21.《ネタバレ》 アメリカン・ニューシネマを語るにあたって、この映画を外すわけにはいかないでしょう。主人公が最後に死ぬのがニューシネマの半ばお約束みたいなもんですが、この映画のダスティン・ホフマン=ラッツォぐらい惨めでやるせない死にざまは空前絶後なんじゃないですか。 「俺、ションベン漏らしちゃったよぉ(泣)」、もうこのシーンはジョン・ボイトになり変ってラッツォを抱きしめてやりたいくらいです。でもこの結末には確かに深い虚しさが漂っているけど、私にはそこはかとない希望の光を感じられるのです。ジョン・ボイトも自分のアイデンティティだったカウボーイ衣装をゴミ箱にほうり込み、陽光あふれるフロリダで地道に働き新しい人生を始める事が暗示されている様に思います。他のニューシネマ作品とは違ってアナーキーさは薄くて、弱者への優しい視点が感じ取れるのも好きです。二ルソンの名曲“Everybody's Talkin”の使い方も良いですしね。 【S&S】さん [映画館(字幕)] 9点(2014-06-11 21:04:51) |
20.《ネタバレ》 これぞニューシネマの傑作。夢を持って上京してきたジョーだが、そこでであったリコとの相補性が絶妙。二人とも憎めないキャラだった。救いのないエンディングにも見えるが、ここでリコが死んでいなければ、ジョーはまた現実とかけ離れた理想を抱き続けていただろう。こういう後を想像させるエンディングは良いと思う。夢を抱くことは良い事だが、叶いもしない夢を抱かせるメディアも悪いし、それに気付かないのもどうかと思える。それでも夢を諦めきれない主演の二人の演技もさることながら、爽やかなニルソンのメロディも夢の実現を予感させるもので、この映画に見事にマッチしている。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-11-17 16:34:37) |
19.ストーリーはけっこうエグくて、救いのないものですね。けれど、まちがいなく主題歌がこの作品に対する印象を良いものにして、評価を高めていると思います。切なさ募る名曲ですね。。ジョン・ヴォイトはダスティン・ホフマンの存在感にちょっと食われちゃっている感じがしますが、田舎から出てきたお人好しの若造を好演していたと思います。雑踏のシーンで、彼は頭一つ抜けていて、とても印象的でした。 【ジャッカルの目】さん [地上波(吹替)] 9点(2011-02-10 00:04:22) |
18.またも救われないニューシネマ。でも他の諸作に比べて主人公二人に感情移入する余地があった気がする。だからラストはとても切なかった。ニューシネマお得意のぶっ飛んだ映像の連続も、やる意味は別にして、面白かった。 |
17.《ネタバレ》 何をどう頑張ってもうまくいかない時がある。それは仕事のことだったり、他人との付き合いだったり、とにかく全てが空回りしてしまうことだ。だが、その流れがちょっとした人との出会いで変わることもある。田舎から一攫千金を夢見てやってきたカウボーイと社会の最下層に位置づけられているはみ出し者との出会いがその一例である。初めはお互いが信用し合うこともなく、むしろ生きていくための道具としか見ていなかった間柄だったが、次第に心が打ち解けていく。それはお互いが似ているからだったのかもしれない。命の次に大事にしていたラジオを売るシーン(もしかしたら命より大事だと思っていたのかもしれないが・・・)、ジョーがホテルから投げ出された後に数秒映し出される電球が一部かけた太陽のシーン、なんともいえない悲壮感が漂っている。タクシードライバーのようなニューシネマの特徴なのか、この映画には爽快感を与えるシーンは無い。でもかえってそれが心地よくも感じるのは自分だけだろうか。 【超甘味王】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-03-01 23:34:47) |
16.ZAZEN BOYSの向井氏が歌詞に多用する「冷凍都市」という言葉があるが、この映画を観て何度もそれを思い出した。人でごった返しているのに孤独。人が死んでるのに無関心。今の東京も同じ。大都会ってどこの国もこうなるのだろうか。主人公2人のはまり役っぷりもお見事。似合いすぎてこの2人が演技してるんじゃなく、実在の人物に思えるほど。 【ミカエル】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-02-03 12:47:20) |
