6.かわぐちかいじと安彦良和が対談していた時に、かわぐちかいじが推していた戦争映画だったので、鑑賞。 うーむ。私にとって「西部戦線異状なし」と「きけわだつみのこえ」に並ぶ、戦争映画の傑作でした。 蛇足ですが、故事の「尾生の信」を思い出しながら鑑賞していました。誰も溺死はしていませんが。 【aksweet】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-07-23 01:43:30) |
5.《ネタバレ》 前半は戦時中とはいえ比較的のどかな、田舎の町で暮らしている高校生たちの日常を描いている。好意を寄せている同級生との淡い恋愛や親子の葛藤など、また戦争に送り出す親や教師の苦しみもどの国も同じなんだな。周囲の大人の心配をよそに戦争に憧れ英雄になろうとする若者たち。これも戦時中、この若者たちと同年代だった知り合いの爺さんの話とそっくりだ。後半は、自ら望んで参加したものの戦争の現実に直面する主人公たち。仲間に臆病者と罵られたため勇気を示そうとして犬死するもの、恐怖のあまり失禁するものなど。殺される米兵も人間臭く描かれていた。戦争に駆りだされる若者に善も悪もない。ヨーロッパの戦争映画をもっと見たくなる秀作だ。展開もサクサクなので、あっという間に見れるのもよかった。 【パオ吉】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-08-07 03:16:04) |
4.《ネタバレ》 戦争を知らない子供が戦場に立つとこうなるんですね。ジギとカールの死の形相がとても恐ろしく、そこには名誉の戦死なんてものは存在しない、ただの犬死にという渇いた恐怖を覚えました。武器の扱い方すら間違える子供たちが、敵兵というよりも大人を相手に戦う。彼らは橋を守るという任務(その背景を知らないで)を果たすことに、執心する。この間、「お金があれば何でも買える」さんと「最初はグー、さいとうけん」さんの関係について、「お金で魂を売っているのは自分じゃないですか」さんが、功名心からの勇み足で、その世界からいなくなりました。それと同じように子供だからこそ、大人に認めてもらいたいという功名心がある。終盤の派手な銃撃・爆撃で、大人ですら尻尾を巻いて逃げるなかで彼らは…?という視点で初見したのが良かったのだと思います。自分の中では、戦争映画ベスト5に入っている映画です。 |
3.戦争というものを見事に見せている映画。圧倒的な虚無感からはワイダの地下水道以上の恐怖を与えられた。 【マイアミバイス】さん [地上波(字幕)] 9点(2005-04-29 23:58:52) |
2.少年達は愛国心と責任感から生まれ育った愛する家族のいる町のため、米軍の攻撃から懸命に橋を守り抜こうとする。子供扱いされるのを嫌い、早く祖国のため役立つ人間になりたいと願う。ましてや男子たるもの腰抜けの卑怯者だけにはなりたくない。愛国心を煽るプロパガンダ教育も行われたと思うが、当時少年達がこのような考え方を持つのはごく自然であったと思われる。しかし戦場では壮絶な殺し合いが繰り広げられ、敵味方のそのほとんどが即死か苦しみ悶えて死んでいく。周りの大人達は誰もこんな事は教えてくれないのだ。ところで、この作品での戦闘シーンは独特の色彩を放つ。とくに、重い金属音を響かせ米軍戦車が現われるまでの緊張感は特筆もので、後の「プライベート・ライアン」でも利用されるほど。また、敵である米兵が少年達に「戦争は遊びじゃない」と叱りとばすシーンも印象的だ。戦場を実際に体験した時にはもはや手後れで、死ぬか生き残るかの二つにひとつ。地獄を体験するには余りにも幼すぎた。ただ泣きじゃくりながら母のいる町へと歩いてゆく少年の姿が、戦争の悲劇性を切々と訴えている。名作です。 【光りやまねこ】さん 9点(2004-07-29 10:25:10) (良:1票) |
1.まだ戦争ごっこに憧れてるような高校生が、意気込んで本物の戦争に参加し、その恐ろしさを初めて知って遊びじゃないと、恐怖に震えながら巻き込まれて死んでいく。戦争の生々しさをこれほど現実的に教えてくれる映画も珍しい。ドイツ映画だけど戦時下の庶民の生活は驚くほど日本のそれとも似ている。生活用品は不足し、戦いに怯え、子供を戦争にかり出される悲しみや恐れ、教師は子供に戦争参加をあおり立てる。ただ一度、テレビ放送で見ただけなのに戦争の愚かさ、むなしさ、悲しさがこれほど強烈な印象で記憶に残ったのも少ない。 【キリコ】さん 9点(2003-10-05 14:09:56) (良:2票) |