1.動物たちのアニメーションにはデフォルメされながらも実際の動きを再現したような圧倒的なリアリティがあります。しかしこの映画の魅力は単に技術的な達成だけではありません。この映画は生き物が生まれ成長し死んでいく様を美しい四季の光景と共に描き切っています。温かいまなざしと容赦のない厳しさ、両方の目線がここにはあります。ディズニークラシック作品の中でその物語内容が最も古びてない作品と言えます。近年ディズニーは過去悪役を割り当てられたキャラクターを別視点から語り直す作品を何本も作っていますが、この作品にはその必要がありません。なぜなら悪役は人間そのものであり、その時点でこの映画は既存の価値観を揺さぶるものであり続けるからです。実はディズニーの作品の中で最も大人向けの作品なのかもしれません。