11.《ネタバレ》 ナチスのホロコーストというと、ユダヤ人の悲劇が思い浮かぶ。だが、この作品では、ポーランド人でホロコーストの標的にされながら、何とか生き延びた女性が主人公であり、その生死の分かれ目を決めた「選択」とは何であったのかという回想を通して、ナチスの非人道性、異常性を浮き彫りにする。回想と現在とでソフィー役のメリル・ストリープの容貌が別人のように異なるのには全くたまげてしまう。 だが、どうしてもそれ以上に脳裏に焼き付いてしまうのが精神障害をもつネイサンの存在である。逆上した時も平常心の時も、ひたすらケヴィン・クラインが怖すぎる。この作品で初のオスカーを獲ったストリープといえども、正直言って、クラインとの絡みでは刺身のツマになってしまうほどのインパクトが彼にあるので、これは演出のさじ加減が間違ったというべきか。 深々と胸に刺さる、素晴らしいヒューマン・ドラマであるのは確かであるが、どうしても拭えない疑問がある。それは、あれほどの過酷な「選択」を経て自らの命を守った彼女が、なぜさんざん振り回されてきたネイサンと添い遂げることを最後の「選択」にしたのか。いよいよ発狂した彼に殺されるという恐怖のなか、何度も救いの手を差し伸べてくれた好青年のスティンゴの誘いを拒んでまで、ネイサンの下に戻って仲睦まじく最期を迎えるという結末は、彼女がネイサンのどこにそこまでの魅力を感じているのかが語られないため、モヤモヤしたものが残った。いかんせんホロコーストという肝心な主題との結合性がみえない結末になった感がある。まあ、そこはまだ自分の解釈が甘いのかもしれないが。 【あやかしもどき】さん [DVD(字幕)] 9点(2020-07-21 11:00:50) |
10.《ネタバレ》 最初に見たときは、現在の妙な三角関係の描写ばかりで話が前に進まないとか、ケビン・クラインが1人で切れすぎではないかとかいろいろ拍子抜けした部分があったのですが、よく見てみたらとんでもない。あの三角関係の中にこそ、ソフィーが背負ってきたものの重さが全部に滲みまくっているということが今頃になって分かりました。ネイサンはひたすら自己中心的でコミュニケーション不全なのですが、解放後に魂を抜かれたような状態になっていたソフィーとは、きっとお互いに同じものを感じ合ったはず。そうすると、ケビンの切れ具合も必須の描写であったことが分かります。また、一気に話を飛ばすことなく、一枚一枚薄紙をめくるように明かされるソフィーの過去も、強力な現実性をもって迫ってきます(「嘘をつきすぎてどれが本当か分からなくなった」というソフィーのさりげない一言が重い)。これこそが人間ドラマの描写です。 【Olias】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2014-09-27 01:24:44) (良:1票) |
9.ソフィーのいろいろな選択肢をみたスティンゴ、ともに歩もうとしたスティンゴとネイサン。3人のバランスとソフィーの苦悩、ネイサンの陰鬱、とてもよく描かれていて意外性もあって、メッセージも強かったです。心に残る映画になったと思います。「アリー」に登場していた弁護士役の「チビクッキー」がこんなところで活躍していたのは知りませんでした。 【HRM36】さん [地上波(吹替)] 9点(2010-02-10 17:03:30) |
8.モノクロの選択シーンはほんとにあんまりです、、。 いずれにせよ一生苦しむ、でも、私も同じように選ぶと思う。私の友人は、辛いので二度と見たくない作品と言っていた。「永遠に美しく・・」と「デーヴ」の二人や、って自分に言い聞かしても、やっぱり泣いてしまう。//オスカー当たり前でしょ、って言ってるような物凄い演技。「英語が一番難しいの」というシーンがほっとできる。訛ってて、スリムで、金髪に濃い化粧、ちょっと違和感あるけど、このメリル・ストリープめっちゃ好きやねん。//【ソフィーの洗濯物】さん、いいHNですねえ、感激。 【かーすけ】さん 9点(2004-01-31 00:48:38) |
7.この世の中にこれほどの絶望の生があろうか。彼女には狂気という逃げ場さえも奪われているのだ。生きるということを決定的に引き裂かれ、それでも生きていかなければならない、それほどの地獄があるということに、僕らはただ息をのみ、言葉を失うしかない。 彼女はそれでも「不在」の神に祈りを捧げるのだろうか。「不在」の神とは、常に「沈黙」する神。「カラマーゾフの兄弟」でイワンが切々と訴える「永久調和の世界が将来達成されたとしても、それが何であるかを理解しえずに涙を流したまま死んでいった子供がいる以上、到底承認することができない」神でもある。もし、祈り続けられる勇気があったのなら、本当に狂気から目をそらさずにいられるのだろうか。 【onomichi】さん 9点(2003-11-11 19:51:44) (良:1票) |
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6.悲しすぎて唖然としました。声も出ませんでした。2回目もずっと緊張しっぱなしでした。もう見たくない、という気持ちと、もっと細部まで見たい、見るべきだという気持ちが入り混じってます。 【A_sui】さん 9点(2003-09-29 15:01:43) |
5.<ネタバレあり>メリル・ストリープもすごいけど、ケビン・クラインの演技に圧倒された。戦争によって愛する人を全て失った人にとって、狂人だろうと愛した人にまた取り残されることが死ぬより辛いだろうな~。 【ヨシオ】さん 9点(2002-11-15 00:33:56) |
4.メリル・ストリープのほとんど涙目のシーンばかりを、演技力の素晴らしいところをじっくり魅せている。ユダヤ人迫害の歴史は永遠に人々の心に在る。ソフィーの選択:つらい過去を背負って生きた女性が最後に選択した亡くなり方だった。なーるほど・・う~ん! 【Ueko・f★】さん 9点(2002-07-12 21:15:20) |
3.あれほど衝撃的な映画は見た事がない。メリルの演技は凄い 【zhivago】さん 9点(2001-06-08 20:11:02) |
2.よい映画です あまり難しくないところがとてもよい 【らこ助】さん 9点(2001-05-02 23:30:43) |
1.かなり前に見た作品ですが、とっても鮮明に記憶に残る映画です。 |