気もするのですが、その二人を組み合わせると、いやコレ、なかなか悪くないんじゃないの、と。
クダラなさ満載、メカへの愛着満載。いいねえ。