細雪(1983)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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細雪(1983)

[ササメユキ]
The Makioka Sisters
1983年上映時間:140分
平均点:7.16 / 10(Review 37人) (点数分布表示)
公開開始日(1983-05-21)
ドラマ小説の映画化
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タイトル情報更新(2023-06-29)【イニシャルK】さん
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監督市川崑
助監督吉田一夫
手塚昌明
演出頭師孝雄(方言指導)
キャスト岸恵子(女優)蒔岡鶴子(特別出演)
佐久間良子(女優)蒔岡幸子
吉永小百合(女優)蒔岡雪子
古手川祐子(女優)蒔岡妙子
伊丹十三(男優)辰雄
石坂浩二(男優)貞之助
岸部一徳(男優)板倉
桂小米朝(三代目)(男優)奥畑
江本孟紀(男優)東谷
小林昭二(男優)陳馬仙太郎
辻萬長(男優)三好
常田富士男(男優)五十嵐
浜村純(男優)音吉
小坂一也(男優)野村
横山道代(女優)井谷
三宅邦子(女優)富永の叔母
細川俊之(男優)橋寺
三條美紀(女優)お久
仙道敦子(女優)橋寺の娘
根岸明美(女優)下妻夫人
橋爪淳(男優)新兵
頭師孝雄(男優)音吉の息子
上原ゆかり(女優)お春
白石加代子(女優)酒亭の内儀
原作谷崎潤一郎「細雪」
脚本日高真也
市川崑
和田夏十(ノンクレジット)
音楽大川新之助
渡辺俊幸
作曲ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル歌劇『セルセ』より「オンブラ・マイ・フ」
撮影長谷川清
製作田中友幸
市川崑
高井英幸(製作補)
東宝映画
企画馬場和夫
配給東宝
美術村木忍
衣装三松(衣裳協力)
編集長田千鶴子
南とめ(ネガ編集)
録音大橋鉄矢
照明佐藤幸次郎
その他IMAGICA(現像)
土屋テル子(記録)
あらすじ
1930年代の大阪。両親を亡くした蒔岡家の四人姉妹には傾きかけた老舗の廻船問屋が託されていた。長女鶴子の養子の夫は商売を建て直し、次女幸子は百貨店の販売部長と結婚し、後は三女雪子と四女妙子の嫁ぎ先を決めるばかりだったが、内気で気難しい雪子は見合いを重ね、妙子は男友達の間を奔放に渡り歩く。そんな時、銀行員である鶴子の夫が東京転勤を命じられ、雪子の相手探しと妙子の恋の後始末における幸子夫妻の責任が重くなる。谷崎潤一郎が戦前の大阪商人の社会に平安朝のみやびを見出して書いた小説を映画化した作品。
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4.市川崑は「女たちの帝国」とでも呼ぶしかない世界を好んで描いてきた。それの大映時代の代表作を『ぼんち』とするなら、東宝時代がこの『細雪』だろう。大映時代には『黒い十人の女』もあるし、東宝時代の『犬神家の一族』もその系譜だけどね。じゃれあう姉妹たちで閉じられた世界、夫たちも足を踏み入れられない聖域。雪子が溺愛するのも甥ではなく姪であり、女の血の流れだけで守られた上品な淫蕩さが支配する結界だ。この宇宙が崩壊していく物語なんだけど(いや、散り散りになっても決して崩壊しないという物語なのか)、あからさまな腐臭はたたせない。啓ぼんでさえ、変な言い方だが実に趣味よくすさんでいく。雪子の見合いの相手はどんどん落ちていき、妙子の相手の質も悪くなっていくのだが、そのことが蒔岡姉妹を汚せない、雪子の高貴さを高めるばかり。こういう不可思議な帝国を観客に納得させるのは、女優たちの力で、佐久間良子の三枚目ぎりぎりの「愛すべき人物」ぶりなんかが実にいい。最初キャスティングが発表になったとき、吉永小百合の雪子は違うだろ、と思ったが(現実の女優が雪子を演じるということ自体無理な話なのではあるが)、観てみると、なんか納得できる出来になっている。