2.《ネタバレ》 先の悲劇的な『キングコング』に比べて、人間性に対する信頼が強まっている感が強いのは、ジョン・フォードも製作に名を連ねている関係か。
飼い主であるヒロイン(テリー・ヤング)は勿論、その恋人となるベン・ジョンソン、興行主(ロバート・アームストロング)らも協力して、主人公のゴリラ:ジョーをアフリカへと帰すべく一致団結して手助けする姿が感動的だ。
テリー・ヤングの可憐さ、ロバート・アームストロングのユーモアも利いており、
ジョーの仕草の愛嬌と共に作品にヒューマ二スティックで爽やかな後味を与えている。
オブライエン&ハリーハウゼンの特撮と、人間や馬やライオンのライブアクションとの絶妙なシンクロが素晴らしいのは云うまでもなく、後半の逃走劇のアイデアとサスペンス、そして赤い着色フィルムによる孤児院の大火災のスペクタクルもまた圧巻だ。
ラストのフィルムレターも幸せ一杯、ほのぼのとした大団円になっている。