1.《ネタバレ》 NYのブロードウェイで見て圧倒されえらく感動し、それからサントラも買ってこれまで何度も日常的に聞いている者ですが、この映画版は原作に忠実でなかなか良い出来だと思った。まず10年経って、若者役をやるにはそれなりに年を重ねたオリジナルキャストをあえて再結成させた心意気がいい。私がNYで見た舞台は既にキャストが入れ替わっているわけであるが、原作者のジョナサン・ラーソンの公開前日の死という衝撃がこのミュージカルを伝説にしたのであって、やはりその衝撃をリアルに味わって舞台に立ったオリジナルキャストはこの作品への思い入れも格別のはず。その人達が映画に出てくれたのはとても感激だし、集めたスタッフのこのミュージカルへの思い入れも感じるわけです。映画ならではの良さはやはり実際のNYで撮影することで妙に雰囲気やリアリティが出てたことで、これは終始同じ背景の舞台では出せない味だったと思う。細かいことを言うと、ロジャーが屋上で「ONE SONG GLORY」と唄う場面は普通に「たった一曲でいい 栄光を」の字幕で良かったと思う。この歌が36歳まで皿洗いバイトの貧しい生活を続けながらレントを書き続け、栄光を目前に死去したJ.ラーソンへの想いとリンクする場面で、「たった一曲でいいんだ」という渇望の思いを出してほしかった。また「GOODBYE LOVE」の場面がはしょられてた気がするが、個人的に好きなんで見たかった。でも映画でも歌はさすがだったし、「THERE IS NO FUTURE,THERE IS NO PAST」の若者達と熱い想いというのはこの映画版でもよく伝わった。J.ラーソンもイーストビレッジで家賃を滞納していたのだろうか。またNY行きたくなった。