15.《ネタバレ》 悲しい作品ですね。でも私は嫌いじゃありません。ジョーは都会で成功するという夢をもってやって来ましたが、厳しい現実にぶつかりました。ラッツォも成功とはほど遠く皆から虐げられ、その日暮らしの生活をしていました。それでも二人は出会い親友となる事が出来ました。冷たい都会の中、手に入れるのが難しいのは成功よりも本物の友人かもしれません。二人はそれを手にする事が出来たのです。バスのシーンでラッツォが漏らしてしまい、ジョーが冗談を言って慰めるシーンなどは二人と一緒に泣き笑いをしてしまいそうでした。そしてラストの他人事の乗客たちの冷たい視線に囲まれ、死んでしまったラッツォの肩をしっかりと抱くジョーと、その時に流れた音楽がとても印象的でした。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-04-19 18:45:39) |
14.《ネタバレ》 私にとっての涙腺直撃のシーンはなんと言ってもラッツォの死ではなく、その前のジョーがアロハシャツに着替える為にカウボーイの衣装をゴミ箱へポィッ。たまんね~。ホフマンよりもそれを受けるボイドの方が上手いと思ったのは私だけ? 【Nbu2】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-04-15 02:07:54) |
13.この映画を見た後、ダスティホフマンの出てる映画を全て見た。 最高の演技してる。そういや、筋少のサボテンとバントラインを聴いてこの映画を見た。 【Vanilla】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-02-18 20:01:22) |
12.《ネタバレ》 せっかく友達になれたのに... 【よしふみ】さん [映画館(吹替)] 9点(2005-12-04 14:34:10) |
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11.《ネタバレ》 真夜中にかなり眠気にやられそうだったのだが見始めたらいっきに見てしまった。 すっきり判り易く良かった。ボイドとホフマンの演技はすごく良く、ホフマンはちょっと臭い演技があんまり好きじゃないとこもあるんだけど、ボイドは地でこういう人なんじゃないの?と思わせるくらい自然だった。アンジェリーナがかなり父親似である事も判ったし(笑)。ラストは結果惨めに見えるかも知れないけど、ニルソンの歌のように何故か明るく感じる。それはラッツォがどーしようも無い人生の最後でジョーに出会い夢であったフロリダへ連れてってもらう事が幸福であると感じたのでは?と思うから。底抜けに素直なジョーを騙したラッツォが文無しになったジョーを助けたのは、過去の自分(転落の人生)を見る思いや綺麗に着飾ったジョーが次第に身なりも心も汚れてゆく事が嫌だったのだと僕は思いました。これはこの作品の随所に出てくる性的な部分が無い同性愛だと感じる。パーティーで誘われて女の住まいで役に立たなかったのは、会場を出る時にラッツォが病気のせいで階段を転げ落ちたのを気持ち的に引きずっていたせいで、女にゲイ?けしかけに反応したのも過去のトラウマとラッツォに対する気持ち的な部分の自己否定と読みます。ラストのバスのシーンでラッツォがもらしてしまったのを気にさせまいとちょっと早めのトイレ休憩しやがってとジョークを言うジョーに感動してしまった。ただ、ラッツォをフロリダに行かせる為に、ホモ親父を痛めつける(殺す?)シーンは余計だと感じた。ここまでのジョーの性格からはしないだろう?と思わせるからだ。その分-1点です。 【森のpoohさん】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-11-05 08:02:17) |
