13.《ネタバレ》 「犬神家の一族」の大ヒットを受けて翌年に公開された横溝正史原作による金田一耕助シリーズ第2作目となる今作も前作同様、奥の深い作品に仕上がっている。単なるサスペンスではないそこにあるのは明らかに家族の物語であって、市川崑監督らしい美しい映像の世界を作り出している。シリーズ史上最も切ない上に犯人、岸恵子演じる青池リカの悲しさが身に染みる。腹違いの子をも怨んで殺すことの苦しさ、そんな青池リカが自分を愛している男、磯川警部(若山冨三郎)の前で涙ながらに自分の胸の内を苦しみながら話す場面、「夫を心底憎めたらあんなことにはならなんだ。酷い男と解ってても好きやった。忘れられまへんのや」て言う場面、それを近くで見ている磯川警部、この二人の思いが物凄く悲しくて涙なしには見れない。岸恵子の存在感ある犯人像、映画史に残る忘れられない犯人像、観れば観るほどどんどんこの作品が好きになってくる。もう、この映画の影響からか?前屈みで歩いてる老婆を見ると全部、青池リカだと思えてしまうぐらい重症です。初めて観た時の強烈さ、インパクトでは「犬神家の一族」のが上かもしれないけど、物語としての完成度、犯人への同情、刹那さ、悲しさなど含めるとこの「悪魔の手毬唄」のが総合的に見て上のような気がしてならない。最初は8点にしたけど、今では満点にしたいぐらいこの作品が大好きでたまらない。よって8点から10点へと変更します。 【青観】さん [DVD(邦画)] 10点(2006-12-31 11:49:04) (良:3票) |
12.《ネタバレ》 好き度合いは「犬神家」と甲乙つけ難いのであります。 久しぶりにDVDで鑑賞しました。 宿で待つ耕助の元へ磯川警部が訪ねてくるシーンだけで早くも泣きそうになります。 「やあ」とかけるその声と表情だけで,この二人がどれほど深い信頼関係で結ばれているかが表現されています。すばらしい演出だと思います。 横溝正史の一連の金田一シリーズに親しんだ者は「本陣」「獄門島」「八つ墓村」等の難事件で共闘した二人の久しぶりの再会という目で見てしまいますからなおさら万感胸に迫るものがあるわけです。 自転車に二人乗りしてゆるい坂を下りながら言葉を交わすシーンもたまりません。 【まきげん】さん [映画館(邦画)] 10点(2011-07-25 13:39:29) (良:1票) |
11.《ネタバレ》 子供の頃見たときはひたすら怖くて(特にお地蔵さんに血がかかるところと、人形が毬ついているところ)ストーリーはよくわからなかった。中学生のとき、もう一度見て今度はストーリーも理解できたがやっぱり怖かった。大学生で見たときは怖さはなくて普通に面白かった。そして社会人になってみたとき、こんなにも切ない話だったのかと感動した。これ、ミステリーというよりはメロドラマだったのですね。子供の頃よくわからなかったリカの心情が今はよくわかります。「悪い男とわかっていても好きやった」ですか・・・。文句なしに10点です。 【陽炎】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2007-07-28 12:55:08) (良:1票) |
10.《ネタバレ》 若山富三郎と岸恵子の演技、犯人がわかるシーンにかかる音楽、池にこだまする歌名雄の叫び(犬神家でも同じようなシーンがありましたね)、秋枯れの日本の風景、どれをとっても傑作です。 市川監督逝去直後に偶然リバイバル上映されているのを見に行くことができたのですが、映画館の大スクリーンでみるとまた感慨深いものがありました。 2016年、2度目の劇場での鑑賞。スタイリッシュな映像なのに、切ない物語。最高です。時折挿入される短い風景映像がまたスタイリッシュなんだ。それなのに無駄なカットが全くないというのはやはり市川崑はスゴい人だと思う。 【MASS】さん [映画館(邦画)] 10点(2007-01-04 17:22:27) |
9.《ネタバレ》 シリーズ中もっとも物悲しい作品。 死体の演出も相変わらず美しい。 動機もキッチリ描かれていたし、女優の演技力もあって、 充分に感情移入することができた。 まあ皆さん仰ってる通り、なんと言っても磯川警部が一番の立役者ですなぁ 【彬彬】さん [DVD(邦画)] 10点(2006-12-27 11:50:28) |
8.横溝正史の探偵小説の映像化ですが、単なる原作を映像化しただけでなく、一つの映画作品としてもかなり高い水準にあるかと思います。 うらぶれた農村、複雑な血縁関係、着物姿の金田一耕助といった、多くの人が描き、またドラマで何度も再生産されてきた横溝正史のイメージが、実はこの映画で始まっていることに気づかされます。そしてそれは、日本人にとっての原風景でもあるのです。 冬枯れした村の映像は勿論ですが、出演している人物の誰もが、謎解きのための駒ではなく、それぞれ個性を持っていることもこの作品のすばらしさの一つでしょう。特に磯川警部を演じる若山富三郎は、退職間近の老刑事の哀愁、大人のほのかな恋というものを一貫して出してくれています。 今やサスペンスドラマはテレビの二時間サスペンスを含め余りに量産されていますが、それらとは一線を画す逸品でしょう。 【とくべえ】さん [DVD(吹替)] 10点(2005-12-29 10:47:59) |
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7.金田一シリーズの中で最高傑作だと思います。市川崑の描く金田一ワールドは実にいいですね。彼の作り出す鬱蒼とした雰囲気の世界は実に恐ろしかったし、その裏に隠れた人間模様も哀しく切なく見事に描かれていました。配役陣では石坂浩二は勿論の事、岸恵子もすごく良いですが、特に若山富三郎が非常にいい味を出して演じています。磯川警部は間違いなく彼がハマリ役です。僕の中では監督は市川崑で、金田一・石坂浩二、磯川・若山富三郎、等々力・加藤武…この布陣が一番ピッタリ来ます。 【ゆうしゃ】さん 10点(2004-03-17 10:14:28) |
6.《ネタバレ》 市川崑監督を知らずに観て、虜になった作品です。 非常に美しい映像が更に殺伐とした怨念を盛り上げます。原作も読みましたが、全てにおいて大好きな作品であります。他の金田一シリーズでは犯人に同情する事はありませんでしたが、これは、泣けちゃいました。それは岸恵子と若山富三郎の演技によるところが大きいですねー。殺人を犯す動機については、僕は村と言う閉鎖的で独特の力関係で偏見に満ちた中では、秘密を守る事は死活問題であったと思います。又、自分の子供と旦那の言わば浮気相手の子供が恋仲になるのは、何にも置いても許せない事の1つであると思います。 |
5.《ネタバレ》 子供の頃、岸恵子になら殺されてもいいと思いました。 |
4.東宝の金田一シリーズの中でも、一番の出来だと思っています。音楽良し、配役良し、ロケ地さらに良し。男に惚れてしまった女の弱さや、長年女性をかげながら慕いつづける男の優しさを描いて、これは純然たる男と女の映画。娯楽作品とは、これ。これからも、定期的に何回か見てしまう作品の一つです。ちょっと誉め過ぎかな? |
3.Great movie with excellent acting. 【gigi】さん 10点(2001-09-02 14:43:30) |
2.市川=石坂コンビの金田一シリーズは最高である。中でもこの作品はNo.1 【ゆうハム】さん 10点(2001-06-14 21:49:25) |
【kkfan】さん 10点(2001-05-18 17:22:54) |