黒い画集 第二話 寒流のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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黒い画集 第二話 寒流

[クロイガシュウダイニワカンリュウ]
(黒い画集 寒流)
1961年上映時間:96分
平均点:7.83 / 10(Review 12人) (点数分布表示)
公開開始日(1961-11-12)
ドラマサスペンスシリーズものモノクロ映画小説の映画化
新規登録(2005-11-15)【まぶぜたろう】さん
タイトル情報更新(2020-11-12)【イニシャルK】さん
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監督鈴木英夫
助監督梶田興治
キャスト池部良(男優)沖野一郎
新珠三千代(女優)前川奈美
平田昭彦(男優)桑山英巳
荒木道子(女優)沖野淳子
小川虎之助(男優)頭取
中村伸郎(男優)小西副頭取
小栗一也(男優)田島支店長
松本染升(男優)渡辺重役
宮口精二(男優)伊牟田博助
志村喬(男優)福光喜太郎
丹波哲郎(男優)山本甚造
田島義文(男優)久保田謙治
広瀬正一(男優)鍛冶久一
堤康久(男優)比良野の板前
浜村純(男優)医者
北川町子(女優)喜太郎の情婦
西條康彦(男優)探偵社事務員
加藤茂雄(男優)
勝本圭一郎(男優)
岡部正(男優)
草川直也(男優)
大前亘(男優)
中山豊(男優)榎本正吉
宇野晃司(男優)
吉頂寺晃(男優)
原作松本清張「寒流」
音楽斎藤一郎
撮影逢沢譲
配給東宝
美術河東安英
編集岩下広一
録音下永尚
その他キヌタ・ラボラトリー(現像)
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3.これは凄い。好きな松本清張の映画を次々とあさっているうちにぶち当たった作品なのだが、原作未読の清張の中で最高傑作だと思った。
脚本がすばらしく良くできているし、登場人物の心理描写も実に見事、すさまじい緊迫感である。それと銀行内部のスキャンダルを赤裸々に描いて、社会派サスペンスの深さを感じる。
ただひとつ嫌なシーンは、丹波哲郎の子分たちが次々に○○部長で前科○犯という自己紹介をするところ、実に醜い。
ESPERANZAさん [DVD(邦画)] 9点(2011-10-30 07:38:01)
2.黒い画集シリーズの中で最後に観ることになった本作を拝見して、思ったことはやはり映画は脚本が命であるということと、緊張感を生む為の演出においてもこの鈴木英夫監督という監督さんはどうすれば良いかってことをよく解ってる。人物描写の上手さ、金が金を呼び、どんどんと金に埋もれて行く人間の醜さ、欲の塊から崩れて行く人間の儚さ、池部良の怯える顔、どんどんと悪女としての顔を出す美しい女の中にこそ隠れている男を惑わす女、新珠美千代、この二人の演技もさることながら池部良演じる銀行員の課長の常務の平田昭彦の何たる醜さ、この映画は人間が如何に金の前には弱く、男は女に弱く、そんな女の前に男は身体では解っていても思っている通りにはいかないというその全てを徹底してさらけ出している映画として、とにかく恐い。サスペンス映画としても勿論のこと、人間ドラマとしての面白さ、最近のサスペンスでは物足りない。そう感じてる人にお薦めの本格サスペンスの傑作です。最後にこの映画の主人公を演じている池部良、「青い山脈」や「昭和残侠伝」シリーズと並ぶ池部良自身の代表作の一つとして、遅くなりましたがご冥福を祈りつつ失礼します。
青観さん [DVD(邦画)] 9点(2010-10-31 10:09:08)(良:1票)
1.《ネタバレ》 本日スクリーン最前列で鑑賞しました。私も同感でして、隠れた傑作を発見した気持ちです。いくつか、まず、「作家性を感じさせないところに作家性を感じたところ」に驚きがあり、まぶせさんの素晴らしいコメントのとおり、鈴木監督は非常に手堅く演出をしていると思う。

特に無表情の池部良のシーンは極力科白を排しているのですが、その余白にも科白が流れている。やはり(続けてですみません)、三人が湯河原のホテルに滞在するシーンは際立って良い。
雨の旅館内部屋での三人、襖を閉める池部良、そして布団に横になる(左から、平田・新珠・池部)この構図は見事。三人の関係(出会い・関与・遷移・裏切り)が刻々と変わっていくのですが、このシーンでは新珠の移り気、平田の欲、池部の焦燥を台詞なしで完璧に描写していた。

銀行の組織の暗部をも描いている。
所詮、池部良は支店長クラスの人間、平田昭彦は時期頭取の座の地位に近い常務、この縦社会の構図をも淡々と描いているのも面白い。

終盤、池部良が不正融資をあちこちに触れまわるのだが、ことごとく平田に跳ね除けられる。今ではコンプライアンス機能が動いていれば、すぐさま処罰となるのであろうが、当時はこういう女がらみの不正融資というのはよくあったと聞いていた。
しかも、たしかに不正融資とはいえ新珠三千代の事業が仮に軌道に乗っているのであれば、あのような結末は当然といえるのかもしれない。

『支店長クラスの告発でもって、銀行TOPがグラ付くような組織はたかがしれている。』

正義感のある個人(暖流)を容易く呑み込んでしまう組織の闇(寒流)のようなものが、乾いたフィルムの中に息づいていた。
特に、最後の中村伸郎のあの冷酷な視線は傑作!

池部の復讐が成功に終わったら普通の作品になり得たと思う。
サーファローザさん [映画館(邦画)] 9点(2008-09-17 15:42:29)(良:2票)
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【点数情報】

Review人数 12人
平均点数 7.83点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
418.33%
500.00%
618.33%
718.33%
8541.67%
9325.00%
1018.33%

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