1.全編爆笑の連続であった。しかし公開当時からの不評は現在でも相変わらずのようだ。確かにストーリーはあってないようなものでよくわからない。豪華俳優陣も演技というよりキャメオ気取りでふざけているようにしか見えない。しかしパリコレを舞台にレポーター、カメラマン、デザイナー、その他もろもろもろもろもろもろの関係者が入り乱れて殺人事件まで絡んだ、アルトマンお得意の群像劇である。ストーリーよりも小ネタ、演技よりもセレブ観賞である。そもそもファッション業界はストーリーの舞台背景ではなくあくまで主役であり、その点で最も重要なのは気分と雰囲気である。監督のシニカルな視線とユーモアのセンスは最高に冴えている。新旧セレブ総動員で魅せる、目くるめく華やかなショーとそれ以上に熱い舞台裏は、臨場感たっぷりで超ハイテンション。まるでシャンパンの洪水を一気に飲み干すかのごとく、ゴージャスで愉快な気分に浸れることは間違いない。最優秀演技賞はやはり「キティ・ポター」ベイシンガーや、最近滅多に見られない楽しそうな笑顔を見せてくれるジュリア・ロバーツを押さえて、ところかまわず糞しまくるプードルちゃんに決定。