1.タワーリングインフェルノから何年待っただろうか。映画雑誌で次々と発表される待望の次回作。しかし、それらはことごとくボツになっていった。そのなかで”民衆の敵””トムホ-ン”が公開された。マックイーンファンですから、新作公開だけでも十分満足なのだが、何か引っ掛かる。そう、ハリウッドの大スター、マックイーン主演の超大作の数々を期待してしまったのだ。ハンターは前の2作に同様、小ぶりの作品だ。しかし、これがマックイーンが手がけた最後の作品なのだ。パピヨンより痛々しいマックイーンの姿。明らかに自分の(死)を予感したその物語。ジョッシュランダルではない現代の賞金稼ぎ。マックイーンは一度も役を演じていたことはないと思う。常に彼は自分自身を演じているように見えた。しかし、スクリーン上の彼はいつも間違いがなかった。全てが正しい。大画面を圧倒していた。あとせめて10年、彼の出演映画が観たかった。スチーブマックイーンよりすばらしい映画俳優を見たことがない。これからも決して現れることはない。マックイーンという俳優は、私の大好きなアンソニクイン、ロイシャイダー、ボガート、三船、志村喬、田宮二郎、植木、伊丹十三、のいいところをすべて兼ね備えている。大体、青年期を塀の中でくらし、海兵隊あがりで、銃器とクルマとバイクをいじれる俳優なんて、世界中にマックイーン以外に誰一人として存在しない。ただ、残念ながらハンターのマックイーンは、全くすばらしくない。わたしは、年をとって病弱した姿のマックイーンを取らない。さらば!テレンスステファンマクイーンの遺作だから10点!! 追加!昔東京12チャンなどでやっていた”!はんたーあーーーー!!!!!”のCMもよろしく!(レコードが崩れるやつ)