3.《ネタバレ》 原作はクリスティでいちばん好きな作品。トリックの面白さもあるが男女の機微、切なさがよかった。日本のミステリーでもこのトリックをモトネタにしているものがあるように(不連続殺人事件とか最近では金田一少年の事件簿にもあった)、トリック自体は有名なので犯人はすぐにわかるかも。映画版も面白かったが、とくに豪華な女優陣の競演が楽しい。オリビアハッセーの清楚で控えめな美しさ、ロスチャイルズの絢爛かつ傲慢な美しさ、最近本業以外で話題のミアファローの儚げな美しさ、役柄に女優の特徴が見事にマッチしている。反面、男優陣がちょっと物足りないか。ピーターユスチノフのポワロはいいんだけどキーパーソンであるサイモンドイルはもうちょっとメジャーな人がよかったのでは(私が知らんだけで有名な人なのかも知れんが)。あと、老齢のベティデイビスのインパクトが大。若い頃の映画しか見たことがなかったのでさすがにきつい。オリエント急行のバーグマンやローレンバコールの方がまだショックが少なかった。