2.《ネタバレ》 とても切なくて感動しました。一人の男の青春を1時間で見た気分です。親の都合で引き離された二人の『距離』と大人になるまでの『時間』を上手に表現した美しい映画でした。
あの雪の日、二人の気持は確かに一つになれたんだと思います。言葉を交わさなくても二人の気持は同じだった。ただ、お互いに手紙を渡せなかった事を除けば・・・。
この手紙の渡し損ねが後々の文通の減少に繋がっていたのかもしれません。初めはやり取りできていた手紙も、いつしか回数が減り、次第にポストの中を確認するだけになり、
最後にはポストを眺めるだけになってしまった。
女と別れたあの日、夢と希望を持った少年は他の男の子達よりもきっと少し大人びて見えたはずです。そんな彼を見続けた2話も素晴らしかった。1話の冬のストーリーとは
一変して夏の、のどかな風景も見れました。
男は初恋の思いをずっと引きずったまま大人になります。いつか、どこかで出会ったときに恥ずかしくない大人で居たいから。大人になる事が男の希望だったのでしょう。
だが、そんな奇跡は現実で起こる事は無い。男は何を目指して頑張って行くのか。大人になり、現実を知り、限界を悟る。
多くを語らないから余計に考えさせられる。初恋や青春は誰しも何か思い出があるはず。
あえて総合すると男の視点で描かれている部分が多い。女はちょっと現実に居ないような純情美少女だからだ。外伝として女の視点で見た秒速5センチメートルも見たい。
昔を思い出してして目頭が熱くなった。そんな切なくて良い映画でした。