1.《ネタバレ》 安保などをめぐる政治の季節の敗残兵世代に、60年代後半の新しい世代が対置される。当時この映画の宣伝の文脈で、荒木一郎が共演の「新感覚の」若者たちと共に「スター千一夜」でじゃれ合っていた。このインタビュー番組の「コミュニケーション」にろくに応じず、じゃれ合っていた、大人の理解をまったく超えた新しき存在として。それがなんともかっこ良かったのである。この映画が原点なのである、私の場合。ところで、大島渚の不幸な点は、この映画でも露呈したような、今やジェンダー論的に生き残れないような女性観にある。同じ松竹ヌーヴェルヴァーグでも吉田喜重とそこが違う。