2.おそらく多くの人が「ロックオペラ」という代名詞のため見ていない作品だと思う。ただ、ケンラッセルの「マーラー」でかいま見る「私は直線的な台詞でストーリーを語るくらいなら歌と踊りで表現したい」というメッセージが痛いほど伝わり、私は個人的かもしれないがシビれました。ピアノ鍵盤型のピンボールで戦う前王者役エルトンジョン、マリリンモンロー教の教祖でありギターを片手にダイナミックな曲を歌うエリッククラプトン。そして暴れまくる副教祖ピートタウンゼントにキースムーン(お客に向かってドラムを投げる)。カメラにぶつかりながらもやたら踊り歌うティナターナー。もともと、歌劇とは歌でストーリーなんて分からなくてよく、それでかつ馬鹿なくらいアートにこだわるものだと思う。
音と映像がメインのこういう作品で、目と耳と口が不能な少年が主人公だがそれが十二分に魅力的な方面に向かっていると思う。
普通、いくらお金をかけてもこれだけ周りの人間に協力してもらえる映画監督っていないと思う。