10.ニューシネマの傑作。若者がマスコミの垂れ流すコマーシャルに踊らされることへの警告であり、物質至上主義に偏るアメリカ社会への強烈な皮肉。途中、日本の映像を挿入し、日本社会にも同様の嘲笑の眼差しが向けられていることを恥ずかしく思う。金持ちで、流行の最先端を気取ったステレオタイプのスノッブしか生き残れない社会。こんなに魅力的で可愛い若者が、その実こんな醜悪で頭のおかしい連中に抹殺されてしまうという悲痛なメッセージは、私に、どんなに物質的に恵まれなくとも、自分のスタイルと夢を捨てず、魅力のない肉体を宝石で飾り立てるような滑稽な婆あにだけはなるな、と教えてくれた。この作品は若者に、狡く立ち回って生き残る術を教えている作品では決してないと思う。自分らしく生きられないなら死んだほうがまし、そんな皮肉なメッセージが込められた衝撃作だ。 【ちか】さん 9点(2004-06-21 11:53:05) (良:2票) |
9.アメリカン・ニュー・シネマの中では最も心の痛いところにきた映画。ジョン・ボイトは一世一代の演技をしていると思う。 【ヒックス111】さん 9点(2004-03-27 19:30:33) |
8.“東京へ行けば刺激的な出会い(要はやらせてくれる女)が待っているんだ”と信じて上京し、あてもなく深夜の歌舞伎町を彷徨った山出しのバカ者(オレのことだよ)にとっては身につまされる作品。そんなことをしていても寄ってくるのは、同性愛者の方々と宗教の勧誘というところまで一緒。よくこんな地味な題材を退屈させずに描けるものだ。しかし田舎者が都会に持つ幻想は毛唐も変わらないのだなぁ・・シミジミ 【皮マン】さん 9点(2004-02-24 18:55:02) (良:1票) |
7.孤独な二人の若者の友情と愛を描きつつも、彼等の夢と希望ははかなくも消え去るという物語りで、思い出すたびに胸が締め付けられる。ニューヨークという大都会で、金持ちの婦人を相手に金を稼ぐというジョー(ジョン・ヴォイト)のセコい発想には笑えるが、世間知らずもいいところ。田舎出の若者がありつける仕事といえば、皿洗いぐらいがせきの山。おおよそ大都会で、最底辺から這い上がるというのは並み大抵のことではない。ややもすると病院にも行けないという極貧層から抜け出せず、ラッツオ(ダスティン・ホフマン)の光り輝くマイアミ目前でのラストは余りにも悲し過ぎる。ニルソンの主題歌「噂の男」が空しく響く…。切ない青春ドラマの名作です。 【光りやまねこ】さん 9点(2004-02-05 10:58:11) |
6.「えぶりばでぃ~とーきんあばうと~」で始まるニルソンの「噂の男」とBGMのハーモニカのソロが良いですね。すっごく。都会の片隅で肩を寄せ合って暮らす2人の男の姿に涙がちょちょぎれそうになりました。 【くるみぱぱ】さん 9点(2003-08-13 21:48:16) |
5.とてもアメリカンニューシネマらしい作品だと思いました。寒さと陰鬱さを表わす冬の都会と、ラッツォが想像してる望み通りの暖かい楽園のフロリダ。この対比で二人の中にある挫折や孤独、ごまかしや逃避がいっそう鮮やかに伝わってきたように感じました。想像の中のフロリダで、いつも一人で楽しんでたラッツォが、いつしか二人で楽しそうにはしゃぐようになっていく。暖かなフロリダは、本当はすぐ近くにあったのかもしれないと思えてなりません。皮肉っぽいほど淡々とした曲調のテーマがいつまでも耳について離れません。どうしよう。 【ロバちゃん】さん 9点(2003-06-03 15:25:55) |
4.せつない。せつないよ。退廃した都市の中で、いつのまにか芽生えた友情。何度も彼らは夢を見る。暖かいマイアミで走り回る夢。椰子の木模様のシャツを買ってきて、「これが最後の1枚だったんだよ」と、バスの中で渡すシーンにじーんとしました。ほんの小さな思いやりだけれども、そのさりげなさが。 【あでりー】さん 9点(2003-04-14 20:47:55) |
3.かなり、衝撃的な傑作。社会の底辺を生きる男2人の友情、みなぎる孤独とやるせなさ。アメリカン ニュー シネマというものはすばらしいと感じた一作。 【本間】さん 9点(2002-11-12 19:08:42) |
2.寒風吹き荒ぶ中、やや背を丸め、脚を引きずりながら歩くラッツォの姿が忘れられない。 【mic550】さん 9点(2002-10-20 23:16:52) |