1.《ネタバレ》 3時間半近くという異例の長時間上映を長いと思わせないほどのドラマ構成力の高さがある。
長大なドラマの時間経過を巧く処理していて、その構成は完璧としかいいようがない。開始しばらくすると123便が最後の離陸をして墜落直前までの機内シーン
になるが、ここで一挙にこの映画の世界に吸い込まれてしまった。主人公演じる渡辺謙の熱演と同時に、主人公の別人格とも言える行天を演じた三浦友和の演技も良かった。
東大法学部を出ていて、選択によってはエリートコースを歩めるのに
敢えて違う選択をする生き方を肯定的に捉えられるかどうかは観る人によって様々だろう。しかし、誰もが 主人公的な選択、行天のような選択にするかを迷いながら
生きているのではないだろうか。主人公は、家族を犠牲にしている一面はあるが、
最終的に妻子との絆を失っていないことで救われている。様々な圧力や障害が
ある中、この映画の製作や上映に係わったすべての人の勇気に対して10点を付けたい。