下手に雪子らしさを強調するとオカルト娘っぽくなっちゃうし、何も演じなければただの愚図になってしまう、その程度が良い。鮎男との見合いのあとフェイドアウトになるときの曖昧な表情。たしかに軽蔑があって、それを隠してもいないのだけど、棘がないというか、相手に向かっていない。相手にマゾヒスティックな悦びを与えてあげているような表情。蒔岡姉妹とはつまりこういう表情を作れる人なんだ、と得心させられる。「細雪」という作品の本質が一瞬であらわになった場面だった。「女性映画」と並んで崑で優れているのが「無内容な純粋娯楽作品」だと思ってるんだけど、それの大映時代の代表作が『雪之丞変化』、東宝時代の代表作が「金田一もの」。そういう私にとって、本作で「本家」とか「分家」とかの活字を画面に目にすると、あのシリーズを思い出しホロッとしたものでした。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 9点(2012-08-01 09:58:38)
3.《ネタバレ》 観終わった後もしばらくウットリしてしまう世界観。映像の美しさも勿論やけど、女優陣の京都弁も艶やか。季節が春から冬へと移り変わり、全く違った趣を見せるように、時代も刻々と変化し続け、家柄とか、女性の人生観とかの価値観も変わっていく。妙子のように自由に恋愛して、自分らしさを追及する生き方も素晴らしい。でも、雪子のように慎ましやかで奥ゆかしく、それ故、何考えてんのか分からんような所がありつつも、物事の本質をしっかり見抜いて自分の人生を選んできた古き日本女性達への賛美もまた感じた。あと、石坂浩二は本当に難しい役どころを見事に演じていたと思う。桜の花はマジで綺麗やったな。こんな桜初めて見たかも。まさに乱れ咲き。
ハッシーふりかけさん [ビデオ(邦画)] 9点(2006-04-17 16:04:32)
2.《ネタバレ》 いやーよかった。大阪弁でおっとりした吉永小百合も石坂浩二も。皆さりげない演技で心地がいい。そして失われてしまった日本らしさがこの映画の中にはある。人も家も服も道具も変わったいまの日本の良さって何があるんやろ。ふと自分の部屋を見渡して情緒の欠片も見つからないことに驚いてしまう。とまぁ危うく懐古主義に陥ってしまうぐらいの作品。全編通じてユーモアのセンスも良く、色使いもなかなか。作品としては140分で一段落ついたものの、昭和13年というとこれから戦争が激化するわけで、観終わった後になんともいえない哀しさが残る。唯一、最後の雪はもっと綺麗に撮ってほしかったけど
stroheimさん [ビデオ(邦画)] 9点(2006-04-15 13:17:49)
1.日本人の美意識を四季の移ろいに重ね合わせ、これほどまで美しく映像に焼き付けた作品を僕は他に知らない。吉永小百合がふわふわしたとらえどころのない三女雪子を的確に演じて極めて魅力的。妹(古手川)に足の爪を切らせていた彼女が、突然の義兄(石坂浩二)の来訪に着物の裾を直すシーンが妙に艶っぽい。岸・佐久間は流石の貫禄。伊丹十三も小心物のキャラクターを巧く演じてみせてくれる。第二次大戦開戦前夜の、忍び寄る戦争の影をところどころに点出させているきめ細かい演出も見逃せない。
放浪紳士チャーリーさん 9点(2004-10-11 11:36:41)
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【点数情報】

Review人数 37人
平均点数 7.16点
000.00%
112.70%
200.00%
300.00%
412.70%
525.41%
6616.22%
71232.43%
8821.62%
9410.81%
1038.11%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 7.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 9.00点 Review2人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 Review0人
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