1.講談の赤穂義士銘々伝でも有名な「赤垣源蔵徳利の別れ」、「南部坂雪の別れ」、「岡野金右衛門恋の絵図面取り」等々の泣けるエピソード満載の忠臣蔵で、毎年、年末はこの映画を見返します。
史実ではない部分も多いですが、抑えた演技に適度に盛られたデコレーションが花を添え、ザッハトルテに甘くない生クリームを添えたような絶妙さで、忠臣蔵映画の決定版といえる仕上がりになっています。
俳優陣も、上品な色気のある長谷川一夫さん、冷めた色気をたたえた市川雷蔵さん、やんちゃで色気がある頃の勝新太郎さん、少しギラギラしている鶴田浩二さんと充実しています。
特に長谷川一夫さんの大石内蔵助は、上品さ、色気、知性のいずれをとっても、他の追従を許しません。