1.《ネタバレ》 ベルトリッチと言えば、自分的には「空っぽ」人間を扱った監督ということで納得している。この映画はまさに空っぽ人間誕生のようなテーマだ。叔母と甥の、年上女性と大人になりきれない青年のラブストーリーである。さすがイタリア!首相がスキャンダルを起こすくらいの恋の国なんでしょう。実に成熟した恋愛映画を、もうこの時点で誕生させてる。カラーの白黒映画で、映像もきれいし、ベルトリッチお得意の音楽も実に小気味いい。生意気なことを言う青年に好意をもった叔母さんは、愛してしまうが、その生意気さは師匠の言ってることそのままだった。叔母さんはそれが分かった後、取り乱してしまう。そして青年の前から消えるのだったが、青年は結局、大人になりきれず、別の女性と結婚式をあげる。師匠は結婚式に出ないのだが、この青年は結局、結婚しちゃう。そしてベルトリッチと言えば、空っぽ人間で、その誕生までが描かれるのだ。叔母さんと書いたが、実に美しい女優が演じていて、見とれてしまう。ベルトリッチの映画はDVDを買わずにはおれないのだ!