1.《ネタバレ》 こんなに幸福なラブシーンがあるだろうか。女の子がなりたいものは「お嫁さん」という気持ちもわかる。かつては、こんな幸せな映画があったのだから。今は2時間の映画の中で女性と男性が出会って、すぐラブシーンなんかあるから、何か薄っぺら~いもののように感じられて、性の解放なんて叫ばれたが、やはり人生は二人の男女が共にお互いを大事に思い、その愛の結実として、二人が抱き合う、そういうものではないか。結婚が何かつまらないことのように感じられて、少子化である今、このような映画こそ、創られるべきではないか。というより、熊井啓監督は飽きさせない展開で、この純愛を描いた。が、男女の恋愛というのは、本当飽きさせない展開で、若者は映画なんか観てるより、お互い大事に思える異性を探すべく、「旅」に出るべきだ!などと思ってしまった。社会派の熊井監督は、この男女の背景に当時の社会的状況を置いて、この映画を描いたが、本当は男女の愛とはこうあるべきだというテーマこそ描きたかったのではないか?この映画を観て、夜、レンタル屋に返しに行く町の風景が、東京から故郷へ帰る夜汽車から見えた地方の町の風景と同じように感じられた。