1.《ネタバレ》 最期の近い親父が見せる、親父なりの美学。そして平行して映される、他の登場人物達の苦い横顔。命懸けで這いつくばってもがいても、思い通りに行かない人生の妙をまざまざと見せつけられる。途中、ウスバルのバックに並んで写るサグラダ・ファミリアと近代的ビル。美しいものも裏の隠れた部分も全て、ありのままのバルセロナを見ろと言わんばかりの光景だった。ひとつひとつのシーンが妙にしつこく、その結果2時間半という長い物語になってしまったけれど、ハビエル・バルデムの力投はそれを補ってあまりあるものだった。