1.スピルバーグがディズニーの向こうを張ってアニメに挑んだ野心作か?と思ったが,製作・監督のドン・ブルースは,以前ディズニーのアシスタント・アニメーターを長くつとめた人だけに,近年のディズニーのアニメーション作品より余程リアルで色彩的にも落ち着いた印象を受ける。内容は,19世紀末にロシアからアメリカを目指したネズミの一家が嵐で親子離ればなれになり,流れ着いたアメリカでようやく・・・,という目新しいものではないが,「愛と勇気」という陳腐(失礼!子ども向きだから良いのですね)なモチーフを最大限に使って,とても上質なファンタジーに仕上げている。家族で楽しめることうけあいである。曲はジェームス・ホーナーだけに素晴らしく,ボーカルにジェームズ・イングラムとリンダ・ロンシュタットという大物を配しているあたり,気合いが感じられる。特にエンド・クレジットは素晴らしい。