2.何だかよくわからんがとにかく、ここまでやってくれたらもう、10点でいいじゃないか、と思いました。
潜水艦のくだりはさておき、まず見どころは砂漠での攻防戦。すさまじい砂嵐の中で繰り広げられる銃撃戦が圧巻ですが、こんなのまだまだオープニングの一環に過ぎないよ、と。
次から次に展開されるアクションと、そこに仕込まれた意外性。ストーリー自体は、何やらしょうもない鍵の争奪戦に過ぎず、理屈もヘッタクレもない。メンドくさい設定をあれこれ映画の中で説明して失速するくらいなら、どうでもいい設定でもって一気に突っ走ってしまえ、というのが潔い。実際、ホントはどうでもいいのに、無理やりややこしそうな設定を持ち込んで尺を伸ばそうとする映画の何と多いことか。このシンプルさが、かえって新鮮です。
手錠でつながれた二人のカーチェイス。クルマの横転も意外なら、横転によって引き起こされる事態も意外で、映画の面白さが次々に引き出されていく。
トム・クルーズが実際にバイクで崖から飛び降りるスタントは、予告編でももっとも目を引くところですが、「そこからどうやって走る列車に乗り込むか」という大きな問題がまだそこには残ってる。それを、実にバカバカしくも意外性をもって、「これしかない」というタイミングで画面に再登場してみせるトム・クルーズ。いやホント、あり得ないしバカバカしいし、だけど最高。
そんでもって、列車を舞台にしたアクションをこれでもか、と。いやあ、列車モノにハズレ無しですね。どんなに例外が多くとも。
列車とくると、「駅」というのも昔から、映画の中にしばしば魅力的な舞台として登場する訳ですが、本作では「駅」を描かなかった埋め合わせのように、「飛行場」を舞台として取り入れ、サスペンスを展開します。
いやホント、サービス満点。お馴染みのメンバーもいいんですが、主人公を追う二人組、目立つ存在ではないながらも彼らが実にいい味出してるんですねえ。
PART ONEと銘打ってますが、某ワイスピ最新作のような愚を犯すこともなく、非常にキリがよく気持ちのよい終わり方です。最初から最後までワクワクさせてくれて、もう充実感しか残らないではないですか。