6.《ネタバレ》 映画を見て久々に腹の底から笑わせてもらいました。フランシス・ヴェベールの監督作を見るのはこれが3本目。どれも90分足らずの短い尺の中にしっかり笑いのツボがあり、どれも本当に面白い。
本作は超がつくほどの「バカ」な善人の主人公の行動で笑わせながらも、それをバカにする男のバカさも一緒に描く。爆笑の中にも皮肉が効いています。この人はどの作品も自らが脚本も手がけていますが、本作の脚本は見事だと思います。最初から最後まで、至る所にちょっとした行動のズレがもたらす笑いドコロが見事なまでにテンポ良く配置されています。
ラストの主人公の「バカ」の思わぬ行動に、“奇人たちの晩餐会”の仕掛け人が発する「次の晩餐会では僕が客になるよ。僕こそバカだった。」という台詞がいい。バカをバカにしていた男が、本当のバカとは一体誰だったのかに気付く。
しかし、もっといいのはそのすぐ後。本作の最後の最後にかかってきた電話に・・・!やっぱりバカはこっちだったか!一瞬持ち上げておいて、でもやっぱり落して、最後もしっかり爆笑を誘います。
これ、映画館で見たかったなあ・・・。上映中は爆笑の渦だったんだろうな。僕もそこで一緒に笑いたかったな。