2.《ネタバレ》 夫に同情ができない。従って女性が悪女に見えない。この夫、例えば失業中ゲームに夢中、妻に暴力、挙句の果てに不倫、こんな自涜の習慣を持つ夫は当然法律で処罰されるべきです。もちろん離婚すれば問題解決ではない。女性の人生を台無しにした。やはり罪に対して罰は必要だ。しかし今の法律では夫を罰することができない。だから妻は悩んだあげくに不合法な方法で夫に罪を与えようとした。果たしてこの行為は悪なのか?それとも正当な報復なのか?非常に判断が難しいでしょう。1つ言えることは今の世の中、妻を傷つける夫が多すぎる。この真実に対する反論→「そんな男を選んだ女にも問題がある」→見事な責任転換です。こんな詭弁でなんの罪もない女性を悪女にするのですか?女性がDV夫に殺されるたびにこの詭弁が罷り通る。この作品のテーマは「怒り」です。男社会から虐げられてきた女性の声を代弁し、偉大なる「レンチシン」を持った1人の女性が、男社会に立ち向かう。監督の代表作「ドラゴンタトゥーの女」と共通しています。男社会には「女のくせに」という無意識の蔑視が存在します。ダメ夫はこう言う。「俺は女から批判されるのが一番むかつく!」これが女をモノ扱いにしてきた男の正体だ。「女のくせに」怖いな。「女のくせに」賢いな。黙れ、クソ野郎が。お前のようなクソ男が女性をいつも傷つけるのだ。お前こそ男社会の象徴だ。お前こそ無知の象徴だ、このような悪に対し、罰を与えようとした彼女の行動には正当性が感じられる。よって多くの観客は彼女に共感し、映像も艱難辛苦を乗り越え復讐を成し遂げようとする彼女に寄り添うものになっている。ストーカー男が殺されてかわいそう?それは男尊主義者の詭弁である。ではなぜ彼女は偉大なる目的を放棄し、夫の元に戻ったのか?それは夫を愛していたからだ。彼女が夫に正当な罰を与えようとした真の理由は、彼が己の罪を自覚していなかったからだ。しかし夫はその罪を認めた。その様子を食い入るようにTVで見守る彼女の表情は、まさに愛する女性の表情だった。それに対し、夫はまたしても妻を裏切る。くれぐれも世の中の夫たちは、妻に好かれていると勘違いしてはいけない。男社会が存在する以上、女たちのジハードは終わらない。男たちが女性から殺されない理由は、殺人の成功率の低さから生じる諦念によるものである。もし、確実に殺すことが可能ならばその権利はいずれ行使されるでしょう。