6.ものすごっっっく面白かった!
数多くの大絶賛も納得の、笑えて泣ける素晴らしい青春映画でした。
本作では2つの物語の機軸があります。
ひとつは2人の男が印象深い親友であった「ランチョー」を探す現在の物語。
もうひとつは過去の工科大学での思い出を綴る物語です。
この2つが巧みに絡み合い、爽快感あふれるストーリーが築かれています。
そして本作はインドという国が抱えている深刻な問題も描いているのです。
インドは「数字に強い国」とされており、IT業界への進出もめざましく、日本にも多くのインド人の技術者が働いています。
しかし優秀な人材がいる一方、競争社会になっているために若くして自殺をする人も多くなっているのです。
(最近のインドの教育はとても発展しているのですが)
本作ではエンジニアになるべく工科大学で勉強する学生たちが出てくるのですが、彼らが抱える悩みもとても深刻です。
そこに現れたのが、名前から風変わりな男「ランチョー」です。
彼は物怖じせず教授に意見をたて、そして色んな人をギャフンと言わせます。
学校というものは村社会で、学生側は文句があっても我が身かわいさに意見をおおっぴらに言えないところもあります。
しかしランチョーはそうではありません。これがなんとも痛快なのです。
またこの映画は「喜怒哀楽」がとても早く切り替わる映画です。
楽しいシーンの次でとても悲しいシーンが出てきたり、深刻でせっぱ詰まっているシーンでも笑いを入れたりします。
観客をひとつの感情に縛り付けず、感情をとても刺激してくれるのです。
青春物語だけでなく、恋愛やミステリー要素も上手く機能しています。
膨大に積み重ねた伏線を無理なく回収してくれるのもたまらない!
あえて問題点をあげるなら、女性にとって眉をしかめるであろう「単語」で笑いをとるシーンがあることでしょうか。
これも終盤の伏線になっているのですが、もう少し工夫してもよかったかな?と思ってしまいます。
あとは主人公たちは結構悪いこともするので、その辺でも気に入らない方が多いかもしれません。
ここまで「観て良かった」と万人が思える映画はなかなかありません。
上映時間の長さなんて、全く気にならなくなるはずです。
本国インドでの公開からまるまる4年、日本でこの映画が公開されたことがうれしくて仕方がありません。