1.成瀬初の時代劇、チャンバラもあり、なんですが、時代劇ってより「歌行燈」や「鶴八鶴次郎」あたりの芸道もののライン。というのも、この二本同様、音の演出がかっちょいい。■クライマックスの弓勝負で、当たると太鼓がどん、はずれると鐘がカン、タイムアップにはお寺の鐘がゴ~ン、という音、それを離れた場所で聞いている田中絹代、って演出が実に盛り上がります。というかそれしか覚えてなかったりもするんだけど。■この演出もそうだし、田中春男が脇でうろうろしてたり、脚本が小国英男だったりするんで、なんとなくマキノっぽい感じもする成瀬巳喜男作品。普通に面白いよ。